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自分を愛するということ(前半)

もう20年以上前、
ある出来事に心が折れて、挫けて、前に進めなくなっていた私に、
当時ノルウェーに駐在していた友人が、メールで届けてくれた言葉。

「あなたが男だったら、
 私は迷うことなく、ソープに行くことを薦めてるね。
 あったかくて湿っていて、人肌の温もりのあるところ。
 たくさん並べられた奇麗事の言葉や嘘臭い慰めより、
 誰かに抱きしめてもらったり、生身の人間の体温のほうが、
 よっぽど心の傷には染み入るもんだ」

性に開放的な、実に彼女らしいセリフだったww

そう。
千の飾られた言葉より、人の温かみが恋しいときもある。何も話さなくても、隣にいて、体温を感じる距離に、誰かが居てくれたなら…それだけで救われる夜もある。人はとても弱いものだから。
たくさんの人に支えてもらって、生きている生き物だから。

※「男が女を愛するとき」じゃないけれど、男性が性的欲望に負けやすいのは、人肌から多くの慰めを求めているせいもあるかも知れない。もちろん、女性でもそういう人は少なくない。常に自分を愛してくれる父性を求めてたマリリン・モンローも、セックス依存症で、隣に誰かいないと眠れない人だった。行為そのものは嫌いだけれども、人の温もり、その身体の重みをその身に感じていないと、個独な夜が辛くて、心が壊れそうになるって、人と繋がっている実感が欲しくってっと…行為に溺れる人も世は多いから。

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「もっと、自分を好きにならないと」
「まず自分を愛することから初めてみて」

アドバイスとしてそう伝えたとき、
「自分を愛するって、どういうことか解らない」
など、自分の愛し方が解らない…と言う人がほとんどだったりします。

自分との付き合い方が解らない…と。自分を好きになれず、ありのままの自分を受け入れられず、苦しんでいる人の何と多いことか。

でも、自分を好きでないと…自分を愛することが出来ていないと、自分を好きになってくれる人が解らないし、自分を愛してくれる人を見分けることも出来ない。自分を大切に出来ないと、他人を大切にすることも出来ないし、
自分を大切にしてくれる人のことが解らないのです。

結果的に、自分自身を十分に愛することの出来ない人は…自分に対して不満を持ち、自分なんて大嫌いと、自分を否定して、自分と自分に起因するあらゆることが許せなくなります。また、そのように自分自分を受け入れることが出来ない人と言うのは、結果的に、自分のことを大切に想い、愛してくれる人のことを傷つけてもしまいます。

自分のことが嫌いなので、自分が幸せになることが赦せないわけで…大嫌いな自分を愛してくれる人をどこかで憎み、愛を受け入れられず、相手の心を信じきれずに拒み、同時にお試し行為をし、一番愛すべき人を、最後の砦を壊して、傷つけてしまうという悲劇。

…って、そういうのはチームマイナス自己評価の中でも、重度の、厭世観とか、激しい自己否定に囚われている人の場合ですが。

一番多いのは、ライトに「自分が好きになれない」と、今の自分(現状)に不満を持っている人。「人は人、私は私だから」とか「自分大好き」って人は、民族としての傾向か、日本人にはどうしても少ないですね。そもそもそういう自己肯定感と世界でただ一人のオリジナルの自分、を愛する土壌が無いし、そういう教育をされていませんからね<日本人

でも、まあ…みんな何処かで、自分を好きになりたいし、愛したいし、自分に優しくしたいと…自分のことを受け入れたいと、根底では思っているんですけれど。

でも、どうしても、内側ではなく、外側にそれを求めちゃうのです。

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他人に受け入れてもらうこと、周囲からの好意を得ること、愛してもらうことの方が何よりも重要で、それが総てで、誰かに愛してもらえない自分なんて、そんなのはダメで、愛されない自分には存在意義も価値もなく、生きている意味も無いかのように、想いこんでしまう人ばかりで。

決して、愛されるためだけに生きているんじゃないのですが。

愛されるためではなく、愛するために生きているのに・・・

いやさ、愛を得ようとしなくても、私たちは既にたくさんの愛をもらっていて、十分愛されているんですけれども・・・

愛そのものを、自分以外の「人のかたち」をした存在に置き換えて、コレクションのように、身の回りに集めたくなるから、辛くなっちゃうんです。

愛を外側の世界に求めるから。
内側に、自分の中にある、たっぷりの愛に気づけば、寂しくなんかないし、
外側のものや何かで埋め合わせをしようとしなくてもいいのですけれどね。

両親とか兄弟姉妹とか、恋人とか配偶者とか、友達とか・・・
それ以外の人たちにも、

『私を愛して欲しい』『私のことをもっと見てほしい』って、叫び続けるから、色んな想いに囚われて、心は小さくなり、かえって愛が枯渇して、押し潰されそうになってしまう。求めなくても、気付くだけでいいのに。

