見出し画像

『僕のヒーローアカデミア』初見感想②〜概念と理想の着地点

こんにちは、りりと申します。
今回もアニメマンガ通ってない人間による、ヒロアカ初見感想を書いていきたいと思います。

こちらは前回の感想になります。よろしければお読みください。

このnoteは3期と、映画の1作品目の感想になります。

7/2~4_3期

林間学校で見えた事

ヒロアカ、始まったな、と思いました。
普通につらくて記憶飛んでるのでここの感想薄いです。すまん。

ヴィランによる襲撃で仲間が斃れ、散り散りになり、多くが傷つきながら戦った。

USJヴィラン襲撃や体育祭などの大団円協力戦闘や個性の競い合いに目を輝かせていた私にとって、荼毘を筆頭とした今回のヴィラン襲撃はかなり心に来るものがありました

さらに、オールマイトの憔悴、力の灯の消失。
これからは出久たちだけで戦っていかなければならないという過酷な現状。

これまでオールマイトが支えてきたものが全て現代社会にのしかかり、麻痺してしまっている。
その混乱は計り知れず、ぶっちゃけこれからの社会は暗雲が立ち込める以外の評価が下せない。
今後のヒロアカが見るの辛くなるな…と思っていたのですが

ありがとう仮免試験

こういうのが見たかったんだよ!!!!!!!!
ありがとう!!おかえり俺のヒロアカ。

そもそもオープニングが今後出てくる同等の立場に立つヒーローの卵たちの登場、技を繰り出す映像の連続、あまりにも私が見たかったヒロアカで歓喜してしまいました。
ちなみに「私が見たかったヒロアカ」なんて傲慢なことを言っていますが、原作未履修ですしヒロアカ見始めて1週間経ってないクソアマです。ごめんねぇ。

その前に少しだけ寮生活について触れたいのですが、私は中学高校と寮生活を送っていたため、多少なる親近感がありました。
ただ各部屋を見るという企画はプライベート的にいかがなものかと…峰田みたいなクソカス野郎もいるし ほんまこいつ なんやねんな

あと瀬呂くんの部屋があまりに評価下火だったの普通に許してない。めちゃくちゃ評価されるべきポイントだろあれ。部屋見て以来爆モテしてもおかしくないぞほんとに 俺は瀬呂くんを熱烈支持します。

仮免試験の話に戻りますが、この試験で横の広がりが生まれたのがよかったなと思います。

林間学校のヴィラン襲撃でもB組との共闘がありましたが、他の学校の存在、雄英高校以外にも強いやつら、ヒーロー候補がひしめいているという事実に心躍りました。

僕たち私たちの轟くんが仮免試験に落ちてしまったのは非常に心苦しいものがありますが、夜嵐イナサの対応が堂々としていたこともあり、轟くんニワカファンの私は心を諫めました。

各自が編み出した必殺技や新コスチュームが活躍したこともあり、改めてサポート科が味方にいることの心強さを実感しました
特に上鳴くん、対肉倉戦の時はかなりカッコよかったなと思います。

戦闘が立体的にカッコよく見えるの、ヒロアカのバトルでのいいところ。平面なのに躍動感と上手く共存している。それはきっとひとえに原作の秀逸さがあるからだと思います。

ちなみに、やおももさんが活躍した対印照才子戦ですが、彼女アニオリキャラだそうで。やおももに活躍の場を与えてくれてありがとうございます。耳郎さんとの協力で突破した戦闘、惚れ惚れするぐらいカッコよかったですよ。
もし原作のみ追ってらっしゃる方がいましたら、第55話「1年A組」ぜひ見てみてください。

本当に心から思うこととして、この仮免試験を学生のうちに見れてよかったなと思います。横並びの同輩と蹴落としあい、切磋琢磨しあい、時には協力する。学生の一番まぶしい部分だと思っています。

こんな作品、社会人になってから見たら嫉妬で苦しくなって見てられなくなる
高校生ほど横の関係との熾烈さはありませんが、少なくとも大学生のうちにこの作品を見ておいて本当によかったなと思いました。

幼馴染の距離と存在の影響

みなさんは幼馴染っていますか?
私は数人いました。

いま「した」というのは、中学受験を機に地元を離れたことで連絡を取らなくなり、現在は疎遠になってしまっています。

出久のように、中学高校と同じ道を歩む幼馴染は希少価値の高い存在であり、そりの合わない人間であればあるほどその人に呪縛を感じる人生となるのではないかと考えます。
ですが、彼らの幼馴染としての役割は「それぞれに何を重ねていたか」ということに焦点が当てられています。

爆豪は、出久が目に入るようになってから、「オールマイト」を重ねていた。
出久は、ずっと、爆豪に「勝つ」という要素を重ねていた。
「救けたい」より「勝ちたい」がまさるとき、少し口が悪くなって、その脳裏にはいつも爆豪のイメージがある。

