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【塾講師雑記】村上春樹と中高生と岡山

ここからはじまる藤井セイラさんの一連のポストをきっかけにX(twitter)で村上春樹(中でも『ノルウェイの森』)が「キモい」のかどうなのか、それを当時大っぴらに言えたのかどうなのかをめぐる議論が注目を集めています。

その白熱ぶりをみていると、なんだかんだで村上春樹は多くの人が議論したくなる「国民作家」なんだなあという感慨をあらたにすると同時に、その割には、塾講師の私が普段接している中高生には通じないことが多い、なんなら存在も認知されてなかったりするのだけど、とも思ったりします。授業で、知覚動詞+O+原形不定詞を使った典型例として"Hear The Wind Sing"『風の歌を聴け』をよく挙げるのですが、作品名はおろか作家名も誰も知らない、なんてこともざらです。。

対して、同じく一連の議論の中で名前のあがっていた東野圭吾はまだ通じることが多い印象。devote「〜ささげる」の名詞形はdevotion、ほら、『容疑者Xの献身』ってあるでしょ、あれの英題は"The Devotion of Suspect X"。suspectに「容疑者」という意味があることもこれでおぼえておこう!そういって、ああなるほどそうなんですね、と通じることもけっこうあります。

そういえば村上春樹は最近の国語の教科書に採用されたりしているのかな、と思って少し調べてみると『カンガルー日和』とか『レキシントンの幽霊』の短編が載っているようですね。

ただ進学校の高校現代文の授業ってあんまり教科書使っていなかったり、生徒も大半が寝ていたりするし、教科書で読んでも作者名と一致してなかったりしますから、認知度はどうなんでしょうね。

ちなみに私は『1Q84』のBook2まではほぼ全て読んでいたのですが、それ以降の長編小説は一つも読んでおらず、映画になった『ドライブ・マイ・カー』の原作とか気軽なエッセイや企画本をたまに読むことがあるくらいです。(ただ英語多読の一環として初期作品の英訳本を再読することはありますが)

例えば、トップ画像に使ったこの本はTシャツにまつわる気楽なエッセイ集。

購入した場所は岡山にある村上春樹ゆかりの高橋人生堂書店さんという本屋+カフェになります。倉敷市の茶屋町駅近くにあります。

もともとファンだったオーナーさんが、お店をオープンする際、春樹さんに「村上朝日堂」の名前を使わせてくださいと頼んだところ、それは共著本のタイトルだから難しいとした上で、代わりに提案してもらった店名が「高橋人生堂書店」とのこと。

ランチもとっても美味しいので、春樹ファンで岡山方面にお越しの際は、おすすめです!良ければご案内もしますよ〜

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