李香蘭 - 蘇州夜曲 - 1940
その昔、李香蘭こと山口淑子さんの女優時代のブロマイド写真、見目麗しいヴィジュアルを見たとき…あまりの美しさにもう溜息しか出ず、一瞬で魅了されました。
いやもう、そのオリエンタルでミステリアスな容貌が、私の理想そのもののお顔なんですよ~ 強い意志を秘めた凛とした表情、神秘的な深い湖のような瞳、その視線は力強く、まっすぐであり、燃えるような情熱を称えていて、もうね…美人とか、そんなのを超えたところでとにかく美しい。
素晴らしく魅力的、全身から気迫っていうんでしょうか、ひたむきに自分の人生を一生懸命に生き、運命と戦った、その生き方や姿勢があふれんばかりに滲み出していて…
麗人というのはこういう人のことを言うのだと、写真を見ながら見惚れるしかなくて。
そういう意味で憧れの人の一人であります。
とても足元どころか爪の垢ほどにも及ばないし、こんな素敵な女性になることは、自分にはまず無理なのですけれども。彼女の人生に関しては、自伝も出ていますし、ミュージカルにもテレビドラマにもなっているので、ご存じの方も多いのではないでしょうか。
あえて詳しくは語りませんが、日本と中国という二つの祖国を持ち、日本の女優として国策に利用されたことで、戦中戦後を波乱万丈な生き方をされた方です。
ドラマは二回ほど作られましたね。
私は最初の、山口さんを沢口靖子さんが演じられたのしか見てないです。上戸彩ちゃんのは、あまりにも違いすぎますよねっっ 申し訳ないのですが。
ドラマ「さよなら李香蘭」1989
主題歌は玉置浩二さん。
「さよなら李香蘭/行かないで」1989
このMVというか、実際のドラマのラストでも流れたと思いますが、当時のビデオを見て、感慨深く涙する、山口さんの姿がとても印象的でした。
おまけ・・・中国語でカバーされたバージョン。
ちなみに、
愛新覚羅浩さんの著書「流転の王妃」も読んでいるので、この時代には何とも言えない想いを感じたりしますね。
「夜来香」1944
上記は日本語、下記は北京語バージョン。
「支那の夜」1940
1938年にヒットしたこの曲を受けて、映画が作られました。松平晃さんが歌った「上海航路」とのカップリングで、渡辺はま子さんが歌った曲ですが、映画では主演女優である李香蘭が歌いました。
この映画「支那の夜」の中で挿入歌として歌われたのが…
「蘇州夜曲」1940
渡辺はま子さんと霧島昇さんも、カバーというか競作されました。また、この映画では挿入歌でしたが、後の李香蘭主演映画「抱擁」(1953年公開)の方では主題歌としても使われました。
中国っぽい雰囲気の曲ですが、日本人の作った日本の流行歌。作詞は西条八十さんで作曲は服部良一さん。80年以上前に作られた歌ですが、今も歌い継がれている、エバーグリーンとなっています。
日本の曲で複雑な背景のある曲ではありますが、そんなことは関係なしに中国でも愛されています。
白虹 1943
当時、上海で人気のあった歌手の方の中国語カバーです。
渡辺はま子さん&霧島昇さん
美空ひばりさん
倍賞千恵子さん
石川さゆりさん
ASKA
夏川りみさん
上々颱風
あややと一青窈さん
平原綾香さん
新妻聖子さん
アン・サリーさん 日本のジャズシンガーの方だそう
とにかく、新旧の様々な歌手がカバーしているので、あげるときりがないっっ よかったら他にどんな人がカバーしているのか、歌っている動画があるのか、調べてみて聞き比べてみてくださいな。
そうですね。私は山口淑子さんこと李香蘭さんに魅了されていて、人として、そして女性としてとても大好きなのですが、この歌に関しては、誰が歌う曲というのではなく、すべての人に歌い継がれるべき。日中合作(日本人が作った曲だけど)の素晴らしい名曲だと思うのです。
この「蘇州夜曲」のように、日本人ではないアメリカ人のベンチャーズが日本らしい歌謡曲を作ったり、中国人ではない日本人が中国らしい情緒にあふれた曲を作ることって、結構多いですよね。
坂本龍一「The last emperor-theme」
「ラスト・エンペラー」もそうですし(あくまで中国っぽいですが)、チャゲ&飛鳥の「万里の河」もスターダストレビューの「木蓮の涙」も、「画皮」の主題歌の「ホアシン」も…
その意味では、音楽にやはり国境はないのだと思ったりします。もちろん、その民族のDNAを持っているが故に作れるからこそ、創ることの出来る曲や掛ける歌詞、奏でられるメロディもあるのでしょうけど。
ああ、それにしても李香蘭…山口淑子さん、とても気高く美しい方でした。
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「My Favorites〜音楽のある風景」
2021/02/25 掲載記事より転載