おばあさんのひこうき
佐藤さとるさんの紹介にも、村上勉さんの紹介にも出てくる定番。両氏の代表作といっても差し支えのない作品である。人によっては、この作品を一番好きな作品としてあげる方も、多いだろう。
編み物好きな“おばあさん”は、田舎に一人暮らし。娘から「いっしょに暮らしましょう」と言われてはいるが、ちょっとだけ迷っている。そんなある日、ふとしたきっかけから、不思議な編み方を発見する。その編み方をすると、なんと編んだものが空中に浮くのだった・・・
くどくど説明するまでもないだろう。編み物が「浮く」という奇抜な発想。その編み物を元に「飛行機を作る」ことになる展開。その過程の丁寧な描写。どれ一つとっても、楽しめること請け合いである。特に、飛行機を作る過程を読んでいると、「精巧な模型」を作っている様子を見ているような錯覚に陥る。
お説教をたれるわけでもなく、教訓めいた内容があるわけでもいないお話。たとえれば、「いたずら坊主」で「手先の器用な少年」がよくできた模型飛行機を作り上げ、ガキ大将そのままに「どうだ、良く飛ぶだろう?」と胸をはっているような作品である。だからこそ、愛され読み継がれる本になったのだと思うのだ。
「おばあさんのひこうき」は、オリジナルが小峰書房からハードカバー版、てのり文庫版が出ています。また、偕成社からは村上勉さんが書き直されたリメイク版も出版されています。
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オリジナルのWEBに掲載時点では、てのり文庫は現役だったと思うが、いまは品切れ状態可か絶版。でもオリジナルも偕成社版新装版も頑張っている。「さすが名作!!」と、思っていたい気がする。
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