きちんと経営を出来て、その上で理想や理念を語らないといけない
6月から生活訓練、という事業を手掛けることになっています。
わりとこじんまりしたチームではありますが、ここから就労移行支援・就労定着支援・住居支援・生活訓練という4つの事業を運営することになります。
もともと就労移行支援の事業しかしていなかったんですが、一昨年に就労定着を始め、昨年から住居支援を始め、今年は生活訓練を始めるというちょっとハイペースな進み方をしているので、毎年毎年なかなか忙しいんだと思います。
こんな支援をしたい、あんな支援をしたい、と夢は広がるばかり、と言いたいところなんですが、そんなのんきに構えてはおれず、きちんと経営的な事も考えていかないといけません。
僕らは営利企業ではないので、いわゆる利益を積み重ねるために仕事をしているわけではありません。
でも、こうして新たに事業を手掛けるにも、始めた事業を継続していく上でも、スタッフを雇用するにも物を買うにも当たり前にお金がかかるので、なんだかんだで経済の輪の中にいます。
非営利とは言っても何かしらの収入を得なければ活動を継続できないんです。
制度に則った事業についても、利用者さんが集まらなければ給付金は入らないんで、「集客」の課題はつきまといますし、福祉事業と言えども知ってもらえなかったらその集客さえままならなくなるので、「広告・広報」は必要です。
運営の仕組みだけとって考えると、非営利だろうが営利だろうが
「収入をどうやって得るか」(お金)
「どうやって知ってもらうか」(広報)
「どうやって利用(購入)してもらうか」(集客)
を考えなきゃいけないのは変わらなくて、国の社会保障の仕組みや助成金などの仕組みを利用できたとてやる事は同じです。
僕は決して就労移行をやりたい人なわけでも、生活訓練をやりたい人なわけでも住居支援をやりたい人なわけでもなく、これらはあくまで実現したいもののプロセスの一部であり手段の中のひとつなので、まだまだやりたい、やるべきだと思っている事業やアクションは山程ありますし、社会保障制度に一切乗っかっていない住居支援のような制度外のものも後にたくさん控えています。
僕らが活動する目的は利益の担保ではなくて、社会課題を解決することだったり社会のインフラを整備することなので、僕らにとっての経営は、お金の問題、集客の問題、広報の問題だけじゃなくて、社会の中にどんな価値を生み出すか、そしてそれがどんな課題を解決したり予防したりするものなのか、ということを両輪で考えないといけません。
どんなに高い価値を生み出して、どんなに大きな課題を解決するものであっても、持続可能性のない仕組みであればそれは本当の意味でインフラにはなりません。
逆にどんなに効率性の高い収益体質を持ち、集客に長けて広報をばっちりやっていても、それが社会課題の解決にならなければただのビジネスになってしまいます。難しいですね。
どこかで聞いた受け売りなんですが、僕らの業界は自分達の活動を途切れさせないために「稼ぐお金の最大化」を目指すんじゃなく、「使えるお金の最大化」を目指さないといけないんだと思っています。
制度に位置づけられている事業に関してはいいんですが、制度外の事業を行おうと思った時、例えば6月から行う生活訓練の事業はそれ単体で完結させるつもりはなく、将来的には、居場所的な事業や集い場的な機能も併設させたいと考えていて、なんだったら「家」なので、宿泊を伴った支援なども場合によっては必要だなぁと考えていたりしますが、そんなもんただ「やりたい!」で出来るはずもなく、ボランティア的にやってみたところでおそらくそれは、よほどの強い思いの人が永続的に関わり続けない限りどこかで途絶えてしまう。
きちんと仕組みとして回り続けるようにしていくためにはお金の問題をクリアして、きちんと自分達の活動が途絶えないように設計しないといけないし、集客や広報についても本当にそれが必要な方に届くように届き続けるように仕組みに落とし込んでいかないといけないわけです。
という事は、そういう将来を見越しながら事業設計をしなきゃいけないし、次の展開を見込みながら集客も広報も考えていかないといけないので、僕らが作るビジネスモデルって単体事業の採算をどうこうで完結はできないし、自分達の活動の何をどうマネタイズしていって、全体のお金の流れをつくっていくのか、みたいなことを朝から晩まで考えながら動いていかなきゃならない。
間違っても「あれやりたーい!これやりたーい!」なんてことを思いつきで言ってる場合じゃないんです。
僕が住んでいる地域には、『制度外』の支援のためのビジネスモデルなんてまだまだほとんどまともに成立しているものはありません。お手本も見本も身近にはないので、考えながら走らせてみながら検証をしていくしかありません。
やりたいことは山程あるんですが、それはつまりそれらすべてのマネタイズについて併せて考えていかなきゃならない、ということの裏返しです。
さて、新しい事業が始まるワクワク感と、どうやってその中で経営を組み立てていくか。
現場支援にも入りながら、既存事業も回しながら、毎日頭グルングルンしながら夢に出そうなくらい考えています。
#実際は夢も見ないほど熟睡しています
地味にいろんな事に着手しながら、現代流の福祉経営のカタチを見いだせたらいいなぁ、と思いながら、もうしばらく多動に脳を動かしていこうと思います。