31歳、わたしの旅歴① 〜初海外旅行編〜

高校1年の夏 イギリス

往復の飛行機はひとりで、
現地では駐在していた叔父と叔母のロンドンの家に滞在。
チケットの手配や資金も全て父持ちで、
まさに「かわいい子には旅をさせろ」の典型だったのだと思う。
初めての海外旅行なので、THE観光地をリクエストし
バッキンガム、ビッグベン、ロンドンアイ、大英博物館、キングスクロス駅、、、
叔母に意欲的に連れて行ってもらい、その後の人生でも一番「観光」した国。

「飛行機でもロケットでも乗ってきなさい」

叔父も上手く休暇を取ってくれ、2週間の滞在のうち2泊3日は
ロンドンからスコットランドに近いノーサンバランドへの国内旅行も。
小型の飛行機で移動だったため心配症の叔母は、
「お父さんに電話して許可を取って。飛行機で何かあった時に申し訳が立たない」
と言って電話をかけさせた。
ダメと言うはずはないと分かってはいたのだけどその時の父の返答は印象的で
「飛行機でもロケットでも何でも乗って来なさい」と即答した。
10年以上経っても、叔母はいまだにその時の話をする。

聖なる島で食べた絶品クラブサンド

ノーサンバランドにはリンディスファーン島(別名ホリーアイランド)という小島があり、歴史的な修道院を中心に人気の観光地となっている。
潮が満ちると島となり、干潮になると土手道で本土とつながる、というのも魅力のひとつ。ホテルのフロントで、道が繋がっている時間の予報を聞いて向かった。
その土手道を渡っている時の記憶はあまりないのに、
ホテルで叔父がスタッフにもらっていた予報時間の英語のメモは今でも思い浮かべることができる。この神秘的な島へのトリップは今でも大切な思い出だ。

修道院の廃墟っぷりと、海への抜け感が素晴らしい景色も忘れないのだけど、
その島の露店で食べたクラブサンドの味が忘れられない。
clubではなくcrab(カニ)のサンドイッチ。
食事としてではなく記念というかおやつみたいな感じで何の気なしに食べたのだけど、カニのほぐし身がたっぷり入ったサンドイッチ。パンはどんなだったっけか、野菜は入ってたのだろうか。詳細覚えてないのに本当に美味しかった。あのサンドイッチのためだけにもう一度渡英する価値があると、時々本気で思っている。

きっと二度とできない、海外旅行らしい過ごし方

叔母のスケジューリング能力と、朝に弱いわたしを「起こし続ける」という忍耐強さのおかげで、かなりの観光地を周ることができた。ノーサンバランドでも映画『ハリーポッター』の撮影地・アニック城にも行ったり、ロンドンでも地下鉄や絶滅寸前の2階建バスを乗り回し1日に何箇所も訪問した。叔父と叔母の趣味で古城や城跡、それに付随する庭巡りもした。当時のわたしは海外旅行とはこういうものだと思ったし、一般的には短期間でなるべく多く見所を周るのが海外旅行だと思うが、その後のわたしの旅のスタイルは全く違う形に仕上がった。と今は思う。
どんな風に確立(という名の堕落)していったのかはまたそのうち改めて。




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