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『僕のヒーローアカデミア』初見感想①~個性と自我の矜持

こんにちは、りりと申します。普段はポケモンやらアイマスやらを嗜む、大学3年生です。

私は、様々な事情からこれまでほぼ代表的な作品であるアニメやマンガに触れたことがありませんでした。
そのために、うっすらとアニメを見ることやマンガを読むことへの抵抗感が生まれ、大学生というとんでもなく自由な時間に溢れた期間にあったにも関わらず、ほぼ作品を観ないまま3年生まで来てしまいました。

どれくらい知らないかというと、コナンもナルトもドラゴンボールもほぼ知りません。

数少ない知っている作品と言えば、イナイレ、ハイキュー、暗殺教室。全体像を知っているのは本当にこの程度です。
最近友人の命令で義務的にONE PIECEを読み始めました。

そんな私が、たまたま映画で見た予告。大画面に映る、とんでもなくカッコいい少年たちの戦闘シーン。
公開は、まだひと月先。
見たい、と、直感で思いました。

大学の友人たちからは生きている人間ならばどう考えても追うべき作品の1つとして挙げられており、つまり周囲の人間が軒並み通っている作品であることから、その評価は一目瞭然でした。
これ、大学の友人と見に行けたら楽しいだろうな。

という訳で、聞きました。TLで。

こちらは大学の友達の轟くんです。学科も一緒です。
轟くんが言うなら間違いないね。ありがとう轟焦凍。

後輩から、盲目な私に有益な情報が。
そうか、アニメがあったね。

7期もあるアニメなんてほぼ見た事ないけど、面白かったら見続けられるはずでしょう。
そう腹に決めて、門をくぐりました。

ここからは、アニメの順を追った感想になります。原作は未履修の段階。
ちなみに、この文章を書いている時点では見終わるどころか全然進んでいません。
完全に、アニメを見終わる未来が推測できたから、noteを書くに至っています。
では長くなりますが、ぜひお付き合いください。

6/30__1期

努力という、一番基本的なところ

マンガの内容なんて、主人公がえげつない性能を最初から持っていて、その力を当たり前に使ってあからさまにちゃんと強いからウケてる、そんなもんだと思っていました。

この時点でいかに私が浅く穿った見方をしているかがわかるでしょう。私は愚か者でした。

主人公の緑谷出久は、少なくとも周囲の個性持ちの人間とは違う無個性。
恐ろしい現実ですが、個性持ちが大半という世の中になってしまった以上無個性を対象にしたいじめが行われるのは当然のことだと思います。

あまりこのようなことを直接的に述べるべきではないかもしれませんが、そもそも加害者側の特性として攻撃性能や自身の人間性に特化した機能を持っている、対して被害者側が何も持ち合わせていないというのは、現実よりも残酷な状況であると言わざるを得ません。
私がこの世界に無個性として産み落とされたら、中学時代に確実に気を病んでいた自信があります。

でも、彼は諦めなかった。
将来を見据えた努力を、欠かさなかった。

その結果振り向いた運命は、残酷ながらもより現実的な現実。
空想によって現実をごまかしていた過去とは対照的なものです。

少なくとも、彼は運命が現れるまで努力を欠かさなかった。
さらに、力を手に入れられると分かった後も懸命な努力を続けた。
信じられないくらいかっこよくて、まぶしく目に映ったその背中が、語っていました。彼が紛れもなく主人公であることを。

関係性の丁寧な提示

入学試験から個性把握テスト、屋内対人戦闘訓練にかけて、まずは周辺人物の個性を生かした登場のさせ方と丁寧な描写に感銘を受けました。

特に爆豪の人間性と出久との過去からの繋がり、そして個性を使い続けてきた者と使い始めた者の対比。どちらかが持つもの持たざるものという安直な構図にするのではなく、過去の相手像に固執していた爆豪を超えていく出久に対し、自分の未熟さを認め彼なりに前を向くという進め方は鮮やかなものでした。
なにより、爆豪のことを知ってまだ数話なのに彼の印象がジェットコースターのように翻弄される。私はすっかり掌の上でした。

また、屋内対人戦闘訓練にて飯田くんが正当な評価を受けていたのが優秀だと思いました。ただ戦闘シーンの引き立て役にするのではなく、彼も1-Aの生徒として描かれていることがよくわかる場面だったと感じました。
最終的に核にタッチしたお茶子が「本当の現場だったら一般人を巻き込みかねない危険な行為」として講評されているのも、ヒーロー科の授業として適切な評価を下されていると感じます。
この超パワーが今後ひしめく作品において明確な運用基準が設定されているのが、雄英高校を教育機関たらしめている気がします。

ゲスの極みツッキー

死柄木戦で最初に思ったこと。

死柄木弔、ツッキーすぎる…!