あんなに大切に書いていたノートを乱雑に捨てられても、「屋上からのワンチャンダイブ」と言われても、爆豪の強さの要素が出久の中で大きかった。この点、考えれば考えるほど出久の心の強さがうかがえます。

いいなぁ、こんなアツい幼馴染。
といっても、今の2人のようにパワーバランスが均衡になったときの幼馴染に限りますが。俺は爆豪の一方的な圧に耐えられるほど強いやつじゃない。

7/4_映画

辿り着くまでの経緯

ヒロアカを通っている友人から「期末試験が終わったら映画の1作品目見れると思うからよかったら見て!」と言われたこと。
また、先ほどの3期にあった特別編で映画の内容の導入があったことから、見てみようと思いました。

映画といっても、1時間半なら大した長さではないですし。
ちなみに、1時間半座してアニメ作品を観れるようになったのは私の成長です。我ながらすごいと思う。

映画は祭りである。

耳郎さんかわいすぎ!?!?

失礼、思ったままの感想が出てしまいました。
『僕のヒーローアカデミア』という作品が世に評価され、アニメも評価され、そのうえでノリにノッて作られたであろう映画。
人を惹きつけるために必要な演出として今回使われたのが、ドレス衣装でした。
ただドレス衣装が部分的に出てくるだけではなく、終始その格好で戦うことによる特別感。ヒーロースーツではない以上普段のような戦い方はできませんが、「いつもとちがう」が視覚からわかりやすく受け入れられる要素は大事なものであると考えます。

戦っている途中にちらちら映る爆豪のベストが、思ったより柄がおしゃれでテンション上がりました。
本人は「着る気はない」と言っていたのに切島が持ってきたという理由でちゃんと着る爆豪、おりこうさんでえらい。

ただ、階段を駆け上がるシーン。だいぶ大変そうだったね…
その格好で階段爆上がりするの、ふくらはぎパンパンで足ぶっ壊れるでお前ら。特に女子勢、やおももとかスカート長いし大変だった。頑張れてえらい。

やおもも関連でいうと、おっぱいから投げ物錬成するのえっちすぎませんか…??いくら個性とはいえ あの なんでもないです
でも実際、やおももの個性があらゆる場面で有能かつ万能なおかげで、彼女を置くだけで話が進めやすくなるというか、展開の幅が明白に広げやすくなると感じます。

慣れの生み出す価値

アニメの作中では、雄英高校に入学してからの成長が描かれますが、思ったより相手の脅威の面が大きく、成長した面を安定して描かれることはなかったように思います(原作であればもっと濃密な描かれ方をしているのかもしれませんが)。

ですが、映画は1時間半で導入から結末その後まで描く必要があります。
つまり挫折を描くターンも必然的に少なくなってくる

今回の映画では、雄英の生徒で戦闘に関与するメンバーは絞られていたものの、最終局面にたどり着くまでの道中では基本的に生徒の臨機応変な対応による活躍シーンが描かれており、テンションが上がりました。

この点は、アニメと映画の大きな違いだと思います。
アニメは、テレビさえあれば、最近はTVerなどでも見ることができるいわば無料コンテンツです。ましてや、原作をもとに作られているのだから展開はほぼマンガ準拠と決まっている。

それに対し、映画はオリジナルストーリーであるうえ、有料コンテンツです。メインターゲットはヒロアカのファンであり、わざわざお金を払って主役の活躍の引き立て役となっている推しを観たいわけではない。そういう考えの人は多少なりともいるのではないかと思います。
そういった点で、映画にしか出せない簡潔な躍動感というものが理想的に含まれている作品であると感じました。

まずは耳郎さんの活躍。監視カメラを咄嗟に壊す判断力や瞬発力、また索敵にも大活躍しており、これは製作者陣に耳郎さん推しがいるのでは…?と思うほどの活躍でした。
索敵に使えるメンバー、1-Aのメンツでも耳郎さんと障子くんが2トップだと思ってるからその有能さが遺憾なく発揮されていてとても心強かった

次に峰田の活躍。私はぶっちゃけ峰田の言動は行き過ぎてあまり好きではないのですが、クラスメートが彼の扱い方を分かっているのが、出会ってたった1学期分しか経っていないのに彼らが協力して潜り抜けてきた戦線の色濃さを物語っています

考えてみてください。中学入学とか高校入学のタイミング。私は中高一貫校出身なので高校入学には新鮮さはありませんでしたが、中学入学はそのぶん打ち解けるまで時間を要する物でした。

それはひとえに、クラス単位で活動するイベントが少なかったから。もちろん人数の多寡もありますが、それ以上に雄英高校ヒーロー科の特異的な1学期がいろいろな出来事に塗れていたことを教えてくれているような気がしました。

大スクリーンで見たかった、切実に

この映画が公開されたのは2018年、私が高校1年生のときでした。
その時の私はヒロアカのヒの字も目にしなかったです。当時寮生活でテレビなどのメディアはほぼ見ることができず、さらに当時はトゥワイスではなくTWICEが流行していたときでもあり、ガッツリK-POPの界隈にいました。
友人が誘ってくれていればワンチャン見に行っていたかもしれませんが、部活で忙しくそんな余裕はなかった。

これを、大スクリーンで、見たかった…!

