コロナ感染患者叩きについて
■感染リスクは個人によりけり
新型コロナウイルスに感染するかは個人の免疫力によるところが大きいのではないかと思う。
免疫力というのは不思議なもので、予防接種を行っていてもインフルエンザに毎年かかる人がいる一方で、全く予防接種をしていなくてもかからない人もいる。
抗がん剤を投与される患者さんを見ていても、人によって投与できるか否かにだいぶ差がある。全ての抗がん剤ではないが、多くの抗がん剤は、細胞にダメージをもたらす作用がある。ガン細胞だけに効果を示せば良いのだが、骨髄といった免疫に大きく関連する部分にも作用してしまうのだ。
抗がん剤は、
一度投与したら、次は一定期間設けてからまた投与
というものが多く、スケジュールが組まれている。
採血結果からみて安全に抗がん剤を投与できないと判断されると、スケジュールを延期し骨髄機能の回復を目指す。そして、また、採血し結果が良ければ抗がん剤を投与する。
患者によっては、スケジュールの延期を何回もしなくてはいけないほどに骨髄機能回復が遅い人もいるし、スケジュール延期を一切せずにコンスタントに投与できる人もいる。
個人の免疫力は、やはり習慣や体質によるものが大きそうだ。同じ年齢で、似たような背景の人でもこの免疫力には大きな差があることは珍しくない。
だから、全く同じ環境にいても感染する人とそうでない人とがいるのも不思議ではない。
密な環境を避けるに越したことはないが、今や緊急事態宣言解除後は必ずしもそういう環境ばかりにいられない人もいる。
■目に見えない敵から完全に逃げるのは困難
対策していれば確かに感染リスクを下げることは出来ると思うが、全く日常の感染を避けることはもはや無理ではないだろうか。
まず第一に
ウイルスは見えない
のだ。この見えぬ脅威に対抗するってかなり無理がある。見えない弾丸がそこら中に飛び交っているようなものだ。それをひたすら避けるなんて超人技だろう。今の電車内なんてもはや何でもありな感じがしている。
仕事だって簡単に変えられないし、その業態をなくすわけにもいかない。
■感染しないための努力と感染者に寛容な社会を
今は皆がコロナの世界で戦っている。誰もが十分な準備もせずにこの戦いに挑んでいる。
個人が置かれた背景は様々だ。上記したように皆が免疫力をもっているわけではない。こればかりはどうしても体質や病気の治療、ストレスなどに左右される。同じ条件の人は全くいないのだ。だからこそ、
個人を尊重する
必要があると思う。
コロナへのかかりやすさは
全ての人が違う
のだ。
若者なら、皆がウイルスを撒き散らすかはわからないし、人によっては
ひたすらウイルスをめった切り
に出来る人すらいると思う。
それだけ、違った背景をもつ人たちを一緒くたに捉え、感染したら叩くというのはただただ間違っている。これが職場でも起きているみたいだが、パワハラと言われても無理はない。