![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/70396984/rectangle_large_type_2_a6c8cdc03d47f03b47e67e804ee8fc86.png?width=1200)
自分たちの街を自分たちでつくる|玉城陽平さん【後編】
本記事は後編です。前編はコチラ
【今回インタビューを受けてくださった玉城さんの経歴】
玉城 陽平(たまき ようへい)
沖縄県南風原町出身京都大学に進学後、沖縄県にて塾講師として就職
南風原町の町議会の内容がまとまったアプリをノーコードで開発
アプリを作ってみる
ーーーアプリはどんなスケジュール感で制作していったんですか?
8月頭に調べ始めて、中旬にはアプリ制作に向けて取り掛かり、8月下旬には完成していました。
ーーーものすごく早いですね!その中で一番大変だったのはなんですか?
データの整理ですね。
今回のアプリは南風原町が公開している『議会だより』を元に、ノーコードと呼ばれるプログラミング技術を必要としない方法で作成しました。
その際、議会だよりのトピックスを選別して、コピーアンドペーストして情報を整理していったのですが、もとの議会だよりがPDF形式で公開されているため、ただコピーアンドペーストするだけだと書式が崩れてしまうことも多かったんです。
そのため、テキストの貼り付けを行った後にチェックして修正する作業が必要で…。それがとても大変でしたね。
今回使ったツール自体は仕事の中で使っていたものばかりだったので、ツールの操作の方は難しくありませんでした。
ちなみに今回使ったのは、Glide(ノーコードのアプリ作成ツール)と、Canva(デザイン作成ツール)です。
ーーーなるほど。PDF形式での公開は仕方のないことなんですかね?
いえ、CSVというファイル形式あるいはテキストデータで公開してもらえれば、書式の崩れがなくもっと短時間でアプリ制作ができます。
PDF形式で公開できるということは、元となるテキストもあるはずなので、CSV形式やテキストデータで公開することも大きな手間になるわけではないと思います。
とはいえ、行政の方々も他の業務があったり、他の方から多くの相談をもらったりしているので、お願いしても聞き入れにくい体制なのが現状です。
そのため、お願いを聞いてもらうためには、なぜ今のままではダメなのか、どうしたら便利なのかを実物を持って話す方がいいんです。
それを議員さんに聞いてもらって、行政に働きかけてもらうことで行政も動いてくれるのではないかと思います。
作って終わりではなく、それをもとに働きかけを行って少しずつ変えていくことまでが重要だと思っています。
ーーーなるほど、先ほど学生にも身近な例を示した方が、とおっしゃっていたように、行政側に対しても実物を示した方が理解してもらいやすいというわけですね。
そうです。このアプリは、その一歩目です。
![画像1](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/70397029/picture_pc_be2f8e800a6b18a8932fa7b2aff93b30.png?width=1200)
これから
ーーーアプリを作るに当たって、ツールの操作自体はそこまで困難ではなかったとお話しされていましたが、やはり普段から使っている「慣れ」があったからですか?
もちろん慣れもありますが、正直今回アプリ作成するために使ったツール(GlideとCanva)は、それぞれ半日も使えば操作がわかるものだと思います。
それよりも、そういったツールがあることやそれらで何ができるか、どう組み合わせられるかを知っていることが大事だと思います。
そのためには、周りにあるものを興味を持って触っておくことや、新しく出たものを一通り使ってみて、どんなことができそうか考えておくことが大切だと思いますね。
ーーーなるほど。大切なのは何ができるのかという「アンテナ」かもしれませんね。
ーーー玉城さんは、若い人たちが政治や公共・行政に興味を持つとどんな社会になると思いますか?
どういう社会になるかは、その時その場所にいる住民に依存しますが、その住民達が自分のいる地域に直接関われることを知っていることは大切だと思います。
自分の住んでいる地域を変えるためのツールはたくさんあるので、若い人たちがそれらを使う機会を重ね、自信をつけていくことでより参加しやすくなっていればいいなと思います。
ーーー今後の目標ややっていきたいことなどはありますか?
現状、行政が行っているのに住民から見えにくいことがたくさんあるなと思います。
例えば、子育て支援や高齢者支援の制度、あるいは公共施設の使い方や行政のお金の使い道などですね。
これを、議員アプリの別バージョンみたいな感じでそれぞれまとめていって公開できないかなと思っています。
それから、議員アプリが他地域で育っていってくれればとも思っているので、もし「やりたい」と言う方がいれば、手伝える範囲でやり方を教えたり、コピー版を配布したいと考えています。
ちなみに既に、西原町版の作成を進めている琉大生もいますよ。
最終的な私の大きな関心は、住民参加型の地域作りなので、それができるシステムを整えていきたいですね。
そのための情報整理として、今後議員アプリのようなものを増やしていければと思っています。
例えば直近で言うと、沖縄県の選挙ポスター掲示板の情報を集約するサイトを作成したり、2021年10月31日に行われた衆議院選の際には沖縄1区〜4区の立候補予定者のプロフィールなどがまとめてチェックできるアプリを琉球新報さんと共同で開発しました。
これからは、住民の方々に参加していただく機会づくりのやり方も考え中です。
ーーーなるほど、今回の議会アプリはその大きな関心のための第一歩なんですね。取材にご協力いただき、ありがとうございました。
↓玉城さんTwitter
議会アプリ関連でメディアの皆さんに取り上げてもらったのを改めて、感謝の意を込めてまとめておきます。
— 玉城陽平@南風原町 (@TamakiYohei) September 15, 2021
・OTVシビックテック特集https://t.co/JiwdjrfH38
・琉球新報https://t.co/p5tzxPogbu
・沖縄タイムスhttps://t.co/Fexi7IKv24
・沖縄タイムス 有料版の続編https://t.co/mjmroiqoPW
↓南風原町議会アプリ
おわりに
ここまで読んでいただき、ありがとうございました!
私の周りにも「沖縄のために何かしたい」「そのために一旦県外で勉強(就職)したい」という友人が何人かいるので、きっと彼らの将来の姿の一つが玉城さんみたいなやり方なんだろうなと思いながら、お話を聞いていました。
仕事で貢献するのはもちろん、それ以外にも貢献していく方法はあり、それを探すためには普段からアンテナを張ることがすごく大事なんだなと感じました!
私も少しずつ意識していこうと思います!!
2021年1月6日に、玉城さんがRBCのニュースでインタビューを受けたそうなので、気になった方はさらにチェックしてみてください!
with OKINAWAは、沖縄のために活動されている方や沖縄で活躍されている方へのインタビューを通して、沖縄の学生たちがもっと沖縄を好きになってもらえるよう活動しています。
ライター:さむ
皆さんの感想が励みになります!ぜひコメントから、感じたこと、聞いてみたいこと、インタビューしてほしい人など書いてください!!
おすすめの記事
本記事前編:沖縄に帰ってきた理由・アプリ作成のきっかけ
キーワード:社会人・教育・県外から戻ってきた
キーワード:学生起業・農業・社会問題
いいなと思ったら応援しよう!
![with OKINAWA](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/49346737/profile_d5095fc7bc5e523e9aeb619ab810559f.png?width=600&crop=1:1,smart)