現場の支援、て何なんだ?
昨日「業務」を一生懸命するんじゃなくて「支援」をしようね、っていう記事を書いたんですが、いわゆる支援事業所での「支援」ってそもそも何だっけ?ということについてまでは触れきれていなかったので、引き続き少しずつ書いていこうと思います。
もし時間が許すようであれば、まずこれを読んでみてほしいな、と思います。手前味噌なんですけど。
これはあくまで僕の流儀なので一般的ではないのかもしれないけど、現場での支援で最も比重をかけるのはアセスメントです。
つまり、1日のほとんどの時間はほぼ「データ収集」という事です。
とは言え、本当に観察と分析だけを「じぃー」っと見てるわけではありません。
見てるだけだと見えてこない情報が多いので。
ということで、現場支援(アセスメント)って何をしていくのか、という話です。
とてもシンプルなんですけど、こちらからの投げかけに「どんな風に対応するのか」を観察・分析するために、要はいろんなものを投げかけてみる、というやり方です。
コミニュケーションは比較的やりやすいですよね。
将来についてどう考えてるか?とか、普段家で何をしてるのか、とか、投げかけられる質問は沢山あります。
Qに対してどのようなアンサーを返してくるのか、それによって会話の理解度を測る事ができるし、質問内容の回答からでもご本人の生活の様子や考えてる事を窺い知ることができます。
もちろん、その回答自体の整合性も確認できれば、まんまを答える方なのか、少し誇張して答える傾向があるのか、もしくはなかなか真実を言いにくいタイプなのか、も分かります。
また、作業などを教える際にも、「どういう伝え方だと理解がしやすいか」、いろんな伝え方で教えてみて、理解力のレベルを測ることができます。
場合によっては言語だけを使うんじゃなく、山本五十六よろしく、やって見せてみて、次は言って聞かせてみて、最後に「させてみる」というようなやり方です。
こういう伝え方でどのような理解を示すのか、自分の言葉のチョイスなども影響しますし、そもそも作業の指導などを行う際には、支援者自身が作業を十二分に理解をして、教えるレベルまで自分に落とし込まないといけなかったりします。つまりコツとポイントを秒で押さえられるスキルですね。
そして例えば1回通り教えてみてどれくらいできるだろうか、完璧に理解して取り組めるようになるまでに何回くらいかかるだろうか、とか。
言葉は悪いですが、「実験と検証」を毎日高速で繰り返しながら、ご本人を観察しつつ情報を整理して自分の中にデータとして落とし込んでいく、という反復を行っています。
そして、一番現場支援の中で慎重にならないといけないのは、「手の出しどころの判断」です。手の離しどころの判断ではなく、「出しどころ」です。
全ての場合ではありませんが、生活動作しかり、コミュニケーションしかり、作業しかり、最初から支援者が手を出すことから始めていたら実はなかなか手を離せません。
なぜならご本人には「手を貸してもらえることが前提」になるからです。
つないだ手を離されるのは僕らでもなかなか心地はよくありませんよね。不安感とか不満感とか不足感を生み出しやすいです。
でも、ギリギリまで見守って、アセスメントして、それでも同しようもないポイントで必要最低限の手を出されるのは、ポジティブな感情を生みやすいし、そもそも手を出すところが前提にないので、自分でやることの習慣を身につける上でも実はご本人には有効な支援だったりもします。(※ある程度自立度が高い方が前提条件になるかも知れないので、僕らのフィールドに限定されるのかも知れませんが。)
これらは方法論の一部ではありますが、多分これだけのことを考えながら観察や分析をしようと思うと結構目も頭も口も動作もパンパンになります。
特に「手を出すポイント」を探る視点と、「手を離すポイント」を探る視点ではそもそもの支援の出発点が違うことになります。
僕はこういった「仮説・検証」の繰り返しをしつつ、「コミュニケーションのアセスメント」のつもりでご本人さんとの関係づくりを行っています。
とまぁ今日はこんなところでしょうか。
あまり一編にいろいろ書き連ねると読まれている方が疲れてくると思うので、少しずつ小出しにしていこうと思います。