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【インタビュー】10年ぶりに楽器を再開、新たな音楽ライフを送る

アマチュアで音楽活動をしている社会人に
スポットライトを当てるインタビュー企画。
今回は、学生時代は社会人に交じってアマチュア吹奏楽団で活動、
就活とともに卒業後、約10年のブランクを経て音楽を再開した
Aさんのインタビューです。
再び楽器を手にしたきっかけとこれからの夢とは。


最近、楽器を再開されたと伺いました。

2023年10月からアルトサックスの個人レッスンに通っています。
大学までやっていたオーボエを再開したのは、2024年6月です。

今は、オーボエもサックスもやりたい曲を
レッスンに持ち込んでいます。
この練習をしたいからこの曲を次にやろうとか、
考えて行動できるのはすごく楽しいですね。

吹奏楽団では自分で曲を決められなかったのですが、
今は演奏者が自分1人なので、練習プランや練習の組み方など、
吹奏楽団時代とはプランニングが変わってきていますよね。

もう一度、楽器をやりたいと思ったきっかけは?

音楽をやりたい波は定期的にありましたが、
実際に行動し始めたのは、去年の10月なんです。

きっかけは、西関東大会の吹奏楽コンクールの
職場・一般部門の演奏を見たこと。

川口市・アンサンブルリベルテ吹奏楽団
(当時。現在は川金アンサンブルリベルテ吹奏楽団)
という団体のドラム担当の方に衝撃を受けたんです。
ドラム、笑ってたんですよ。本番中に。
定期演奏会で笑っている人は見たことがありますが、
吹奏楽コンクールで笑える人はそうそういないと思います。
「うわ、かっこいい」と衝撃を受けたことが、
楽器を再開した一番のきっかけだと思います。
自分も楽器をやっていたわけですから、とても憧れました。

これから挑戦したいことはありますか?

複数の楽器を自分で扱えるようになることが、一つの夢です。
昔は吹奏楽団に入って高みを目指したいと思っていましたが、
今は、自分が複数の楽器を扱えるようになることが最終目標なんです。

オーボエとイングリッシュホルンはある程度は吹けますが、
他の楽器の経験があるからサックスもすぐにできるように
なるだろうと思い過ぎないように注意していますね。
経験を過信しすぎない、素直な気持ちでいます。
オーボエをある程度やってたからと言っても、
別の楽器が簡単に吹けるようにはならないです。

そこで、自分に対して「いや、それできないのは当然だよ」
という許しを与える。
じゃないと多分、楽器は続かないと思いますよ。

木管で複数の楽器を演奏する人のことを
マルチリード奏者って言ったりしますが、
自分が目指している最終的な着地点の一つとして
「マルチリード奏者※を名乗る」ことがあります。

なぜマルチリード奏者を目指そうと思ったのか、
正直わかりませんが、「できるんじゃない?」って思ったんです。
驕りがあったのかもしれないですが、
できるかもしれない・できるだろうという思いはあって。

他の楽器もできるオーボエ奏者だったら、差別化も図れますし。
だから、シングルリードに挑戦しようと思いました。
これからはクラリネットやピアノもやっていきたいです。

マルチリード奏者になるという目標に向かってがんばっているんですね。

でも、自分の本質はオーボエ奏者です。

私はアルゼンチンタンゴが好きですが、
例えばピアソラの曲なら、バンドネオンやシングルリードの
楽器が一番合うかなと考えていました。
今は、オーボエでやるのも味わい深いと思っていて。

きっかけは、認知症の祖母の介護です。
祖母を見て、その本質は寂しさだと思いました。
ピアソラの曲が持つ寂しさ、忘れられた悲しさのようなものを
一番表現できるのがオーボエだと私は思っていて。

10年程前に祖父が亡くなってから、
私は祖母の所にあまり行きませんでした。
その10年の間、祖母は忘れ去られていたと思います。
抽象的な話をすると、オーボエの音色と祖母の忘れ去られた10年間は、
私の中ですごくリンクします。
この10年の間に祖母は何をしていたのか、わからないんです。
10年の間、楽器を吹かなくなり、私に忘れられていた
オーボエと祖母に寂しさというところで共通点を感じています。
なので、オーボエでピアソラを演奏したいと思ったんです。
楽譜が少ないので、いずれは自分で編曲もしてみたいですね。

マルチリード奏者も目指したいですが、
オーボエでできることも広げていきたいです。
イングリッシュホルンも、また吹きたいですね。

※木管で複数の楽器を演奏する人のこと


社会人になって楽器をやめてしまうと、
再び楽器をやるのは腰が重いですよね。
Aさんのもう一度楽器をやろうという決断と行動力は、
迷っている人の励みになると思います。
お聞きしている中で、オーボエができるからって
サックスがすぐにできるようにはならない
そこは自分に許しを与えるというお話が印象的でした。
楽器以外に、お仕事や人間関係にも応用できそうな考え方ですよね。
ありがとうございました。

聞き手:ウィズウインズ 大竹みずき

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