見出し画像

『ブルーロック』初見感想〜これが、3次元サッカーだ

こんにちは、りりと申します。サッカーのことはイナズマイレブンでその大半を知った大学生です。

皆さんは『ブルーロック』という作品をご存知でしょうか。
サッカーにおけるフォワード、つまり点を取ることをメインとしてフィールドに立つポジションの選手だけを集め競わせる施設、「ブルーロック」での出来事を描いた物語です。

私は先述の通り幼少期に見た『イナズマイレブン 』シリーズにかなり毒されており、ファウルとオフサイドは辛うじてあるがレッドカードなんて出るわけない世界でのサッカーしか知りません。

そんな中で大学の後輩から「先輩ブルーロック見ませんか?」と声をかけてもらい、次見るアニメを迷っていた私は即決で見始めたのですが…

これが、まーーーーあ面白い。

あんなに次が早く見たいと心が急いた作品もこれまでなかなかありませんでした。(過去見た作品の母数が少ないという説はありますが)

というわけで、今回はブルーロック1期を見た感想を書いていきたいと思います。おおよそ「すげー!かっけー!!」の言語化なので悪しからず。

サッカーというシステムの難点

『ブルーロック』はサッカーをテーマにした作品ですが、スポーツの中でもサッカーは描くのが特に大変な作品なのではないかと思っています。
というのも、シュートをゴールに決めなければ試合が動かない。相手の強さを示すには相手のシュートを入れられる必要があるのに、それを阻止してカウンターを決める手段はキーパーが止めるということが大きな条件。
そんな中で、「登場人物が全員フォワードである」という設定はよく考えられたものだと強く思いました。そうすれば、必然的にシュートを入れることを前提にした試合運びができる。

これは、私がイナズマイレブンを見ていたときに特に思っていたことでした。もちろんシュートの場面が多ければ試合は盛り上がりますが、その分終わった後のスコアは非現実的なものとなってしまう。
例えば『イナズマイレブンGO』のラスボス・イクサルフリート戦では、8-7のスコアだったりと、「(そんな馬鹿試合あるかよ)」みたいな結果が出たりします。これの何がよくないかって、スコアを見せられた時に作品を「非現実」として再認識してしまうタイミングが生じてしまうということです。
そのぶん、2次セレクションは「先に5点取った方が勝利」という、最大で9回ものゴールの見せ場を作りながら馬鹿試合に見せないための工夫が凝らされているルールであったと思います。しかもそこまでご都合ルールに感じさせない、いい塩梅の設定がベースとなっていたことに、既にこの作品のすばらしさを感じていました。

ところでこの作品はどうやら現実のサッカー選手をモチーフにしているキャラクターが多いらしく、普段アニメを見ないサッカー好きの層にも門戸を開くような作品であると感じています。こういった状況のなかで、いかにもアニメ展開のサッカーを繰り広げてしまうとあまり面白味を感じない可能性も十分に考えられる。だからこそブルーロックはその部分をはみ出さないように丁寧になぞり、結果として現実のサッカーを楽しむ層にも受け入れられているのだろうと推察します。

ぶっ刺され、蜂楽

『イナズマイレブン』シリーズをご存じの方にだけしか伝わらないかもしれませんが、私は不動明王くんが好きでした。センスとテクニックに長け、あれほど超次元が飛び交うフィールドの中、個人技0で世界一までのぼり詰めた存在。ボールを自在に扱うシーンも多く、幼いころからボールとともに暗い過去を過ごしてきた。

蜂楽廻が刺さらないわけないか。

信じられないと思うんですけどオタクって安直で、好きなキャラの傾向って何作品かたどると明らかに見えてくるんですよね。
私は変な人が好きです。『ハイキュー!!』なら天童覚くんが好きだし、『テニスの王子様』なら仁王雅治くんが好きです。
わかりますか、変な人なのに実力があるんですよ。

蜂楽のいいところは、あまりに変な人すぎないところです。見方によっては変わった一面も彼のテクニックの一部として含まれ、メインプレーをドリブルにおいてゴール前で潔にボールをパスする判断も当然できる。あと一番大きいのは、「普通にしゃべれる」ということです。変に煽り口調でもなく、独自の言語を発したりもしない。よって、より一般ウケするキャラクターであると感じます。

だからこそ蜂楽が味方だと嬉しかったし、敵になった瞬間は絶望だった
それと同時に、凛に蜂楽が選ばれた時はどこか嬉しい自分がいたことも否めない。視聴者というのは時に身勝手な思考に占有されてしまうものだと痛感しますね。

という感じで、蜂楽くんの活躍には今後も全力を以て期待したいと思っています。
ちなみにその次に好きなのは千切くんです。うーん、大衆と同じ。まぁ、逆張りとかなく自分の好きに従った方が作品って楽しめますから。皆さんも自分の心に正直になった方がいいですよ。

「普通のサッカー」

超次元サッカーではない世界では、過度なエフェクトなしにゴールシーンを盛り上げる必要があります。もちろん相手のボールを奪うという動作1つとっても立体的に表現することを余儀なくされますし、「今誰を軸に試合が動いているのか」をハッキリさせる必要がある。

安定して砲台の役割を果たしていた國神や馬狼ですら、心の動きや彼らの「エゴ」によって試合を決める点が入ったことを明確に表現する必要が出てくる。國神くんはまさかの退場で衝撃でしたが…

その点、凪のトラップ、千切のスピードなど、「火」「風」などの概念にとらわれない個性(強み)が中核となって描かれ、それをハッキリ際立たせるように活躍の場面が描かれています。
だから千切が覚醒する前のチームZのミーティングで、それぞれの強みを整理する時間が設けられたのだろうとも思っています。

これの難点として、「火の大きさ」「風の強さ」などで強くなったことが可視化されていたイナイレと異なり、既に持っているステータスで強さを描く必要があるということが挙げられます。

千切のスピードは当然これ以上覚醒することはないでしょう(先の展開を知らないためなんとも言えませんが)。だから、何かを基準として相対的に描く必要があるのではないかと考えます。目立たないディフェンダーだった千切からサイドラインを思いっきり駆け上がる千切に変わるように、チームVの剣城斬鉄との速さで競り勝った千切が描かれたように、現実で似た性能の選手同士が比較されるようなことが作品の中でも起こっているのだろうと思いました。
そして実際、当然ながら視聴者は千切に感情移入し、「剣城よりも速かった」という認知だけが残る。作品という監獄の中で生きる選手たちに向けられるのは、我々の残酷な視線ともいえそうです。

最後に

だらだらと書き綴ってきましたが、とにかく言いたいのは「ブルロおもろかった~!!!」ということだけです。
10/5には映画が地上波で放送されるほか、アニメ第2期も始まります。

個人的には氷織羊くんが気になっています。既にめぐる(蜂楽)がいるのに、ひおりも来るの!?となっているところです。あとは真乃だけや。
なんの話をしているかわからない方は、「イルミネーションスターズ」と検索して下さい。エビ揉め。
…ではなく、あのタイプの顔をしているキャラがゴールを前にしてどのようなエゴを出すのかがものすごく気になります。なおさら2期が楽しみ。

普通にネタバレを書いちゃったのでここまで読んでいる人は『ブルーロック』を知っている方だけだと思うのですが、もしまだ見てないよという方がいましたら、ぜひご覧ください。

それでは、また。


いいなと思ったら応援しよう!