ヒーリングとセラピーの限界
「あなたも彼らを見たでしょう!?
ついさっきエドを取り囲んだ彼らのエゴを!!
いったい なぜ・・・・・・
私が彼らのために何かをしなければならないの!?
何百年何千年経っても変わらないわ!
みんな誰かが自分を救ってくれるのを待っている
自分からは何の行動もおこさず!
人に期待して!
裏切られたと言っては、人を責めて!
彼らはいつも片足を残して
グルグル回ってるだけなのよ!
もう・・・・・・・・・うんざりだわ!」
by有吉京子『救世主入門』より
何処で読んだ意見だったのか忘れてしまったのだが、
問題を解決するために、ヒーラーのところに何度も通うのはめんどくさいし、お金もやたらかかって、いたずらに引き延ばしされているようにも思う。そもそも何度も通わなければいけないものなのだろうか?
それより一度ですべてが改善されるヒーリングはないのだろうか?
一回で問題が解決するなら、それに越したことはない・・・と。
どんな書き方だったかは忘れてしまったけれど、
なんかまあ・・・そんなような内容だったように思う。
確かにそう。相場的にエネルギー・ヒーリングやセラピーの料金は決して安くはない。(この場合ヘルスケアが主な目的のものではなく)
一度でその人が問題と感じていることのすべてが解決されるなら、
そのほうが経済的だし、効率的であるといえるだろう。
引き延ばしというか、何度も通わせて、ぼったくってる・・・
と非難されれば、そうなのかも知れないし。
でも、現場の人間として言わせてもらえれば、
一度で全ての問題を解決・・・っていうのはどだい不可能な話。
「氣」の補充をし、いじるだけのマグネティック・ヒーリングにしても、記憶のディスクたる想念体としてのエレメンタルを書き換える、サイキック・ヒーリングにしても、(シータ・ヒーリングもヒプノセラピーもここに入る)
逆をいえば、一度で全部をやることは、クライアントの心身に問題や障害(ダメージ)を与える危険性があるからだ。
弊害を避けるためにも、変化は少しずつ起こさなければならない。
それに一度で奇跡を起こせるような、スピリチュアル・ヒーリングが出来る人は、残念ながらいないに等しい(今の時代、出会うことは難しい)。
スピリチュアル・ヒーリングは、ヒーラーの意志のもとに行うものではないからだ。 ※スピリチュアル・ヒーリングは、スピリチュアルなヒーリングというものを指すのではない。かなり誤解している人が多いようだが。『人間』の側がやるヒーリングにあらず、なので。それを名乗っている人は、知らないだけなのだろう。
いずれにしても、受け手がどこまで準備できているのか…というのが、
ヒーリングが成功するか否か、ということの大半を占めている。
ヒーリングはヒーラーが起こすのではない。
ヒーラーの技量でもない。経験値の高さでもない。
良いヒーラーであるか否か、というのは、確かにヒーラーのスピリチュアルな能力如何ではあるけれど、ヒーリングの結果を左右するのは、そのようなことでもない。
すべてはタイミング…時期が来ているか否かだ。
セッションが成功するかどうかは、9割がた
受け手(ヒーリー)たるクライアント次第。
聞く耳を持ち、受け取る心の状態にあるかどうか・・・
手放す準備、変化を受け入れる覚悟が出来ているかどうか・・・
治りたい、人生を変えたい、生き方を改めたい、
自分の悪いところを知りたい、何とかして前に進みたい。
そうした切実な想いと姿勢を持っているかどうか。
依存ではなく、自らが強い意志を持って、自分から何か行動を起こす覚悟を持ち、知りたいと真摯に望み、変化に対する恐れを捨てて、すべてを受け入れる決心をしたときに、初めてそれは成功する。
他力本願的に、誰かが魔法をかけてくれるのを受け身で待っている気持ちでは、それでは、単に気持ちよかった、スッキリした・・・というリラクゼーション体験にしかならないだろう。
だから、そういう気持ちにまだなっていない人にとっては、そうした心境に至るまでの、道への誘い…事前準備(準備期間)としてのヒーリングの期間が必要にもなる。
少しずつ、余計なものを取り去って、それらの重荷がないことがどれほど楽なものであるのかを知り、ゆっくりと少しずつ恐れを捨て、未来を信頼する気持ちを育てて、一気に、ではなく、ひとつずつひとつずつ、玉ねぎの皮を剥く様に、あるいは地層を掘り下げて、様々なモノを発掘しながら…過去の感情と向き合って、今に生きるのに必要なものを構築しながら。
それは無理のないように、何歩か進んでは、リバウンドのように一歩戻って、後退してはまた進んで・・・
人間の感情は本当に複雑で、様々な思い(過去)が複雑に入り組んでいるので、もつれた糸を切らないよう少しずつ解いて、焦らずに。
そうやってじっくりと取り組んでいかないと、簡単に人の心なんて壊れてしまうから。心のエネルギーって、ときにパワフルでもあるけど、基本的にはとても繊細でデリケートなものだから。