今のままの自分ではダメなんだ、誰からもどうせ愛してもらえないんだって、関心なんて持ってもらえないんだって・・・そう落ち込みつつも、自分を変えようと努力する人は少ない。みんなありのままの、今のままの自分そのもので愛されたいと願う。

けれど、愛されない自分は嫌いだという。
もしくは愛されていても、自分は嫌いだと。

すんごい矛盾です。

自分のことを嫌いなのに、
嫌いな人間を『愛してください』なんて、それはおかしなこと。

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自分が食べて、不味いと思った、嫌いな食べ物を、相手に『これ食べて』って、差し出しているようなものじゃないですか<イヤゲモノの押し売り

また、自分が一番好きな人に、自分が一番大嫌いな人を薦める行為というか、『この人と付き合ってあげて』と、プッシュするのと同じですし。

そう言えば、お中元やお歳暮で、「つまらないものですが…」って日本人の礼節上での謙譲の美徳とされる常套句は、外国人の人からすると、
「自分がつまらないと思っているものを、他人にギフトするわけ?」
なんて具合に理解不能に映るそうです。

そうですよね。

自分が大嫌いなものを好きになって欲しいだなんて。そんなこと他人に求めるなんて・・・オススメできないものを、自分はお断りのものを、他人に愛でて欲しい、必要として欲しいなんて。

ふざけた話だと思います。

自分は何の取り得もない、つまらない人間で、とってもイヤなヤツで、私自身、好きじゃないというか、ものすごく嫌いなんですけど、それでも、あなたには好きになってもらいたいのです・・・?? 愛して欲しいのです??

超ヘンくね?

自分を嫌ったり、憎むのは…自分のことを好きになってくれる人をも否定するってことなんですけれど。それって、とても失礼なこと。侮辱的なね。

大好きな友達や恋人が顕している性格の、『すべて』は受け入れられず、ここは好きだし、魅力的だと思うけど、この部分は好きじゃないなあ・・・と言うのと同じで、自分の性格のここはちょっと、我ながら困らされているなあ、とか、欠点を自覚したり、顔のココんところがちょっとな、と思う程度ならいざ知らず。

『自分』という人格のこと、個性のこと・・・自分という存在のことを、みんな軽視しているというか、よく解っていないというか、向き合っていないというか、差別して、卑下して、まるでイジメる対象のように、疎かに扱いすぎだと思うのです。

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以前の記事、『病気とカルマ』のとこで、
うつ病にかかりやすい人のカルマのことを書いたことがありましたが…

学びとしての、自分スイッチOFFになるがための、『うつ状態』も勿論あるんですけれど、それよりかは、感情を無視して、心の叫びを抑圧してしまい過ぎたが故の、うつ病のほうが圧倒的に多いのです。

単純に言うと、欲求不満なんです。
人生が自分の思う通りにならない(思い通りの人生を生きていない)、自分の要求がまったく通らない、感情が満たされていない・・・という感情的要求が叶えられていない状態でのエンストです。ストレスと言えばそうなんだけど、正確にはストレスとは違う。

他人は尊重するのに、自分のことは尊重しなくていい・・なんて具合に、自分は二の次にして、自分を犠牲にして、自分を差別して、自分という存在を一段低く扱って、「自分のこと、好きじゃないから」と…

他人に期待しすぎたり、周囲のリクエストや期待に応えるためだけに生きていたり、そうこうしているうちに、自分の「こころ」が判らなくなって、自分との付き合い方が解らなくなり、自分が何を求めて、何を欲しているのか、何が好きで、何が嫌いで、何をすれば楽しくて、どうすれば幸せを感じられるのか・・・他人の顔色や要求には敏感なのに、自分については何も知らず、知ろうとせず、自らの「こころ」に鈍感になっている人が、本当にたくさんいたりします。心の味覚障害ね。

テレビやネットで世界が近くなり、行動範囲も広がって、たくさんの選択肢の中、人と繋がっていくツールも、ネットやメールだけでなく、多岐に渡るSNSで、簡単になった分、身近な人とのリアルな付き合い方が希薄になり、何よりも、その軸となる「自分自身」というのが、見えなくなっている人が多いような気がします。

遠くの人の呟きは見えても、
隣の人の嘆きは見えず、自分の本当の気持ちは知らず解らず、で。

せっかく今この瞬間に、二度とは見れないものや会えないかも知れない人、
二度とは訪れない時間の中で・・・目の前で変化していく景色や周囲のことは何一つ見ようとはせず、四六時中、手元にある小さなおもちゃをいじって、居場所を見つけた気になって、いつでも何処ででも、誰かと、何処かと繋がっていたがる人は多いけど、どうも皆、肝心な自分自身とは繋がれていないように思うのです。

※後半は、自分との付き合い方、について

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The Sacred Journey ~スピリチュアル・セラピーの現場から
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