100ばんめのぞうがくる

 「ぞう」という動物は、本来、とても遠い存在の動物のはずである。生息地域は、アフリカもしくは、インド周辺であるし、身近に生で見ることができるのは、動物園ぐらいである。しかしながら、なぜかとても親しみやすい動物の地位を確保している。「100ばんめのぞうがくる」は、そんなぞうのお話である。(といっても、本物のぞうが登場するかどうかは、さてはて・・・)

  ぞうの大好きな「たつお」くん。小さい頃からぞう模様の服や、ぞうのおもちゃ、ぬいぐるみ、はたまた壁の落書きまでぞうでした。本当にぞうが好きだったのです。そして「ぞう」が増えて、ついに「100ばんめのぞう」まであと一頭になりました・・・

  本当にかわいい話である。たつおくんのぞうの会話が、これまた面白い。特に、「100ばんめのぞう候補」との会話が、秀逸。それよりももっとかわいいのが、「100ばんめのぞう候補」が、結局100ばんめにならず、99頭のぞうたちが、「あーーあ」とため息をつくところだろう。

  とにかく、読んでいただきたい。100ばんめのぞうの登場と、そのあとの話も盛り上がり、村上勉さんの、個性豊かな挿し絵とともに、楽しめる絵本である。(佐藤さとる・著、村上勉・画)

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これは、村上さんの画無くしては語れない絵本だろう。偕成社版をお勧めするが、入手困難。Amazonで中古なら買えますが・・・図書館にはありそうです。


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