Nilsson - Without You / ウィズアウト・ユー - 1971
銀行員としての勤務のかたわら音楽活動をしていた人と言うと、日本では小椋佳さんを思い浮かべますが…アメリカのシンガー、このハリー・ニルソンもその一人。
彼は、音楽好きな母親と伯父さんの影響を受けたとのことですが、銀行に就職してコンピューター部門の主任として働きながら、勤務の合間に音楽活動をスタートさせます。
んでもって、1964年にレコードデビュー。主にソングライターとして活動し、リトル・リチャード、フィル・スペクター、モンキーズなどと親交を深めていきます。
して、七色の声を持つヴォーカリストと言われたりなんかして。
「This Could Be The Night」1965
こちらビーチ・ボーイズのブライアン・ウィルソンに捧げられた曲で…
フィル・スペクターとニルソンが作詞作曲して、モダン・フォーク・カルテットがレコーディングしました。
そして…
映画「The Big T.N.T. Show」1966
この、コンサート映画のテーマソングに使用されました。
デビッド・キャシディ他、色んな人がカバーしていて、日本では。
山下達郎さんがカバーしていたり。
んでもって、曲を捧げられたブライアン自身も…
後に歌っていたりします。
アルバム「Pandemonium Shadow Show」1967
こちらのアルバムなんですが、ジョン・レノンのお気に入りで、ニルソンにわざわざ国際電話をかけて、「You are great!」と賞賛したという有名なエピソードがあったり。
そんなんで、ジョンはニルソンのファンだったのです。
「Everybody's Talkin' / うわさの男」1968
翌年公開された映画「真夜中のカウボーイ」の主題歌に起用されました。
映画「真夜中のカウボーイ」1969
映画で使われたバージョンは、オリジナルとは異なるテイクで、オリジナルは、フレッド・ニールが1966年に出しています。
Fred Neil オリジナル 1966
イギー・ポップを始めとして、たくさんのシンガーがカバーしています。
Iggy Pop 2012
日本でもリーバイス(ジーンズ)のCMに使用されるなど、結構使いまわされてる曲かな。確かジェームス・ディーンが出ていたかと…
偶然二ルソンの曲だけど、別ので「うわさの男」のもあったはず。
リーバイス CM
「I Guess the Lord Must Be in New York City / 孤独のニューヨーク」1969
「One」1968
この曲は、翌年スリー・ドッグ・ナイトがカバーしたバージョンがヒットしました。
Three Dog Night カバー 1969
「Jump Into The Fire」1971
「You're Breakin' My Heart」1972
「Pussy Cats」1974
Mini-Documentary JOHN LENNON NSFW
こちらはアルバム制作の、舞台裏としてのドキュメンタリーですね。ジョン・レノンの「失われた週末」に共作したもの。リンゴやキース・ムーン、ダニー・クーチも参加していました。
全盛期ほどではないにせよ、映画のサントラや有名アーティストとのコンピレーションや、コラボ作品など、それなりに曲もアルバム出していますけど…やっぱニルソンと言えば…
「Without You」1971
やっぱこの曲ですかねー あまたのシンガーがカバーしているし、昨今ではマライア・キャリーのバージョンが有名ですけども。オリジナルは、イギリスのロックグループであるバッドフィンガーが1970年に発表したもの。
して、日本の昼ドラの主題歌にも使われたかなあ。
Badfinger 1970
当初のタイトルは「If It's Love」と言うタイトルだったそう。ちなみに作詞と作曲をしたメンバーの二人は、この後に自殺してしまいましたっっっ しかも一人は、この曲を巡る印税トラブル。そういう意味では縁起が悪い曲だったりするっっ
Mariah Carey カバー 1994
上手いとは思うけど、実は彼女の歌は嫌いだったりするっっ
西城秀樹さん カバー 1976
Heart カバー 1978
Melissa Manchester カバー 1980
弘田三枝子さん カバー 1984
Air Supply カバー 1991
鈴木トオルさん カバー 1993
小柳ゆきさん カバー 2000
Daryl Hall & John Oates カバー 2004
Il Divo カバー 2009
Glen Campbell & juice newton カバー 2010
こんな感じでたくさんカバーされてます。曲の作者たちはこの曲を巡る金銭的な問題で揉めて、自ら命を絶ってしまうということになってしまったけれど…年月を超えて、半世紀以上にたくさんのシンガー、人々に愛されて、感動を呼び起こす作品になっていたり。
私はやっぱりニルソンの曲、歌い方が一番好きなんですけども、皆さんは誰のカバーがお好みでしょうか。
んでもって、ニルソンは1970年以降、アルコールとドラッグに溺れてしまい、喉を痛めてしまったことから、勢いを失くして落ち目になりつつありましたが…1990年になってから、ようやくカムバックを果たそうと立ち上がるものの、既に糖尿病に侵されていて、闘病中に心不全でこの世を去ることに。1994年、52歳という若さでした。
死後に親交のあった、ランディ・ニューマン、リンゴ・スター、ブライアン・ウィルソン、アル・クーパーなどのメンバーが参加した、トリビュート・アルバムが発売されました。
もっともっと頑張って欲しかったですね、合掌。
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「My Favorites〜音楽のある風景」
2021/10/23 掲載記事より転載