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おじさんの小麦アレルギー体験記

noteはじめました。自己紹介がてら、小麦アレルギーと診断されるまでの遍歴やエピソードを紹介させていただきたいと思います。


1. 腹痛と吐き気に悩まされた学生時代

学生時代は常に腹痛とおならを我慢し続ける日々でした。いま思うとグルテン不耐症や過敏症のような反応で、腸が過敏に反応してガスが溜まっていたのかなと思います。

ただ、当時はそんなこと思ってもいなかったので、みんな同じなんだと勘違いしていました。

中高と共学だったこともあり、授業中の不意のおならは学生生活の終わりを意味すると思い、授業なんてそっちのけで日々括約筋に集中していました。

これって自分以外もみんな同じで、休み時間にトイレで文字通りガス抜きをしているんだよねって本気で思っていました。当時、女子って個室だからガス抜きやすくていいよね!って話をしてしまったことがあり変態扱いされましたが、いま思うと確かに濃い目の性癖を押し付けてくる危険な男でした。

また、中学時代の部活は野球をやっていましたが、走り込みの後などに頻繁に吐き気を催し、よく練習を休んでいました。当時は完全に精神論の時代、もちろん根性なしのレッテルを貼られます。

ただ、トイレで上から下から出し切った後はめちゃくちゃ動けてキレキレ、テンションもなんか妙に高い。中の人が変わったのか、なんかドーピングしてきたのか、監督やチームメイトからするとかなり怪しい奴だったと思います。打順が日に日に下がって行ったのを覚えています。

2. アナフィラキシーの発症

社会人になり一人暮らしをする中で、度々重い症状が出るようになりました。大体食後1時間くらい全身を埋め尽くすほどのじんましんが出て、1~2時間ほど激しいかゆみに悶えます。

その後、じんましんは嘘みたいに引いていくのですが、強く掻きむしったことで全身の皮膚が剥がれており、その日の風呂が地獄です。あまりの痛みにシャウトしながらシャワーを浴びる日々でした。隣部屋の住民に謝りたいです。

当初は仕事も忙しく寝不足だったり、カップラーメンや冷凍食品に頼った不摂生な生活をしていたので、栄養足りてないのかな?ってやり過ごしていましたが、発症の頻度がどんどん上がって行き流石に皮膚科に行きました。

皮膚科ってこどもが多くて、なんとなくおっさんは場違いな空気感が…。
もしかして水虫患者と思われてない!?違うんですよ!とか余計なことを考えながら呼び出しを待ちました。

ついに呼び出しがあり、先生に症状を伝えようとしましたが、常にじんましんが出ている訳じゃないし、そもそも食物アレルギーって認識もなかったので伝えるのがすごく難しい。

自分「急にじんましんが出て痒くて、その後一気に引いていくんです」
先生「??それは大変だねーじゃとりあえず塗り薬出しときますね」

なんか微妙な結果に・・
一応発症時に塗るも、なんかあんまり効いて無いような感じだし、全身に塗れるわけでも無いし・・(数回で使い果たしてしまう・・)

3. カメラに映ったアナフィラキシー症状

ちょうどそのころ、いまの奥さんと結婚し、ハネムーンでスイスに行きました。その最中、マッターホルンの目の前でじんましん発症。

山小屋のランチでゲシュネッツェルテスのペンネ(小麦)を食べてハイキング(運動)したのが悪かったようで、逆さマッターホルンの絶景を前に全身を掻きむしり身悶えるという、とても奇特な体験をしました。

この逆さマッターホルンを目前に発症

ただこのとき、ちょうど持っていたビデオカメラで全身にじんましんが発症してゼェゼェしている姿を録画することができました。

帰国後、カメラを携え改めて皮膚科の先生に映像を見てもらったところ、

先生「これは酷い、アナフィラキシーショックだから死ぬこともある。しっかり原因をつきとめよう!」

このときは正直、いや最初からもっとしっかり診てください…と思いましたが、先生曰く、まさかこんな重症だとは思わなかったとのこと。
(ちょこっと発疹出た状態で診てもらいにくる方が多いそうで…)

そこから、食物アレルギーの仮説を立て、発症時の直前に食べたものの記録を始めました。

4. アレルギー原因食品の特定

当時の記録(一部)がこちらです。

発症時の食事記録

このときの記録からは、ラーメンとかしょっぱいものが多いかな?というくらいで、これが原因だ!ってものには自分では気づかなかったのですが、この記録を皮膚科の先生に見ていただいたところ、

