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『ジュラシック・パーク』における'life, uh ...finds a way'と『The Rules 3』Lesson10

今年(2025)1月から始まったスピルバーグ監督のIMAX再上映特集を楽しんでいたのですが、

入場特典ポストカードが全部揃いました!

その掉尾を飾ったのが『ジュラシック・パーク』の3D版。そちらの感想は以下のFilmarksに書きました。

ところで、実は今回観に行くまえから確認しようと思っていたシーンがありまして、それは普段教えている高校生の英語長文問題集の定番『The Rules 』シリーズの3冊目のLesson10で言及されているところ。

この長文は、英語の日常会話におけるumとかuhという「言い淀み」(disfluency)が、単に取り除くべきムダではなく、実はコミュニケーションで重要な役割を果たしているというのが主題。

その一例として、『ジュラシック・パーク』のあるシーンが言及されていたのです。

Since disfluencies show that a speaker is thnking carefully about what she is about to say, they provide useful information to listeners, helping them to focus attention on what's being said. One of famous example comes from the movie Jurassic Park. When Jeff Goldblum's character is asked whether a group of only female animals can breed, he replies, "No, I'm ..., I'm simply saying that life, uh ...finds a way."

p46

確かに、このdisfluencyによる「溜め」の演出がよく効いてますね!

そしてこの'Life finds a way'(「生命は、道を見つけるものだ」)は本作中、なんなら以後のシリーズまでを通して重要なコンセプトとなっていくのですが、その「間」を劇場で体感できて良かったです。

ちなみにこの「言い淀み」(disfluency)は「フィラー・ワード」(filler word)とも呼ばれるもので、その効能については以前にレビューしたミスパロさんの本でも言及されていたから、こちらも合わせてどうぞ!

会話表現や句動詞が苦手な学習者はどうしても堅苦しい文を作りがちですが、適度にフィラーを混ぜることで、聞き手に気さくさ人間味を感じさせることもできます。例えば、お誘いを受けてNo, I can't.(いいえ、無理です)と言うとストレートで身も蓋もない響きですね。こういうとき、ネイティブの自然な返答は、

Um, let's see... uhh, I don't think I can.
えっと、ちょっと見てみる、うーん、無理そう

と適度にフィラーが入るはずです。それによって遊巡やためらいといった人間同士の生の会話につきものの、豊かな感情表現が可能になっているわけです。

p85

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