声優さんが同じ(内山昂輝さん)だったこともあり、直近でハイキューの映画を見ていた私は余計にその影をダブらせてしまいました。

そしてもう一つ思ったことが。

私が普段いる沼、バーチャルライバーグループ「にじさんじ」内の企画「にじさんじ甲子園」で笹木咲が率いたチーム名がヴィラン連合でした。

当然元ネタがあるなんて思ってもなかったですから、めちゃくちゃ驚きました。
というかヴィ連ってもう3年前のチームなのか…なんか 時間の流れってクソ早くないか!?

アニメの内容としては、オールマイトの貫く信念の分厚さに圧倒されました。蛙吹さ…梅雨ちゃんの機転の利かせ方というか、精神的支柱としての役割を果たしているシーンもよかった。

それぞれの個性が最初に活躍するような場面では、変に突拍子もない活用法をするのではなく、基本的な立ち回りを描く。
個性の使い方として一番シンプルなものを提示されることで、彼らの性能を視聴者が把握できる上、今後の成長も描けるというまさに一石が何鳥にもなる描き方だと思います。

もちろんマンガを読み慣れてる人からしたら「普通マンガってそういうもんだよ」とか思うかもしれないんですけど、私からすればジャンプの作品に触れること自体が貴重な経験なので、少年マンガの一歩目みたいな感想を持ってます。辱い。

負けイベはあって然るべき

ヒロアカ1期を見ていて思ったのは、やはり「負けイベ」はシナリオ上必要な存在であるということです。

近年台頭してきたいわゆる「無双系」のジャンルが国民的になるほど跳ねないのは、結局主人公が無双してしまうからなのではないかと思いました。

イナイレでいう帝国学園戦、ハイキューでいうインハイ予選の青葉城西戦など、負けイベは成長にはつきものです。
ましてやヒロアカにおいては、出久は生まれた時から「負けていた」。

蓄積された負けイベなど、邪悪な執念に変化してもおかしくない要素です。
ですが、それをプラスの要素に変えている出久が、雄英高校に入ってもなお格上の存在を体感し、上を目指すことをやめない。
そのような構図は、緑谷出久自身をより深く濃い「主人公」たる人物として描くために基本的なもの。だからこそずっとワクワクしていられると思うのです。

ヒロアカ1期を見ていて、ずっとワクワクが止まらなかった。次はどんな個性が見られるのか、次はどんなバトルがあるのか。
少年心をくすぐるような、魅力的で最高のアニメだとこの段階で確信しました。

ちなみにアニメ13話分を1日で見終わるのは、個人的には果てしなく快挙に近い行為です。
すげぇよヒロアカ。おもれぇよヒロアカ。

7/1__2期

この日付ってなんだろうと思った方へ、これは私が2期を見た日です。

ええ、1日で見終わりました。

28話もあったんだよ!?
すげーーー充実感。

そんで、2期OPがピースサインで大歓喜しました。
私が中学生だった頃の記憶が全部舞い戻ってきた。人生をかけた伏線回収。

というのも、ピースサインは私が中学で吹奏楽部に入っていた頃に文化祭などで演奏した青春の曲のひとつなんです。
ヒロアカのOPだったことは知っていたんですが、当時寮生活だったこともありアニメなどが追えず、、

改めて聴くとめちゃくちゃいい曲。

確執は斯くして成長の糧

轟焦凍くん、やばい。
轟の女になっちゃいそうな気がする。

最初は父親を否定するために炎を使わず勝とうとしていた轟焦凍。過去の経験から完全に炎を「父親」として認識したまま高校生になっていました。

自分が高校1年生になった時を思い出してみました。
両親と離れて暮らしてはいましたが、いつも味方してくれていた記憶があります。

それに対して、轟くんはどうか。母親は病院に入れられ、父親は憎むべき対象とし、兄弟は隔離されて成長し。
彼は孤独なまま高校入学を迎えたと感じます。

そんな中で、よくここまで、頑張ったね…と思いました。
思い返せば、入学後もクラスで映るシーンは多かったのに会話のシーンがほぼ入らなかった。一匹狼というか、不必要に感情が揺らいでまた左側を憎むことになることを避けているかのような。

それを飛び越えて、自身の意志を確認するかのように轟くんは出久に話しかけた。ここが彼の転換点だったのではないかと感じます。

エンデヴァーは紛れもなく有名なヒーロー。親の七光りはただでさえ善悪が各個人によって分かれる要素ですが、彼はそれを輪にかけたように父親を憎んでいる。
出久と出会わなければ、そのまま大人になっていたかもしれない。

そういった背景があったからこそ、「君の力じゃないか!!」という名言が深く心に突き刺さったのではないかと思います。

ちなみに私はこれを聞いた時家で叫び転がりました。
そんな肯定の仕方があるのか。安直に「そんなことないよ」「氷だけで勝つの応援するよ」とか、薄っぺらい甘ったるい言葉もかけることはできたのです。
それなのに、抱えた傷ごと全部轟焦凍なんじゃないかという認め方

