成長の速度
就労移行支援に勤めていてこんな事を言うのははばかられるのかもしれませんが、人の成長って「期限」や時間の単位だけでは括れないですよね。
何の因果が分かりませんが、うちの事業所には本当にいろんな背景を持った方が訪れます。
うち、制度的に「2年間」っていう利用期限の縛りがあるんですが、その中には必ずしもその期間で卒業できるかどうか分からない方もいらっしゃいます。
他の機関で通えなかった人、10年単位で引きこもっていた人、虐待を受けていて対人にひどい恐怖を持ってる人、などなど。
もちろん他の機関にお任せしてお断りする事は出来るのかもしれません。
でも、それをする事は僕の理念にも反するし、僕が所属してる法人の理念にも反します。
もちろん僕らは今の時点で「就労移行支援事業所」の看板を掲げているのですが、その方達のコアな課題を解決したり、将来の可能性を見つけたり、広げたりする事も僕らの重要な役割だと思ってます。
賛否分かれるところだとは思いますが、彼らの将来の就労や社会参加への糸口をつくる事も僕らは役割だと定義しています。
だから無責任に「必ず就職させます!」とは言えないんで、そこの共通認識は場合によっては本人やご家族とも図らせてもらってます。
それを踏まえて。
色んな生きづらさを持っている方が、そこから殻を破って成長するまでの速度って定量化出来ないんですよ。当たり前なんですが。
課題がどんなにありありと分かっていても、なかなかそこに踏み出せない方もいるし、何かきっかけがないも足を踏み出せない方もいます。
「こういう風にやれば上手くいく」なんて絶対的なメソッドはないので、僕ら支援者はいろんな機会を提供してみたり、背中を押してみたり、時には引っ張り上げてみたりもします。
でもやっぱり上手くいくことばかりじゃないので、タイミングを待つしかない時もあります。
まだ僕は、彼らの成長の速度を、アプローチしつつもじっくり待って見守ってあげられる術を充分に持ち合わせていません。
でも、制度の中だけじゃそれが叶わない方がやっぱりいるんです。
アプローチしつつもじっくり待ってあげられる、持続可能なカタチのそんな場づくりをしていかなきゃいけないなぁ、と思った今日でした。