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「自分の仕事」をするのが支援じゃない まず業務の手を止めろ

最近立て続けに新人スタッフがうちの事業所に入ってきました。
本来ならば僕は彼らを支援者として指導したり教育する立場なんだと思うんですが、なかなかバタバタしていて十分に伝えられていないことも多いと思っています。

ということで、自分でも改めて現場のいち支援者としての基本に立ち返りながら、大事なことを整理しておこうと思って、文字通り「支援バカのつぶやき」を書こうと思います。



いわゆる「ハコモノ」と呼ばれる事業所支援というのはとかく「業務」が中心に回りやすい代物です。
業務というのは、例えば記録、社内書類、日課の準備やら片付けやら。そしてそもそもの日課、うちの事業所で言えば利用者さんの訓練として提供している作業活動そのものだったり。
訓練ツールではありますが、当然企業さんから依頼を受けている作業なもので、納期もあれば品質チェックもしなきゃいけません。
結構ちょこちょここのような業務を行っていると1日があっという間に過ぎてしまいます。


新しく現場に配属された時にまず教わるのがだいたいこの「業務」というやつなんです。
ちょっとシビアな話をすると、おそらくよほどの方でなければ、大体最初から現場で即戦力としての支援者としてバリバリ、というのはあまりなく、多くの場合はまずは現場の仕事に慣れましょうね、というカタチで業務を教わります。


徐々に利用者さんとも関係性ができて、支援にも入るようになるわけですが、悲しいかな「業務」から教わってしまうと、不思議なくらいに業務を優先してしまうのが癖になります。
あと、これは就労系の支援事業所のあるあるかもしれませんが、良し悪しは別として、支援者さんが一生懸命「作業」しちゃうんです。利用者さんと協力しながら。



記録もしないといけないことだし書類業務もしないといけないし、作業も納期には間に合わせないといけないのは確かなんです。
特に作業なんて、そもそも利用者さんが訓練として取り組んでいるのもあって、納期に間に合うか、きちんとした品質のものができるか、という問題がありますから、正直フォローのためにも自分もいくらかでもしなきゃ、ってなるのは分からないでもないんですけどね。



でも間違ってはいけないのは、僕ら支援者の仕事、というのは「自分の業務」ではなくて「利用者さんの支援」です。
事業所の日課を回すことよりも、優先しなきゃいけないのは「支援」です。
利用者さんと関係性を築きつつ利用者さんのことを日々観察し、個人カルテや先輩スタッフから情報を拾って、自分が利用者さんに対してどのように関わりながら支援をしていけるのか、ということと向き合わなきゃいけないのが本来の順番な気がするんです。


事業所はいかに支援者ができるだけ支援に注力できるように、日課や役割分担、事務的な業務を効率化出来るか、省力化できるかということを設計していかないと、じわりじわりと「自分の仕事」を支援よりも優先させてしまう慣習は、支援者の品質を下げます。


なので、新人さんには「作業すること禁止」令を出しています。
最初は手持ち無沙汰になるかも知れませんが、作業をすることは支援ではありません。
自分の動きのベースを「支援」に置いてもらう練習です。

このベースが出来てからようやく、何を以って「支援」なのか、という議論に入れるのでとにかく口を酸っぱくして伝えていこうと思います。
「自分の仕事に没頭するんじゃなくて支援をする」ということ。


手を出すことだけが支援ではないんです。むしろ僕の感覚では、いかに手を出さずに利用者さんの力で回るようになるか、ということのほうがよっぽどか支援なので、そもそもの軸足をそっちに向けていないとだいぶ本末転倒な気がします。


支援者がとにかく現場で「業務」を一生懸命するんじゃなくて「支援」を一生懸命している事業所でありたいな、と思っているので、新人さん達もくれぐれも業務を第一にしないようにして下さいね笑。






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