『わけるとつなぐ』を読んだおかげで、わけてつなぎまくりたくなった
本屋さんから注文していた本が届いたと連絡があり、すっ飛んで引き取りに行き、購入したその日のうちに、すらすらと最後まで読みきった。
この本を知ったきっかけは、ツイッターで相互フォローさせてもらっているダイヤモンド社の編集者、今野良介さんがご自身のアカウントで、この本に関することを次々とつぶやいていらっしゃったことだ。たびたびリツイートされる読んだ方からの感想も相まって、次第に興味が高まってきた。
そして、本屋さんに行って注文した次第である。
元々、いわゆる「ちゃんと考える」ことが苦手で苦手でしょうがない自覚があるので、「ちゃんと考える」とはどういうことなのか、とても興味があった。
でも、この本は「ビジネス数学教育の第一人者」を称する方が書かれている。数学に関しては中学二年生のとき、まさに「証明」のところで挫折してしまった私が理解できるだろうか、という不安があった。
しかし、その不安は読み進めていくうちに、払拭されていった。
この本では、弱小女子サッカー部の女子高生たちが、経営コンサルタントから「論理思考」について学び、自分たちで考える力を身に着けることで、初勝利を収めるまでの道のりが描かれている。
最初のうちは「こちとら、もう女子高生じゃないし」とか、「そもそも、あんまりサッカー興味ないんだけどなー」とか思いながら読んでいたが、彼女たちが論理思考を身に着け、そこから行動できるようになるまでの過程は、とっくの昔に女子高生じゃなくなったかつ、サッカーについての知識が乏しい私でも、読み進めることができた。
そして、最後のページを読み終えたとき、「もっと早くこの本に出会いたかった」と思った。
いや、もう過去を嘆いても仕方ない。これから、この本を参考にして、どんどん考える作業をしていき、もともと苦手で苦手でしょうがない「自分の頭で考えて、答えを出す」ことに自信を持ちたい、と思った。
どうして「自分の頭で考えて、答えを出す」ことが苦手なのか。
それは、たぶん幼少のころから、周囲の期待に応えることを第一に求められ、そうせざるを得ない環境にいたからだと思う。
「自分の本心はどう思っているのか」「自分は本当はどう行動したいのか」について、感じる能力も、考える能力も、ことごとく乏しかった。
何をどうしていいか分からず、あっちこっちで人に騙され傷つけられお金と時間を巻き上げられ、憤慨しながら過ごしてきた。
そもそもの原因が、自分にあることは分かっていた。
でも、もう騙されないように、もしくは騙されても自分でリカバーできるように、考える方法が全く分からず、いたずらに試行錯誤を重ねて生きてきた。
『わけるとつなぐ』を読み、まず自分の頭の中にある悩みや、もやもやの類を、とにかく紙に書き出してみるのがいいんじゃないかと思った。
でも、その時点で怖いと思うこともある。本当の自分と向き合わざるを得ない場合もあるからだ。
例えば、私はnoteに新しい記事を書くことをしばらく面倒くさがっていたが、その理由を挙げてみた。
・ 誰からも反応がなかったらさみしい
・ だからといって、炎上するのも怖い
・ 黙ってたほうが、上記ふたつの可能性がなくて楽
こりゃ、ネガティブだなぁ。
次に、noteに記事を書いて載せたい理由を挙げてみた。
・ 本を読んだ感想を、文章にまとめたい
・ 自分の感想文を、いろんな人にも読んでもらって、気に入ってもらえたら「スキ」が欲しい
・ できれば今すぐじゃなくても、いつか、どなたかからのサポートを頂ければありがたい
パッと比べてみれば、「記事を書きたくない理由」より「記事を書きたい理由」のほうがポジティブである。
というか、「記事を書きたくない理由」は、他人からの反応を異様に気にする悪い癖がもろに出てしまっている。
「とにかく書きたい!」っていう思いにふたをするように、「周りからの反応が怖い」って気持ちが分厚くのしかかっている。
この構図は、noteで文章を上げることどころか、日常における様々なアクションについても同じ癖あるなーと考えてしまった。
常に、人の目を気にしている。
自分の「あれがしたい!」「これがしたい!」って気持ちより、「あんなことして周りから悪く思われたら嫌だな」とか「こんなことをしたって誰からも称賛されない」とか、そんな考え方で今まで、どれだけの自分の気持ちを捨ててしまってきただろうか。
もう捨てることに慣れすぎて、どれが自分のやりたいことで、どれが世間を気にして仕方なく自分がやろうとしていることなのか、分からなくなることばかりだった。
そして、結局は心で思うことより頭で考えたことを優先してしまい、後悔して終わるなんてこと、今までどれだけあっただろうか。
これからは、この本で学んだ思考法をもとに、まず自分の問題の原因と思われる事柄について、一つずつ書き出してみたい。
そして、それらの項目を「わける」と「つなぐ」。
まず書き出すことがとても怖いけど、それだけでけっこうスッキリするかもしれない。そして「わける」と「つなぐ」の作業により、更に頭がスッキリして、自分の問題を解決する筋道を見つけられるかもしれない。
この本を読了してから、しばらく使ってなくて余白がだいぶ残っている手帳に、あれこれと議題を出して、それについて思考を整理するために次々、思うことを書く作業にハマっている。
それぞれの項目を眺めているだけでも、自然と頭の中で「わける」と「つなぐ」ができていく。本当はその結果も図式化すると更に分かりやすいんだろうけど。
今、ちょっと悩んでいる職場のことも、これからやっていきたい仕事のことも、大学院でやっている研究のことも、どんどん問題を言語化かつ細分化して、「わける」と「つなぐ」をしていきたくなる。
私が拝読した今野さん編集の本は、これで4冊目となる。
私は勝手に、初めて読ませてもらった『読みたいことを、書けばいい』とセットでこの本を読めばいいのではないかと思っている。
というのも、『読みたいことを、書けばいい』では、書きたいと思った物事について、まず一次資料を調べ上げたうえ、その過程で「愛せる」と思った部分を全力で伝えるつもりで書く必要があるとおっしゃっている。(だから「書きたいことを、書けばいい」ではないのだ。詳しくは読めばわかる。いずれにせよ購入することが大切だ)
その一次資料を調べて集めたデータから、愛せるポイントを探す作業が、すなわち「わける」ことと「つなぐ」ことだと思う。
『わけるとつなぐ』に話を戻すと、この本は「具体的に物事を考える方法」に的を絞ってお伝えくださっているように思う。
そういえば、大学の卒業論文を書いたときのことを思い出した。
調べあげた項目を一つ一つ分解し、テーマごとに分けて、繋げて、論文を完成させた。
ああ、その作業を日常で起こる事象にでもやっていけばいいんだ、と思ったら、なんだか面白くなってきた。
ちゃんと自分の頭で考えて、冷静に「わける」と「つなぐ」の作業ができるようになったら、確かに本の帯にあるように、どんな問題も「2つの行為」で解決できるような気がする。
というか、そうできるように頑張りたくなってきた。
自分の頭で考えて、行動することができるようになりたい。
この本は、その願いを持つ私に、確かなヒントを与えてくれた。
これから、どんどん具体的に考える癖をつけていって、どんどんやりたいことをやっていきたい。
真っ白なノートに、人生を描いていくことは、とっくの昔に女子高生じゃなくなった私にだって、いくらでも、できることなのだから。
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