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【内省備忘録】偽の自分を演じない

以前、とある集まりで、ある男性と知り合った。

集まりにいる時も、その後も私に好意を示すようなことを言ってくれていて、恋愛メンヘラな私はすぐそのモードに入ってしまった。

(先にオチを言えば、最終的に相手が私にひいてしまったので、現在、彼とは連絡も取っていない)

その後、2人で何度か遊んだのだが、振り返ってみると、私は相手の前で自分を偽りまくっていた。

経歴の嘘ではなく、相手の求めていそうな女性像に無理やりなろうとしていた。


文面上ではネガティブなことばかり書いているが、実際の私はけっこうしゃべるし、冗談を言うのも大好きだし、テンションが高いとよく言われる。

一方その彼は、大人しいとまでは言わないが私より大人びていて、静かな感じ。

集まりで会ったときは、私がたまたまテンション低めだったので、彼は私がおとなしいタイプの子だと思っていたと思う。

それに答えないと彼が離れていってしまうと思って、私は彼の前ではおしとやかで知的で、物分かりのいい女性を演じまくっていた。


だけど、自分を偽るといつか必ずボロが出る。

なんとなく2人の歯車が噛み合わなくなってきて、彼が少しずつ引いていくのがわかった。

私も、なんだか変な発言ばかりしてしまう。

その時点で私はすっかりしがみつきモードに入ってしまっていて、徐々に諦めることはできたものの、いわゆる「病んだ」状態になった。

「なんでいつもこうなる」と自分を責めた。
相手の時間を奪ってしまったし、私は私で傷ついて終わった。

そのあと、友だちや趣味の助けを得て元気になり、今は少し恋愛からは距離を置いている状態だ。


冷静になった今振り返れば、ただ単に恋愛という、”承認されている”感覚に依存していただけで、彼のことをよく知りもせず、彼を好きと思い込んでいたし、その状態で自分を偽れば、うまくいかなくて当然だろう、と思う。

そもそも、そんな自然体でいれないような相手とうまくいくわけがない。

本当は最初から合わない相手だとわかっていたけど、恋愛したいがためにその違和感を無視して、偽の自分を演じ続けてしまった。

恋愛に失敗はつきものだけど、最初からわかっていたのなら、避けられた悲劇だったと思う。


その後、たまたま数人の新しい男性と知り合った。

誰にも恋に落ちていないので、恋愛メンヘラが治ったかどうかは正直わからない。

だけど、こちらに好意を抱いてくれそうな相手でも、それにしがみついたり、おしとやかでかわいい子を演じたりはせず女友達と接するのと同じようにふるまうことができている。

きっと今は、前より自分という人間を少しずつ認めることができるようになっているのではないかと思う。

決しておしとやかで知的でかわいらしい女性ではいられないけど、よく喋って、冗談を言って人を笑わせることが好きな自分。
それをちゃんと人に見せて、それでもなお一緒にいてくれる人を、私はこれから大事にしていきたい。

そうやって私が自然体でふるまうことで、この先私に関わる人が、私に対して演技をしなくていいと感じてくれるならば、私の失恋の価値は充分あったということだろう。

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