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フィルム写真 8月南小樽


フィルム写真。
3本分のフィルムの中から。
今回は小樽。
何度か記事に登場している
「喫茶室ラブラド・レッセンス」へ

街をぶらぶら、スタスタ、
汗ダラダラ、カメラカシャカシャ
してきたものたち。

今回の話は前に記事にしている
「君と私は逃亡した」の時に
撮影したもの。



その日。
計画的に自宅発。

駅の時計
9:39の手稲行き 2番ホームへ。
優しいやつみっけ。


乗車。
その後の札幌駅で人々が入れ替わり
手稲駅で乗り換える。
快速で南小樽へ。
海外からの観光客の方々でいっぱい
埋もれて海は見えなかった。


南小樽駅。小樽駅の一つ前。
到着して改札への階段をあがる。
古い小さな駅だけど
この壁は真っ白で手すりも新しい。
窓の外の緑色、午前の光
それら合わせてきれいだと思った。



改札前は海外の観光客の方で
いっぱい。
駅の入り口の横。
明治13年から昭和44年まで手宮駅の
列車が発車するとこの鐘を鳴らして
改札など始めていた
と書いてある。

木の一部みたいだ



道路へ出る。
多分これは
せつな優しくされた写真。
魔法がかけられた写真。
かな。

6月に来た時とは違う道から行く。
一本奥の道から。



この日は8月27日。
日差しはまだ夏。
まだ秋の気配は薄い。
揺れるすすきがキレイで
それを見るともうすぐ
秋なんだよなぁと
この時はまだ夏寄りな気持ち
だった。


砂箱。雪道に撒かれる砂袋が入っている。滑り止め用。
小樽の砂箱かわいいな。



奥沢十字街を右に曲がる


やっているお店
休業したままのお店、民家
古いけど
生活の匂いのする
広く明るい国道沿い



すごく久々に外に居る自分を見た



「松本模型」さん。
恐れ多くて遠くからしか
撮れなかった
このお店の隣が目的地。


でも目的地に入る前にもう少しだけ
この細い道の先を見てみたかった
車一台も入れない気がする
軽なら行けるかな?

喫茶店の横。


足音をたてては歩けない程
ひっそりしている。
距離が近い。
温度のある生活がすぐ側だから
冷やかすように写真を撮っていると
勘違いされるのは悲しいから
この1枚で、撮るのはやめた。

立派なレンガの建物。
だったんだろうな。
崩れ落ちているこれが日常の、
生活の中にあるのか。


冬、雪が積もるとここは
どうなるんだろう?
除雪、雪かきとか、車とか。
雪はどこに溜めておくんだろう。
陰が多いからあんまり積もらないのかな?そんなことないか。
色々考えると小樽の冬は厳しそうだな。。


続く道をぐるっと一周して
戻ってきた。
この写真は6月のもの。
お店はこちら。
お店のことは詳しくはこちらに↓


こんにちは。2階へ。
誰もいなかった、ラッキー。


自分が撮る写真には自分はいない
撮られたいとも思わないけど
さっきみたいに不意に自分を見つけると、ああ、自分てこんなだったっけとか思ったり。


外を覗き込む


窓の外がきれいなだけじゃなくて
自分の目線そのものを
目の画角のまま撮る方が
プリントした後で見た時に
記憶をかたちにできて
好きかなと思って。

座って見上げる

ここでは写真を撮りすぎるのはNG
なのでこれで終える。

かわりにお店でインスタントカメラを
かしてくれる(1枚150円)
そっちで数枚撮って
かぼちゃのプリンとコーヒーを頂き
置いてあるテーブルの上のメモ帳に
この怪文を残して去る。笑


帰りは違う道から。
もう終わっててもいいはずの
あじさい。


坂を登り切る。
住宅がいっぱい。
探検したかったけど帰りの列車の
お時間が迫る。


これですね、行き合いの空って。



この街灯に灯りがつくのを
イメージする

「優しく照らす 古い水銀燈」って
こういうのかな



坂を下って住吉神社の横の
歩道橋を渡る


もう終わりか。
もっと時間がほしい。


さっきの行き合いの空の続き。
遠くに行きで撮ったすすきが
小さく揺れている。


写真はここで終わり。

時間に許されているなら
もっともっと奥へ行っただろうな
その先を見てみたいと思わせる
空気感、歴史、不思議な地形
小樽独特の街並み。
何回行っても面白い。


…なんとなくだけど
あの古い水銀燈の写真も
せつな優しい魔法をかけた
ものなんじゃないかな
本当はもっと現実的な色と
質感だったんじゃないかな

何かを感じとって
「僕ならこうしたいかな」とか
そう思っての、あの感じ
今度聞いてみたい

そして今度は同じ写真を
「悲しくて孤独な色で」
お願いします。って
言ってみようかな。
そっちも絶対いいと思う。
もしかしたら
その方が好きかもしれない、
自分カラーかもしれない。


私が使っているフィルムカメラは
pentax mz50。
オートフォーカスの一眼レフカメラ。
フィルムカメラだけど
デジカメのようなカメラで
特に何もわからなくても
シャッター半押しでピントを合わせて
シャッターボタンを押せば
簡単に撮れる。
マニュアルもできるけど私は
全然勉強しないまま撮っているから
やったことはない。
こんなこと言ったら怒られるな…
ごめんなさい
いや、本当はもっとこだわって
機能を色々使いたいんだけれど…


きっともっとステキな
カメラやレンズはあるだろうし
あんな風にこんな風に撮ってみたいとか理想もあるけれど
私はこの子が良くて使っている。
高校生の時、写真部だった時に
買ったカメラだから。
(正しくはそのカメラを2年前ひっぱり出したら当然壊れてた、それがなんだか悔しくて、同じ機種を中古で買った、3000円。レンズは生きてたから当時のまま付け替え。)

デジカメの便利さとか華やかさに
魅力を感じてしまったから高校卒業と共にフィルムカメラには
触らなくなった。

そこから何十年も経って
室蘭の撮りフェスに参加しようと
思った時になんとなく
室蘭はフィルム写真の方が
しっくりくるかもしれないと
そこでこのカメラを使い始める。
そして今お世話になっている
写真屋さんを見つける。

最初はフィルムカメラで撮りたい
だったけど
この子で撮りたい。
今はただそれだけなのかも
しれない。
他の子と出会いたくない、まだ。
自分のことだからきっとすぐ
他の子にときめいてしまうと思う。笑

あの頃のままのレンズで覗く
22年後の今。
もうちょっとだけ
高校生だった自分の続きを
やっていたい。

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