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食育を通して子どもを前向きに|安座間貴奈さん【後編】
この記事は後編です。前編はコチラ↓
【取材を受けていただいた方の経歴】
安座間 貴奈(あざま たかな)さん
沖縄生まれ、沖縄育ち。
琉球大学農学部を卒業後、民間教育、公教育と携わり、現在は子育ての傍ら、保育士をしつつ、食と農の学び舎BASEを運営する。
孤独を解消する場
ーーー前編では『食と農の学び舎BASE』を立ち上げた経緯についてお聞きしました。インタビュー前に安座間さんのnoteも少し拝見したのですが、子育て中の母親が一人で問題を抱え込んでしまう「孤育て」の問題にも関心があるんですよね?
そうですね。だから、子どもが集まる場所を作っていきたいと考えているんです。
自分が母親になって思うのは、みんな無自覚に孤独なんですよ。
おしゃべりする中で相談し合えば同じことを考えていることも、一人で中に抱え込んじゃう。
例えば、地域としては子育て支援センターって育休中のお母さんたちが集まれる場所を必ず用意しているんですけど、そういう場所に出向かない。
あるいは、出向いたとしても困りごとを話さない。
そうして一人で抱えてしまっているお母さんが世の中にはいっぱいいるんじゃないかって思うんです。
だからこれをもっと自然にほぐしていけたらと思いますね。
―――そのきっかけとして、子どもたちが集まる場所を作りたいんですね?
そんな感じです。
私が子どもの頃は、そういったふんわりしたい場所がたくさんあった気がするんです。
小学生の時の友達のご両親が文房具屋さんをやっていたんですけど、そこの2階にはマンガがたくさん置いてあって、自然と友達が集まる場所になっていました。
「そのまま夜ご飯も食べていきな〜!」って言ってもらうこともあったし、「最近〇〇ちゃん見ないけど元気ね?」みたいな会話も自然と生まれていたんです。
今はそういった場所が減っちゃって、コロナになってさらにそういう場を作るのが難しくなって。
だから、今までは自然発生的にできていたそういう居場所を人工的に作っていく必要があるのかな、そうしないと、地域から子どもがこぼれ落ちちゃうんだろうなと思うんです。
地域のおばちゃんみたいな立ち位置で
―――居場所づくりのやり方として、意識していることはありますか?
『あくまで自然にやること』です。
うちに娘や息子がいるんですけど、まずはその友達の子達の居場所になれば、くらいで思っています。
単なる地域のおばちゃん、子どもたちにとってもただのお母さん。
そういった立ち位置でいられるように意識しています。
―――なぜそういったことを意識しているんですか?
『子どもの居場所です!』って大々的にしてしまうと、来なくなっちゃう人がいることに気づいたからですね。
子どもの貧困や子ども食堂とかに興味がある人は知っているかもしれないんですが、看板を掲げてしまうと引かれてしまうと言うか、「私は支援されなきゃいけない人じゃない」みたいな気持ちを生んでしまって、狙った人が来なくなってしまうんですよね。
実際、ママ友としてすごく仲良くしてくれる方も、「社会的な活動をやっているのね」と認識されるとスーッと避けられてしまう感じがあったり。
あとは「学び舎」みたいな要素を入れてしまうと「私は勉強苦手だから」と言われてしまうこともあって。
だから今回『食と学び舎BASE』として取材依頼をいただいたんですが、表向きはあまり看板を出さずに活動したほうが良さそうだなと検討している段階です。
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―――なるほど。BASEの形は模索中ということですね。その中で、「今後こんな形にしていきたいな〜」という想像はあるんですか?
ここまで話してきたように、小さくスタートさせてみて、やっていることとやりたいことにズレがあるように感じているので、そのズレが少なくなるような方法を模索していきたいと思っています。
できれば本当は、大きな敷地の中に、畑があったりピザ窯があったり、ヤギがいたり。
そこには子どもも大人も高校生も集まりますよ、みたいな場所があるといいなと思っています。
「食育」というと、台所や食材の栄養成分にばかり目を向けられがちな気がしますが、私は畑からの命の成り立ちも知って欲しいなと思っているんです。
命のつながりから食と農について考えられる場所を、体が丈夫な限り続けていって、いつか自分の孫も一緒に集まれるような場所になっていたらいいなと思います。
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ーーー最後に、大学生にメッセージはありますか?
大学生にお話を色々聞いてみたいです!
実際に最近Okaraokaraの運営に携わっている学生さんと会った際に、大学生と繋がって一緒に社会課題に取り組むのも楽しそうだと感じましたし、世代に差があると、見ているものも学んできたことも違うなと感じました。
「私にはこんなことが見えている、あなたたちはどうなの?」といったお話ができるととっても嬉しいです!
ーーーありがとうございました!
↓安座間さんのnote
↓安座間さんのInstagram
おわりに
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
食は、日々摂取しないと生きていけないものです。
子どもの貧困などが取り上げられる社会の中で、どう食事を確保し、自立できる年齢まで生き延びるかは、ひとつ重要な課題なのかもしれないな、と感じます。
今回お話を聞いた安座間さんの取り組みは、その重要な食を、単に生き延びるためだけではなく、その後さらに自尊心を持って取り組める人に育てるために教えていこうという取り組みだと思うと、なおさら素敵なだなと感じます。
また、今回お話を聞いて感じたのは「大人でも試行錯誤しながら挑戦していくんだな〜」ということ。
私も学生団体などいろいろ挑戦させていただきますが、「やりたいことってこれだっけ?」と立ち止まったり、「どうやってやればいいんだろう」と困惑することがあります。
気持ちの上下に差はあるかもしれませんが、大人になっても同じように悩みながら進んでいくんだと考えると、現状に対して気が楽になったような気がします。
皆さんも、何かに挑戦したいと思っているなら、迷うことや間違いを怖がりすぎず、挑戦してみてください!
with OKINAWAは、沖縄のために活動されている方や沖縄で活躍されている方へのインタビューを通して、沖縄の学生たちがもっと沖縄を好きになってもらえるよう活動しています。
ライター:さむ
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キーワード:農業、インターン、地方創生
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