【技術士二次試験】 勉強方法:キーワード学習のメリット・デメリット

 技術士二次試験の勉強方法として有名なキーワード学習。セミナー受講の課程で「300個のキーワード学習が合格の条件だ!」などと言われた経験があります。このキーワード学習にはもちろんメリットはあるのですが、デメリットというか試験時に対応できないことも多くあるため注意する必要があります。今回は、キーワード学習のメリットとデメリットについて伝えようと思います。


キーワード学習とは・・・


 キーワード学習とは、ある用語(キーワード)を過去問や白書、技術論文、新聞などから抽出し、その意味や定義、課題、解決策、留意点などをまとめていく勉強方法をいい、セミナーなどでも推奨されている勉強方法の一つです。多くは一つのキーワードでA4用紙一枚程度の文量でまとめる感じです。

キーワード学習のメリット


・用語の知識が増える


 キーワード学習は、やった数だけ技術的な知識が増えます。また、知っていた知識でもその正確性の向上が望めます。特に各種知識に付随する具体的な数字を覚えることは非常に重要です。論文の具体性や説得力が格段に上昇します。例えば、「日本における温室効果ガスの排出量は年々減少しており」、よりも「日本における温室効果ガスの排出量は、前年比で~%、10年前比で~%減少しており」のほうが知識が豊富にみえます。つまり評価項目である「専門的学識」をアピールする材料になります。

・今後の業務に役立つ


 キーワード学習の用語の多くは、実際の業務でも必要な知識のことが多いかと思います。細かい知識をド忘れしたときなんかには、詳しく自分がまとめた文書が身近にあるということは非常に心強いものです。

・学習の進捗が見えやすい


 実際にキーワード学習をやっていくと、目に見えてまとめた文書が増えていきます。自分の場合はEvernoteでキーワード学習を行ってきましたが、量としては200前後の項目をまとめていたと思います。闇雲に過去問を解いたり、人の合格論文を読むよりも、勉強の成果が目に見えますので、試験への不安は多少減るかと思います。

キーワード学習のデメリット


・論文がすぐに書けない


 キーワード学習を行うことで知識量はもちろん増えます。しかし、実際の試験問題を見てもらえればわかるのですが、用語に対して必要な知識で回答できる問題は選択科目のⅠのみであることが分かるかと思います。必須問題や選択問題のⅡ、Ⅲなどの、原稿用紙2枚以上の問題に関しては用語の知識のみでは回答することができません。自分の場合は、5月ごろから実際に論文を書く練習を始めましたが、最初のころは全く書けませんでした。やはり文書は一連の流れが必要であり、点の知識をどのように入れ込むかも併せて勉強する必要があります。

・やった気になる


 メリットである進捗が分かりやすいと相反するものですが、数として成果がでるので、キーワード数を増やすことに執着してしまい、最終的に論文が書けない、キーワードを覚える作業をしていないなど、意味のない結果となる可能性があります。セミナーでもキーワード集を作ることに注力しすぎて落ちてる人が多くいたように思います。最終的には受かる論文を書いてなんぼです。

・論文の差別化ができない


 受験生の多くがキーワード学習を行い、同じような内容をインターネットや書籍からとってくるため、最終的に書き上げる論文の内容が皆同じようなものになる危険性があります。建設部門では、解決策の多くがBIM/CIMに帰着するというのをよく聞きます。同じBIM/CIMという答えしかないにしても、表現方法やちょっとした工夫を文書に施し、採点者へとアピールする必要があります。評価項目でいう「コミュニケーション」に該当する部分でしょうか。

まとめ


・キーワード学習は、知識のインプットであり、実際に文書を書くことを意識したまとめ方をする
・評価項目である「コミュニケーション」を意識し、表現で他の受験生との差別化を図る


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