私がヒロアカを見始めたきっかけも、大スクリーンで見た予告編に映る轟焦凍の姿を見てのことでした。

結局、スクリーンで見る戦闘の迫力は、映画館でしか感じられないのです。
スマホの小さい画面では限度がある。

今回映画をスマホで見た段階でも、轟くんの戦闘シーンはかなり躍動感があり、感動するものがありました。
物質的な重量を感じさせる氷と、流動的な効果を感じさせる炎を同時に画面に映し出せる迫力。彼1人で完結してしまう役割の儚さ、贅沢さ、その強さ。
ずるい。見させてくれよ。
なおさら今年夏の映画を楽しみにするしかないですね。もう友人に行く約束を取り付けたので、あと1か月のうちにヒロアカの機運を高めるだけです。

とはいえ、他にも戦闘シーンで魅力的なところは多々ありました。
切島が吹っ飛ばされた時に爆豪が名前読んで心配しているところとか。今回の映画この2人アツくなかった?
本編の爆豪救出の時然り、切島が爆豪にとってどうでもよくはない存在になってきつつあるのかなと思うとほほえましいです。
また、爆豪の汗を轟の炎で発火させる合わせ技、さすがにえっちすぎました。お互いに個性を理解し、根っこの部分で互いを認め信頼しているからこそ出せる技。滾りましたね…最高や映画…

爆豪と轟でいえば、この2人が最終局面で口揃えて「ぶちかませぇ!!」って言ってるのがかなり痺れました。それはずるいって兄ちゃん。

その言葉がオールマイトに向けられてるのか出久に向けられてるのかは定かではないが、それでもプラスの方向に声を荒げたのは事実であり、あの時同じ方向を向いていた空気感が妙に心地よいものだと気づきました。
だからよ、早く丸くなってくれ爆豪。

↑書くなこんなメモ

シナリオに関する雑記

あまりにもグロ耐性がないので、普通にナイフで刺されたり撃たれたりして血の表現があったのそこそこきつかったです。フィクションとして受け入れられる限度的なものを超えていた。もっとそういうのに見慣れないといけませんね。

そしてシナリオに関して、全体を通して個性を生かしたものになっていたのが改めてよかったなと思いました。ヒロアカの世界観の中核にある物を蔑ろにしていない。
例えば、「金属に触れなければ個性は発動できないはず」などの場面展開、切り抜け方。個性という、万能なものも欠点があるものも包含する概念によってうまく作られているゲームバランスが、素晴らしいと感じました。

また、発目さんなどのサポート科の話は「ヒーローの味方」って前提が勝手に脳の中に生まれていたからこそ、ヒーロー用のサポート道具をヴィランが使うという発想には驚かされました。
今後ヴィラン連合側のサポート的役割を果たすポジションのキャラも出てくるのかな…だいぶ嫌ですね。

最後にオールマイトがヴィランと対峙して戦っていながら、その横で同じように戦ってる出久の名前を叫んでた峰田上鳴切島見て、いい仲間持ったな…と思いました。
雄英ってもうすっかり大事な仲間なんだな…と思って。彼らにとっても出久にとっても、お互いに信頼するに値する価値が生じているのだと感じ心にグッときました。

最後に

3期最後に猫柳キリオみたいな人が出てきて、今度は縦の繋がりが濃くなっていくんだなと感じました。
仮免をとって、この先もしかしたらヴィランとの戦闘が話の本軸になっていくのかもしれないと考えると少し寂しい気持ちもあります。少しは楽しい協力回があることを祈っています

それにしても、自分は暗い展開が本当に得意じゃないんだなと痛感しました。こんなんでへにょへにょしてたら鬱展開アニメなんて絶対に見れないな…。

4期以降どのような展開になっていくのか、ドキドキしながら見ようと思います。
これは2期を見始めるときに感じたドキドキとは、同じ擬音でも全く異なる感情。
単なるワクワクだけじゃなく、緊張、恐怖、なにか大切な人を失うのではないかという潜在的な圧迫感。

責任を持って見届けたいと思います。

以上、長々とお付き合いいただきありがとうございました。
それでは、また。

いいなと思ったら応援しよう!