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清水亮『検索から生成へ』|AIへのアプローチを「利用」ではなく「読書のテーマ」にしてみる 

AIが話題になり身近になっていますが、私はあえてあまり触れないように、関わらないようにしてきました。

端的にいうと「よくわからない」からです。

勤めている会社でも「とにかく使わないきゃ」という雰囲気で「使うことでどんなメリットが生まれているのか」という点は感じづらい状況でした。

AIは単に便利なツールというのではなく、業務自体を一変するような技術だと思うんですよね。

この点の広範な影響について、少なくとも私の周りがあまりに無頓着すぎるように感じていました。

しかし知らないままでいるのもどうかと思ったので、自分なりのアプローチを考えてみた結果、使うより読書のテーマにしようというところに落ち着きました。

清水亮『検索から生成へ』


とりあえず読んでみたのが清水亮『検索から生成へ』

AIの本を探していたというわけではなくて、読書のテーマが文系に偏っていたので理系のテーマで何かないかと探していたところ、たまたま目に留まったのが本書でした。

見つけたのは京都の大垣書店。
意外な本が見つけられる知的な空間です。

使うことよりも関連知識を押さえる


読んでみた感想ですが、how-to本ではく、AIが生まれた歴史的な経緯や技術的な側面が描かれていてよかったです。

特によかったと思う点をまとめてみます。

  • インターネット、特にGoogleなど検索エンジンの歴史なども背景として触れられていること

  • コンピュータとAIはまるで違う機械であること

  • ChatGPTなどのコストが莫大な大規模モデルではなく、もっと小規模なAIの可能性があること

実際に利用してみるより、こうした周辺知識を押さえるアプローチの方が自分には向いてそうです。

AIは個人には向いていて組織には向いていない


本書を読みながらそれまで漠然と感じていたことがさらに深まったのですが、それは「AIはフリーランス(個人)には向いているけれども組織には向いていない」というものです。

実際にフリーランスの人の方がAIを上手く使えているなという印象です。
反対に会社の中では無理やり使っているという印象を受けます。

それは基本的に会社が「複数の人が協業する組織」だからではないかと思うんですよね。

自分に出来なことを誰かにお願いするというのが組織の中の基本的な仕組みで、その仕組みの中でヒトではなくAIに仕事を振るようになると、ヒト対ヒトの関係性で出来上がっていた組織の風土が壊れてしまうような気がします。

フリーランス(個人)には組織の風土なんてものはないので、メリットが大きければどんどん使えるわけです。

私も組織を離れてフリーランスになる予定なので、そういう意味ではAIについての警戒心が薄れて関心が湧いてきました。

未知のものに対する自分なりのアプローチは大事ですね。

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