しずかに、よりそう

私がこの世界に誕生する少し前。

時計は落ちて、ガラスが散った。箪笥や物置が、がたぴしいった。

須臾の静寂。

気が付けば、逆さまの日常。

数え切れない、途方もない、艱難辛苦の先に、
先人は、何を思い、何を得たのか。

私のような、被災経験のない者は、
未来を歩くために、
過去から得られた教訓を知る必要がある。

過去は変えられない。時間は止められない。

何年経とうが、変わらない現実から、
目を背け、背中を向けたくなる。

でも、経験しても、していなくても、
同じ想いを持った人がいるから、
背を向けずに、互いに寄り添って、
しずかに、同じ時を過ごすことができる。

今、この瞬間に生きられていることは、奇跡の連続。

伝え続けよう。寄り添い続けよう。

2025年1月17日へ寄せて。