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コラテラル

名作なのかはわかりませんが、コラテラルが脚本や構成の面で参考にあるそうなので勉強がてら鑑賞しました。洋画とかあまり見なかったのですが引き込まれるというか...登場人物に感情移入しちゃってハラハラしながら見ました。

今回はがっつりネタバレしながら、感想交えつつこの物語を「発端・中盤・結末」に分解したいと思います。


発端

この物語の発端は、タクシー運転手マックスがグレーのスーツを着こなしたビジネスマン風の色男ビンセントを客として乗せたことだと思います。

これを皮切りに、ビンセントの殺し屋という仕事の足代わりとして5人のターゲットの元まで送り届けることになります。

物語的な発端は、「ビンセントの最初のターゲットの遺体を発見してしまった」ことなのかもしれませんが、間違いなくビンセントとの出会いが発端でしょう。


今までとは違う世界の騒動に巻き込まれて、死と隣り合わせの中で自分の良心を摩耗させながらハンドルを持つという事の恐ろしさが、画面越しに伝わってきました。見ていて、マックスの心労マックスと思いながらも今後の展開に思いを馳せていた発端でした。


中盤

中盤は、2人、3人、4人目のターゲットを殺す。その後、良心の呵責に耐えられなくなり、ビンセントに反抗する場面だと思います。

この中盤では、殺人という異なる世界の出来事をある意味受け入れたマックスの心の変化が顕著に表れていると思いました。

発端では、「受け入れられないし死ぬの怖いし。。。」という感情だと思いましたが、中盤では「ビンセントに人を殺させたくないし殺させるのを観たくない」という殺しを止めようとする心が言動の端端から見えました。

その後のビンセントに反抗した際に紛失した殺人者リストをビンセントの依頼主から受け取るシーンで、強気な言動を見せて殺人者リストを受け取ったマックスは感情の変化があったのかと思います。予測になりますが「自分の殻を破ってみよう」みたいに思い、ビンセントの真似事をしたんだと思います。その際の言動は、序盤にビンセントがマックスに向けていった言葉がそのままありましたし、、、

多分、決定的になったのは、4人目の殺害。

マックスが利用されていることを理解していた警官を、マックスの目の前で殺したビンセントに「人間としての何かが欠如している」と発言してからマックスが変わりました。その前のビンセントが言った「お前は本気でやろうとしない」という言葉が刺さったのでしょうか?

本気でビンセントに反抗しようと思ったのかタクシーを横転させるという捨て身の反抗を見せました。ここがビンセントの自立とでもいえる場面で、この作中の名シーンの一つかなと(個人的に)


結末

結末は、5人目のターゲットである検事さんを救出する場面かと思います。

マックスは、ビンセントを客として乗せる前に、検事さんを客として乗せていました。その人がターゲットと分かると、銃で警官を脅したり、通行人の携帯を奪ったりと、本気で検事を救おうと躍起になります。

その結果、ビンセントと銃撃戦を繰り広げるのですが、ここがハラハラポイントでした。ビンセントに見つからないようにこっそり移動する検事さん。寸でのところでマックスに救われましたが、視聴している私も息を潜めてしまい酸欠寸前になりました(嘘です

というように、マックスの成長と、ビンセントのクールな仕事に対する姿勢が印象的でした。


完走

コラテラルの意味は「巻き添え」らしいですね。作中でもマックスが嘆いていた言葉です。

正しくコラテラルでしたが、一番の被害者はマックスではなくマックスを信じていた警官だと思ったり思わなかったり.......

勝手に結末を想像しちゃいますが、マックスは検事さんの尽力もあり不起訴処分となりますが、夢であるベンツの配車会社は起こさない気がします。なんとなく.....マックスって誰しもが夢を持っているけど、実際に実行しないよね?という考えを具現化したような存在な気がしてしまい.....


私は、「記憶の片隅に夢を追いやり、昼間からテレビをぼーっと見る」という夢敗者になりたくないのですよ。それもいいかなと思ったりしてますがw

この言葉が私に刺さりました。マックスはこの言葉で変わりましたが、私は変われるのか? 否。


多分、今作を3つに分けるとこんな構成になるかなと思いますというメモでした。以上!!













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