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動能構文のat ━トランプ元大統領銃撃事件の記事より

先日世界を震撼させたトランプ元大統領銃撃事件に関するNBC NEWSの記事の中で、

The rooftop where a gunman shot at former President Donald Trump during a campaign rally was identified by the Secret Service as a potential vulnerability in the days before the event, two sources familiar with the agency’s operations told NBC News.

(狙撃者が選挙集会中にドナルド・トランプ前大統領を狙った屋上が、そのイベントの数日前から潜在的な脆弱性があるとシークレットサービスにより指摘されていたと、業務に詳しい2人の情報筋がNBCニュースに語った)

a gunman shot at former President Donald Trumpという表現があった。

shootは「〜を撃つ」という他動詞用法が基本だが、'shot former President'ではなく、'shot at former President'とatが挟まっているのは、この場合非常に重要なニュアンスを含んでいる。

これは「動能構文」(conative construction)と呼ばれるもので、結果ではなく行為に焦点を当てたニュアンスを出せている。

この「動能構文」の説明によく出てくる例が、'A drowning man will catch at a straw'(溺れる者は藁をもつかむ)という諺。

これを'catch a straw'としてしまうと、実際に一本の藁をつかむことになってしまうが、'catch at a straw'とすることで、つかもうとするという行為に焦点が当たる。類義語のclutchとかgraspも同じatを組み合わせた語法がある。

今回の銃撃事件、トランプ元大統領はわずか数センチ(数ミリ?)の違いで難を逃れ助かったのだが、その英語表現においても、atというごく短い前置詞が重要なニュアンスの違いを示す役割を果たしていることになるのだった。

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