先生「これ小麦が原因かもしれないね。小麦をターゲットに血液検査をしてみようか。」
自分「(・・小麦?)」

料理をしない自分にとっては、小麦と言われてもピンと来ません。
辛うじて、確かパンって小麦からできるよなって思ったので、

自分「ああー、パンとかハンバーガーが多いですもんね」
先生「いやラーメンとかケーキ、カツとかもこれ全部小麦でできてるよ」
自分「!?」
先生「ペンネとかカツ、あんまんもそうだね。ああこれは可能性高そう」
自分「」
先生「あと運動後に発症していることも多いね。ちょっと調べてみたんだけど、大人でも発症する食物依存性運動誘発アレルギーというものがあるらしくて。小麦が該当しているかもしれないから血液検査をしてみようか。」

検査の結果、しっかり小麦に反応が出て、発症時の状況も踏まえて運動誘発性の小麦アレルギーと診断をいただきました。

5. 小麦アレルギーという絶望

アレルギーであるのは分かった、よし治療だ、とまず思ったのですが

先生「アトピーとかもそうなんだけど、じんましんってまだ原因が解明されていないので、とにかく原因食品を避けること。アナフィラキシーは本当に死ぬ場合もあるから、毒だと思って生活するしか無いね。」

治す方法が無い・・これまで特に持病も無かったので衝撃的でした。

また、正直当時の自分はあらゆる麺が小麦でできていることすら知らず、小麦でできた食品というものを調べて改めて愕然としました。

パン・麺・揚げ物・カレーやシチュー・クッキー・・・全部ダメって普段食べてるもんほとんどやん!どうやって生きて行けばいいのか・・・。

目の前が真っ暗というか、景色が白黒になるというかそんな感覚でした。
(今思うと当時新婚だったので、料理をしてくれる奥さんにとっては完全に結婚詐欺だったなあ)

6. 小麦アレルギーと生きる

小麦を除去した生活を開始すると、これまで悩まされてきた症状は嘘のように出なくなりました。

一度、クリームソースに小麦が含まれていることを知らずにラザニアのラザニア抜き(パスタのとこを取ったもの)を食べて発症したことがありましたが、それ以外は目立った症状も無く、気付けば下痢に悩まされることも無くなっていました。おならをずっと我慢していた学生時代の自分に伝えたい。

大好きだったラーメンやパンが食べられなくなったのは本当に辛いのですが、逆に食べられるものを見つけたときに感動を得ることができるようになりました。

グルテンフリーの小ブームなどもあったりして、特に最近米粉で作られた食品が増え、米粉のパンやラーメン・パスタ、お好み焼きやたこ焼き、焼きそばなどの粉もの、ケーキやカヌレも食べられるようになってきました。

米粉ホットドック

もしかしてアレルギーのおかげでメリハリのある充実した暮らしができているのかも?と思うこともあるくらいです。生産者・販売者の方々には本当に感謝です。

また、親身になってくださった皮膚科の先生には本当に感謝しています。忙しい合間を縫って自分のために色々と調べていただいたようで、そのおかげで今前向きに生きようとする自分がいるんだと本当に感じます。

今後noteに書きたいこと

グルテンフリーの飲食店やコンセプトショップなども増えてきていて、そこを目的に旅行するというのも日々の楽しみになっています。その備忘録のようなものをしたためていきたいと思います。

グルテンフリーというと健康志向の高い方や、内面から美しくなることを目指す女性向けというところが多く、おじさんが一人で入るには勇気が必要なお店が多かったりします。

きっとアレルギーは老若男女問わず増えているはずなのに、おじさん向けのお店や情報が少ないのは何故なんだろう?
かなり稀な症状なのか、SNSなどで発信されており自ら会いに行った方を除けば、同じ症状を持つ人には出会ったことがありません。

一度、夜の飲食店で接待くださった女性が「えー私も小麦アレルギーなんですよー、一緒ですねーうれしいー」と思い切ったチャレンジをしてくれましたが、話しているうちにさすがにボロが出て無理に合わせてくれたことを白状してくれました。 プロはすごいなあと改めて関心しました笑

そんな希少な小麦アレルギーおじさん目線情報を書いていければなと思います。飽き性なので続けられる自信はありませんが。

実際にほとんど存在しないのかもしれませんが、こういった悩みを持つどこかのおじさん仲間に届いたらいいな(まあ別に届かなくてもいいな)と思いつつ、記録していければと思います。

私のアレルギー症状

これまで体験した症状を以下の記事にまとめました。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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