「お金もらって新しいことに挑戦できるなんて、贅沢じゃない?」
印刷会社で働いて10年目になりました。
入社した頃から見た10年目なんて大ベテランだったのに…びっくりです。
小学生の頃から出版社に憧れて、その夢はずっと変わらず、出版業界に特化したマスコミ塾に通い、就活のときも出版社だけに絞って受けていた私。
結果は惨敗。
リーマンショック後の就職氷河期というのもあったかもしれないけれど、単純な実力不足と
なぜ出版社に行きたかったのか?選択肢はそれだけなのか?という深掘りが足りてなかったのだと思う。
そしてようやくいただいた内定が、印刷会社のグループ会社。販促物の制作を手がける会社の企画職として入社しました。
カタログ、DM、パンフレット、チラシ、POPなどをお客さんから依頼を受けて、制作内容を固めて、デザイナーさんにお願いし、作り上げるという仕事。
全体進行をする「ディレクター」というと聞こえはいいけれど、自分自身で何も生み出せていないことがコンプレックスで…
自分なんて間に入ってるだけの調整役では?
本当に必要なのか?
そんなモヤモヤがぬぐえませんでした。
4年目になり、印刷会社本社へ半年間のレンタル出向が突然決まり、異動した先がモバイル関係のデジタル商材を扱う部署。
モバイル?デジタル?しかも本社?
これまでの仕事とは全くの別世界になぜわたし?とただただ戸惑うばかりでした。
わからないながらにガムシャラにやっていたら、ありがたいことに半年間の期間が1年に延び、
そのまま転籍しないか?とお声がけいただき転籍を決意。今にいたります。
でも、やっぱりここでも分野がデジタルになっただけで役割は同じで。お客さんと、実際に開発してくれるエンジニアの間に入って進行する役。
自分自身で何も生み出せていない感、がここでもつきまとって。
内容もインバウンド向けの新事業開発、銀行向けの決済アプリのプロジェクトマネジメント、非接触通信技術を軸とした新事業開発、そして今は決済+非決済を組み合わせた新事業開発…と
内容が多岐に渡っていて。
役割だけでなく、関わった分野も点々としているが故にどれも中途半端なのでは?
自分はこれができる人間だ、と積み重なっている軸がないことがずっとコンプレックスで。
表面上、幅広い部署でそこそこやれてきたように見えながらも周りから見た自分と、自分自身が思う自分のギャップに苦しんだりもしました。
でも、数年前にある先輩に言っていただいた言葉がふっと降りてきて。
自分の軸がないままどんどん新しいことに関わる自分に対していかに自信がないか…を、当時相談していたのだと思うのですが。
「お金もらって新しいことに挑戦できるなんて、贅沢じゃない?」
なるほど、と思った。
もちろんプロとして失敗しないように働かないといけないのだけれど…
やっぱり新しいことをするときには失敗はつきもので。
みんな失敗しながら、自分なりに新しい挑戦をしている。
それも、会社にいる限りはお金をもらいながら。
会社によってはそんな生ぬるいことを言ってる時点で許されないかもしれませんが、
確かに、すごく贅沢なことだしそれで悩んでるってなんなんだろうとハッとさせられました。
悩んでる暇があったら、その挑戦から得た学びを、成果に変えていかないといけないのでは。
お金をもらいっぱなしではいられない。
大企業と呼ばれる環境にいるからこそ、余計に自分で意識しないと、会社の名前に埋もれて自分自身が何者なのか?が分からなくなってしまう。
初めてついた指導員に言われたこんな言葉もある。
「この会社がまだ使える、って思えるうちは会社にいて、使い倒せばいい」
言葉の響きは悪いけど、自分が会社に使われるのではなく、自分が成長するために会社を使ってやるんだ…!くらいの勢いでやったらいいと思うというメッセージは今になってとても刺さる言葉だ。
私はそもそも、なぜ出版社に行きたかったのだろう。
それは、常に新しい情報に触れて自分自身の生活をアップデートできるから。
会社にいながら新しいことに挑戦し続けられる今の自分って意外と、自分が思い描いていた未来に近い場所にいるのかもしれない。
そんなことに気づかせてくれた
働く先輩の言葉でした。
来年、10周年を迎えるときには少しでも誇れる自分になれていますように。