「持続可能」な美容師をめざして
美容師になって13年。
自分の技術でお客様に喜んでもらい、「ありがとう」と言われる、やりがいのある仕事をしています。
人を綺麗にする仕事である反面、
「地球をこの手で汚しているのでは?」と、
あるきっかけで突然思うようになってしまいました。
髪を切ることで、私たち美容師は毎日たくさんのごみを出しています。
電気もガスも水道も、1日中使いっぱなし。
カラー剤やパーマ液をたっぷり使って、それをシャンプーで洗い流す。
頭は綺麗になるけど、汚水はどこへ行くんだろう。
美容師はおしゃれでなければいけないからと、
流行りの服をファストファッションで購入しては、ワンシーズンで捨てるような生活をしていた時もありました。
大量廃棄や労働問題があることも知らずにです。
「自分たちのおしゃれのために、犠牲になっているものがある。」
それに気づいた途端、美容師という仕事がすごく嫌になってしまいました。
美容師に限らず、ほぼ全ての仕事が結果的に地球を汚してしまうし、
気にしてたらキリがないでしょう。
まわりからも「大袈裟だよ」と笑われる始末。
でも一度気づいてしまったからには、いてもたってもいられません。
いっそ環境保護に関わる仕事に転職しようかとも思いました。
でも結局どうしたって、この仕事が好きなんです。
私が辞めてもなにも変わらない。
お客様は他の美容室で同じことを繰り返します。
「持続可能な美容師になろう」
そう思い立ち、少しずつ行動を起こしました。
扱う商材をヴィーガン・オーガニック処方のものに変えたし、
お客様に提供するドリンクのストローをやめました。
カラー剤を使い切ったあとに出るアルミチューブのごみを、集めてリサイクルに出すことに。
最近では流行に左右されない洋服を選ぶようしています。
変化はこれだけではありません。
私が行動したことで、お客様も環境問題に関心を持ってくれるようになりました。
美容師が伝えられることは、おすすめのシャンプーや今流行りの髪型だけじゃない。
美容室にいたって、地球のためにできることがある。
大きな変化は起こせないかもしれないけど、私みたいな美容師が1人でも増えたらいいなと思います。
地球にとってもお客様にとっても、
持続可能な美容師を目指して。
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