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かけっこ万年ビリなわたしの、 小さなチャレンジ、小さな奇跡


「中学生になったら、一緒にバスケ部やらない?」

その当時仲の良かった友達が突然、わたしに誘った理由は、

たまたま、わたしがそのとき、
学年の中で背が高いほうだった

ただ、それだけのことだったと思います。

*******

体を動かすことは、昔から好きでした。

体育の授業も、嫌いではありませんでした。

音楽や図画工作と比べれば。

だけど、とにかく

運動音痴なのです。


ただ、音痴なのです。


当然、走ることは最悪です。


運動会の徒競走。

その種目はわたしにとって、

生き恥をさらすための、年度の儀式にほかなりませんでした。


100m 18秒。


それは、毎年のように積み重ねる、不名誉な数字でした。



*****


友人に誘われるがままに、
中学に入り、わたしはバスケ部に入部しました。


わたしの友人は、
小学生のころからすでにバスケをやっていたこともあって、
活躍ぶりがピカイチだった。

そんなところに、

「かけっこ晩年びり」

という輝かしい実績を持つ

わたしが登場するわけです。

走るだけでも、圧倒的に差をつけられる。

バスケ技術なんてもってのほか。

そんな中で、わたしは考えました。

わたしがとにかく全力を出すことで
周りに追いつける能力は何か。


それはやっぱり、「走ること」しかありませんでした。


とにかく走りました。

びりだろうが何だろうが全力で走りました。


走る、走る、走る。

走りでみんなと肩を並べる。


それだけをまず考えようという気持ちしかありませんでした。


結果、どうなったと思いますか?



ボールの扱いは、ほとんど上達しませんでした。


でも、


学校行事の陸上記録会(学校行事)で、
クラスリレーの選手に、なれました。

100m 14秒。


決して速いとは言えないけれど、


それは、少しだけ胸を張れる、そんな数字でした。


***

この体験は、今もわたしの中で生きています。

「人生、やってみないとわからない」

過去の実績も不名誉も関係ない。

それは、ただの壁なんです。

壁を壊そうなんてした日には、骨が折れます。

壁は壊さず、乗り越えてしまえばいいんです。


いま、この瞬間に、積み重ねていく経験や努力。


それが強靭な足場となって、


気づけば壁なんて、見おろすだけのものになる。


これまであなたが出会ってきた壁は、どんなものでしたか?

今もなお、そびえたっていますか?

それとももう、はるか遠くの足元の世界ですか?


人間、なんだかんだ乗り越えられるんだなって、そう思います。



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