いっぺんに、一度ですべてを解放して、全部の問題を解決できるなら、ホントにそのほうが無駄もなく、それが出来たら、どんなにか人生ラクだろうって思うけど。
人の人生って、色んなことがあったわけで、人の感情も性質(性格)も、精神も、様々な経験や出来事から、色んなことを思って、考えて、それらが複雑に折り重なって、絡み合って出来上がっているものだから、単純明快に断ち切るように、バッサリとは行かないもので。
そんな生易しいものじゃなく。
精神の強さも、魂の成長の段階も人それぞれで、
一概には・・・一足飛びに一兆二反には片付けられないものなのです。
カルマだって一つや二つじゃないし、過去生だって、多い人で600回、少ない人でも400回くらい(それ以下の人も勿論いますが)。それだけの過去の人生の荷物を・・・開かずの倉庫に山のように手付かずで溜め込まれた重い荷物を、たった一度の人生の、数時間ちょっとの時間で処分することなんて、出来ようがないのです。
どんなに暗くて不快な、その人を洗脳し、苦しめている過去だって、その人の人格を構成する要素のひとつで、記憶のひとかけらであり、その人の人格の一部なんですから。
過去をいじるってこと・・操作するってことは、簡単に考えていいことではないし、一気にそれを始末するということは、人格の一部どころか、かなりの部分、人格の大部分を喪失するってことであるわけで。
(実際のところ、記憶の書き換えなんて簡単にはいきませんが)
また、ヒーリングやセラピーで、何もかもが解決するわけではないです。
ヒーリングは万能ではなく、実質出来ないことの方が多いです。
ヒーリングセッションの場で出来るのは、クライアントさんが決心したことに対して、変化を促すことだけです。
多くのヒーラーはこの事実を謙虚に受け止めないといけません。
クライアントさん自体も、このことを知って欲しいと思います。
ヒーリングを引き起こすのは、いつだって、クライアントさん自身なんですから。で、どこまで通うべきか・・・ってのは、クライアントさんが、決めるべきでしょうね。
何をどう解決したいのか、自分をどう変えたいのか、どの程度、重い荷物を手放したいのか・・・どこまでの範囲で、自分の問題を解決したいのか、って、そこを明確にした上で、自分自身で判断するべきかと。
うちの場合は、やはり、一回では難しく、根本的な問題の解決は、定期的にレッスンのように通ってもらって…のほうが持続的というか、段階的に無理なくゆっくりと、になるので、1年とか2年通ってもらったほうが、人生そのものを大きく変えていく原動力にはになるでしょうか。長期的に取り組んだほうが、リバウンドみたいなのも少ないし。
(ミイラ化して書き換えても、エレメンタルは死なないので、ふとしたことで復活しますし、大量にコピーがあったりすることも多いですから)
だから、どうしても長いお付き合いになるのです。
施療というよりは、レッスンといったほうがピンとくるかも知れません。
もちろん、たった一回のセッションで、滞ってた物事が動いたり、物事の解決の糸口を、クライアントさん自身が見つけられることもありますが。
いずれにしても、私自身の力ではないのです。セッションを受ける機会、セラピーの場を利用して・・・ヒーリングを受けることで、自分の問題と正面から向き合うっていうクライアントさんの自覚が、その人自身や問題の解決、人生を変えていく変化につながるのだと。ホント、そうですね。
あくまでヒーリングやセラピーはきっかけにしか過ぎないので。
その人がどんな方法を選ぶかってだけです。受け身のヒーリングでもセラピーでなくてもいいわけで、能動的な学びや、別の方法でも、人生を変えること、自分自身に変化を促すことは可能なわけですから。
そこに人の客観的な視点と手を加えるかどうかってだけの違いでしょうか。
他人の助けを借りるか否か、自力で解決の道へと辿り着こうとするか否かです。
ヒーリングやセラピーを受けなければ解決しないって、そういう問題はないから。ただ、専門家のサポートを受けたほうが少しばかり早めに解決に辿りつけるかも…と、それだけのことです。(人智を超えた霊的な事象だけは例外になりますが)
あとはヒーラーさんによっても得意不得意分野がありますし、色んなヒーリングやセラピーの手法がありますから、それがその人に合うか合わないか、相性の問題とか、そのようなこともあるでしょう。
ヒーリングやセラピーを受けることで、自分自身や人生に変化をもたらすか否かを選ぶことは…どのくらいの期間、回数通うかどうか…など、その辺りはその方が自分の今後の人生に、どれほどの投資をしていきたいかって、それだけなんだと思います。
物質的なものにお金をかけていき、そちらを充実させたいのか、
「自分」という人間そのものに、お金をかけていきたいのか・・・
それはその人それぞれ、各々の価値観で決めるべきことです。
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