寄り添う職業を選んだ、目指した者だからこそ使える、究極の寄り添い力

2人とも、ヒーローとして未熟だという点は同じ。ですが、持たされすぎて抱えることをやめた轟少年と、持たざるゆえ持つものへの許容を極めた緑谷少年
この2人が同じクラスとして作中で描かれていてよかった。轟焦凍が味方で本当によかった。

ちなみに今後の展開のことを1ミリも知らないので、轟くんが闇堕ちするようなことがあったら普通に萎えます。その面してこっち側立ってるからいいんだろうが。

名を冠するということ

兄である飯田天晴のヒーロー名「インゲニウム」を振り翳し、カッコつけるだけカッコつけて無力であることを実感した飯田天哉くん。

飯田天哉って名前めちゃくちゃいいですよね。
普通の名前っぽく感じられるし下の名前普通にカッコいいのに、声に出すと「韋駄天」が隠れてる。

飯田くんが追い詰められている時の表情を「よく知っている」と轟くんに言わせたシナリオが末恐ろしいです。
躊躇なく炎を使えるようになった轟くんは心強い仲間であり、こうやって救けられる人が増えていくんだろうなと思いました。それはまさに、ヒーロー出久が生み出した輪。

兄の名前を継ぐ、ということ。
本人から許可が降りたというか、どちらかといえば「継いでほしい」と言われて名乗ったものの、その名前に実在が追いついていなかった。
歌舞伎などの襲名もそうですが、名を冠するにはそれ相応の覚悟を持ち世の中と対峙する必要があります。
この一件を通して以降飯田くんの言動にはっきりとした軸があるのが見て取れるのが、よくわかります。それは覚悟を決めた証拠でもある。

なんかヒロアカって全部カッコよく見えるな。ずりぃよ

信念、そして

期末試験、やば〜〜〜!!!!!!!!

特に八百万×轟vs相澤先生。

八百万が一歩進むために轟も相澤先生も躊躇しない。眩しすぎるよこの人たち。
自分が捕まってて下に撒菱もあって後ろから相澤先生も来ててっていうかなり危機的な状況、もちろんここで失敗すれば轟くんもろとも補習確定なのに、学級委員の話まで持ち出して八百万の背中を押す轟焦凍、マジで強いやつ。
「そういうのはお前の方が適任だったって言ってるんだ!」←これやばい アツい男すぎ

自分の策を実行しようとしてる時の八百万ちゃん、おめめキラキラほっぺほにほにで可愛い。

そしてヒロアカのいいところのひとつとして挙げられるのが、カッコいい画角知りすぎ問題です。
恐らく原作を忠実に再現したのだろうと思いますが(無知ゆえ違ったらごめんなさい)、カタパルトから形状記憶合金を射出した後に炎を放った時の轟くんの表情、あの爆炎越しの布から覗く顔の凛々しさ、生唾を飲み込みました。

てか炎と氷出せるってズルじゃね?1人カオスじゃん、バーンとガゼルじゃん、ファイアブリザード撃てるじゃん
そうか、お前がホワイトキュレムだったのか。

そんで相澤先生マジでいい人すぎる。そりゃあんな根暗みたいな見た目してても紛れもないプロヒーローだわ。
そんで先生に向きすぎてる。生徒の状態や抱えている問題を認識し、課題解決に導く。その過程で生まれるのは単なる甘やかしではなく、歴とした教育の一環であると言えるでしょう。

最後に八百万さん、自分の個性の運用のためとはいえ努力を惜しまないところ、そこから導き出される洞察力と発想。
ただ知識を蓄えるだけではなく、それを活かし、使いこなせるからこそ八百万さんの強みが立ち現れてきます。ガリ勉にはない性質。

ポタクとしては賢い女の子はだーーいすきなので、八百万百さん本当にありがとうという感じ。もっと最強になってください。今後のご活躍を楽しみにしております。

最後に

思ったより長くなってしまったので感想は2期までで一旦区切りとさせていただきます。

全体を読み返してみると、いかに私が轟焦凍に狂わされているかがわかりますね。本当にいいキャラしてる。職場体験でエンデヴァーを選んだのもすごい。カッケェわ、お前の全部が眩しい。

どうやら3期以降のヒロアカはシリアスな展開もあると友人たちから聞いております。既に胃が痛い。
ガキなのでずっと友達ごっこしてくれてればそれでいいんですけどね…そうもいかないんだろうな。ふふ、ままならないね

というわけで長々とお付き合いいただきありがとうございました。3期以降も見進めたらまた書きますので、その時はまたよろしくお願いします。
それでは。

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