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過ちからの第一歩 | 臆病と勇気

過ちて改めざる
これを過ちという
(孔子)

こんばんは。wisteriaです。

昨日書こうとしたが、

話のまとまりが良くない上に、長くなりそうだったので、

書くのをやめた話をここでしよう。



現在は、卒業されて、研究室にいらっしゃらないが、

かつて私には、直上の先輩がいた。ここでは、R先輩としよう。


R先輩は、非常に繊細で、周りに気遣える人で、

私個人としては、非常に良く接して下さる方で、

研究室の中でも比較的好感のもてる、尊敬する先輩だった。

だが、ある出来事を皮切りに、その好感が、怒りと嫌悪に変わった。


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今から、3年前に遡る。

私が、学部生として研究室に配属された年。

明確な季節は覚えていないが、

R先輩は、私の同期のFちゃんと付き合い始めた。

私が気付いた時には、研究室内で、暗黙の了解の様な関係になっていた。

だが、数ヶ月後、

R先輩とFちゃんが別れた、と誰かから聞いた。

私自身、あまり興味がなかったので、そのまま聞き流していた。

しかし、その時から、R先輩が豹変し始めた。


R先輩の同期(特に、Fちゃんの研究上の先輩方)や先輩方に対して、別れたことに対する憤りをぶつけ始めたのだ。

さらに、別れたのは、お前たちのせいだとでも言わんばかりの罵詈雑言もあったそうだ。

そこから、大きな亀裂が入った。

当然と言えば、そうだが、

いわれのない罵詈雑言を浴びせられたR先輩の同期や先輩方は、R先輩に嫌悪感を抱き、距離をおくようになった。

また、私を含めR先輩の後輩は、知らず知らずのうちに、その渦中に巻き込まれていた。

特に、Cくんは、R先輩とCくんの直上の先輩とで、伝書鳩のような扱いを受けていた。(R先輩の言っていることを直上の先輩に伝えたり、逆のこともしていた。)


私に対しては、直下の後輩だからか、何か恐れていることでもあったのか、分からないが、態度はそんなに変わらずだった。

今となっては、むしろ、味方になってくれと言わんばかりの気持ちが入っていた様な発言も多かった気がする。


R先輩を擁護するつもりはないが、

R先輩のご両親は離婚され、R先輩はお母さんと一緒に住んでいた。

さらに、理由は分からないが、私よりも学年は1つ上だが、年齢は4つ上だった。

人格形成は遺伝的要素よりも、環境要素が少し支配的であると言われている。

もしかしたら、これまで過ごしてきた環境や経験によって形成されたR先輩の人格の一部が強く現れたのかもしれない。


だけど、私は、それらを後日談的に聞いた時に、好感と尊敬がはっきりと嫌悪と怒りに変わった。


たとえ、これまで、どのようなことがあったとしても、

合理的な理由もなく、人を傷つけて良い訳がない。

R先輩には、その暴発する感情を抑えられる理性が備わっていなかったのかもしれないが、

はっきり言うが、そんなことは理由・言い訳にはならない。


そんな思いや考えが、私の中でこみ上げてきて、嫌悪と怒りに変わったが、私は、必死に表に出さない様にした。

それは、Q先輩の想いを聞いたからだ。

以前、記事にしたEちゃん関連の話の途中で、Q先輩がこう仰った。


「Eちゃんも同期のRも、なんとか助けてあげたいんだよね。」
「僕も両親が離婚していて、Rの気持ちも少しわかるから余計にね。」


この言葉を聞いて、私は、Q先輩の想いに反する行動はできないと思った。

これ以上、傷つけ、傷つけられを繰り返して、

得られるものは何一つない、と。


だけど、みんながみんな、Q先輩のような人ではないので、

みんな嫌な気持ちを残したまま、分裂したままの状態が、R先輩が卒業するまで続いた。

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そのR先輩から、最近、Cくんに連絡が入ったそうだ。

R先輩「あの時は、色々ごめんな。」

Cくんは、一昨日、私とAちゃんに、そのことについてこう言った。

Cくん「R先輩もこう言ってるし、許してあげてな。」


私は、口には出さなかったが、結局、R先輩は、あの時と何も変わっていないと思った。

R先輩は、非常に繊細で、傷つくことを異常に恐れる臆病さも持っていた。

恐らく、R先輩のことだから、謝っている人とそうでない人といる。

謝る勇気は凄まじい労力を要する。

その気持ちは理解できなくもないが、

本当に謝らないといけないのは誰なのか、を考えないといけないのではないか?

そして、あなたを本当に助けようとしていた人の存在を知っていますか?


それに、Cくん自身は単に親切心で言ったのだと思うが、

結局、間接的にしか伝えられない。

厳しいことを言うが、

結局、あなたは、謝る気があるのか?


これらのことが瞬時に、私の頭によぎった。

許す/許さない以前の問題かなと思ったが、

少し私の中では、R先輩にまつわる過去に対する良くない気持ちが、少し緩解したような気もした。

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過ぎたことを責めるつもりはない。

私もそうだが、誰しも、過去に、些細なことで、

人を傷つけてしまったり、衝突したりすることもある。

その時に生じた亀裂の大きさによっては、すぐに謝ったり、和解できなかったりする。

さらに、自尊心やプライド、相手が悪いんだ、という心が、

和解しようとする気持ちを妨害する。

だから、和解するまでに、時間を要することがある。

時間を要することで、見えてくる世界もある。

私は、時間を要することに対しては、仕方がないと思う。

時間がかかってもいい。

だけど、伝えられる時に、

謝罪や和解を当人に示さないといけないと思う。

伝えたい時に、その人に伝えられなくなっていたりすることだってある。

だから、謝ろうと思った時は、臆病になってはいけない。

今度という時は、あって、ないのだから。


過去には戻れない。

過去は変えられない。

だけど、自分が変わろうとすれば、

少なくとも、自分は変わるし、

自分の現在と未来も変わっていくはずだ。

それに対して、相手が変わるかどうかは分からないが、

少しずつ、潜在的に、相手の未来も変わるのではないだろうか。


そう思ったエピソードであった。

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最後まで、読んで頂き、ありがとうございました。


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wisteria
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