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君はいないんだね それが現実ならば

それは大きな海に 真暗な夜に
小さな船を漕ぎ出す様に あてもなく 道もなく
月の光に揺れている 美しき絶望

KAN「月海」より

 今日は12月12日。
 KANさんが亡くなってから、もう一か月が経つらしい。
 実際にそのお知らせを受け取った、というかニュースで知ったのは、5日後の11月17日だけど。

 あれ以来、リアルで吐き出しようのない想いをノートやXに投稿し続けたり、下書きのままだった他の記事を推敲して投稿したり。
 必死で「淋しさ」に向き合わないよう、逃げたり発散したり無理やりポジティブな方向へ気持ちを引っ張ったりして、もがき続けていた。

 スマホやパソコンから離れ、テレビとか雑誌とかのメディアにも触れないようすれば、自分の中でKANさんは生きていることにできる。
 そんなことも考えた。
 でも、それは前向きなことじゃないし、KANさんだって喜ばないと思う。
 やり場のない思いを抱えながらも、「今日」という日は今、目の前にあるんだし。
 一日一日を、ただ淡々と生きていくしかない。

 未だにこのことについて考え始めると感情がジェットコースターのように上下して、「前向きで行くぞ!」と決め込むときもあれば、いきなりシュンとして涙が出てくることもある。
 だから、今の自分にできることは、とにかくどんな形でもいいから「表現」し続けることだけなんじゃないかと思って。
 Xに短歌を投稿するようになったり(実は以前からやってみたかった)、ピアノやウクレレの練習を再開してみたり。
 なんかこの言いようのない気持ちを、文章や楽器の演奏や歌に乗せて表現していくことで、いつの間にか昇華できていればいいなと考えている。
 まぁ、もしかしたら一生、昇華できないのかもしれないけれど。
 それなら、それでいいような気もするし。

君はいないんだね 君はいないんだね
それが現実ならば 奇蹟など起こらない
I'm a man of losing you
Well I'm a man of missing you
そしてこれからぼくは
いったい何をうたえばいい

KAN「月海」より

(以下のリンクは、弦楽四重奏でのアレンジバージョン)


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