遅すぎたありがとう
持って生まれた性格・気質は環境ではそう変わりはしないものらしい
私は自分が嫌いだった
内気で臆病で消極的で
おまけに根暗で後ろ向きのくよくよいしぃ
だけどこんな私を愛してくれた人がいた
なのに幾つになっても悪態ばかりついていて
失くして初めて心が凍えた
本当は大好きだったんだよ
カッコよくて達筆で背高のっぽのお父さん
何も持たない私の一番 自慢だった
そんな父が去ったのは一昨年の真夏のこと
誰かが言ってた
一週間もすれば忘れると
そんなの嘘
私はいまだに心が癒されずに生きている
ほどなく昨年の暮れ優しい母までもが逝ってしまった
母の作る手料理は天下一品
着物の仕立ても布団も洋服も器用な手先でこしらえてくれたのに
そんなの当り前だと思っていた
さすがにいっぱいっぱいで心が持たなくなりそうよ
子どもの様に声を出して泣いて
泣いて
気持ちの持って行き場が見つからず迷子になってしまいそう
お父さん
真面目一徹で頭が良くて更に努力の人で
私は全力で追いかけても追いつけなかったけど
社会のいろんなことを父から学んだ
私はあなたに何が返せただろう…
お母さん
お日様よりもよく笑って私をあっためてくれたっけ
人あたりがよくて社交的
働き者で関心されてた
いつも私の悩みを吸い取って笑い飛ばしてくれたのに
ありがとうが言えなくてむくれた顔ばかりしていたね
あなたの人生 幸せでしたか…
先週、旅だった母は今どこを旅しているのだろう
父に真っすぐに会えてるだろうか
遅くなってごめんね
今から言うよ
お父さん
お母さん
こんな私を愛してくれてありがとう
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