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恋のお話

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#エッセイ

元好きな人にまだときめく話

夜開けられた窓の隙間からこんばんは。
れいらです。
好きなひとがいました。とても背が高くて目が見えないほど前髪が長くて、柔らかく笑うひとでした。
一つ上の先輩である彼は私にとってすごく大人に見えて、彼の教室の前を移動教室で通るときは本当に息もできないほど緊張して何度も鏡を覗きました。
初めて話した時、彼は覚えていないかもしれません。
文化祭で出番が前後だった時にかけてくれた「頑張って下さい」
あの

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冬と傷

なんだか最近元カレさんのことばかり思い出します。
未練がましい人みたいですね。
好きでもないのになぜか、ふと思い出してしまう人。
馬鹿みたいに好きで好きでしょうがなくて、好きなまま別れた私たち。
彼の文面。
「多分好きじゃなかったんだと思う」
さいてい。
さいていだよ。
言わなくて、いいじゃない。
多分って、たぶんって、なんなの。
別れて、私は割とすぐに立ち直りました。
まだ止血できずに血が滲んだ

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さめたの

さめたの。
言いたくなった言葉をぐうって飲み込んで君に笑顔をあげる。
好きでどうしようもなかった彼と付き合って3ヶ月とほんの少し。
慣れた。
はっきり言ってしまおう。慣れた。
彼がそばにいることが。
寂しくなくなった。
彼がいなくても。
彼が日常と非日常から、分離した。
彩度が落ちた。
彼が求める私と私がずれ始めた。
彼との違いが見え始めた。
年齢、価値観、育ち方、世界の見え方。
唐突な冷静。

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