ポケモンゴーと運動量、意外と少ない運動量
Gotta catch’em all! Pokémon GO and physical activity among young adults: difference in differences study:BMJ
Abstract
Objective To estimate the effect of playing Pokémon GO on the number of steps taken daily up to six weeks after installation of the game.
Design Cohort study using online survey data.
Participants Survey participants of Amazon Mechanical Turk (n=1182) residing in the United States, aged 18 to 35 years and using iPhone 6 series smartphones.
Main outcome measures Number of daily steps taken each of the four weeks before and six weeks after installation of Pokémon GO, automatically recorded in the “Health” application of the iPhone 6 series smartphones and reported by the participants. A difference in difference regression model was used to estimate the change in daily steps in players of Pokémon GO compared with non-players.
Results 560 (47.4%) of the survey participants reported playing Pokémon GO and walked on average 4256 steps (SD 2697) each day in the four weeks before installation of the game. The difference in difference analysis showed that the daily average steps for Pokémon GO players during the first week of installation increased by 955 additional steps (95% confidence interval 697 to 1213), and then this increase gradually attenuated over the subsequent five weeks. By the sixth week after installation, the number of daily steps had gone back to pre-installation levels. No significant effect modification of Pokémon GO was found by sex, age, race group, bodyweight status, urbanity, or walkability of the area of residence.
Conclusions Pokémon GO was associated with an increase in the daily number of steps after installation of the game. The association was, however, moderate and no longer observed after six weeks.
ポケモンGOに運動量を増やす効果はない
歩数増加はインストール当初のみ、6週後には消失
2016年7月に配信が開始されたポケモンGOのダウンロード回数は、2カ月後には、全世界で5億回を超えた。
米Harvard公衆衛生大学院のKatherine B Howe氏らは、米国の若い成人を対象に、ポケモンGOが1日の歩数に与えた影響を調べたが、利益は大きくなく、時間経過と共に縮小し、6週後には全く見られなくなっていた。
BMJ誌電子版2016年12月13日に掲載
著者らは、ポケモンGOをインストールしてから6週間に、このゲームが1日の歩数に及ぼした影響を調べるために、オンラインサーベイとスマホに自動的に記録される歩数のデータを利用したコホート研究を実施した。
クラウドソーシングサービスのAmazon Mechanical Turk(MTurk)を通じて、米国の若い成人に調査への参加を募った。基本的な条件は、米国在住でiphone 6または6Sのユーザーである18~35歳の人々とし、交絡因子に関する情報と、プリインストールされているHealthアプリの歩数データのスクリーンショットなどを提供した人を選出。ポケモンGOをダウンロードしていた人(プレーヤー)については、約2時間の歩行で到達できるトレーナーレベルが5未満だった人々は除外した。
プレーヤー群については、ポケモンGOインストール前4週間とインストール後6週間の毎日の歩数の申告を求めた。非プレーヤー群には、プレーヤー群がソフトをインストールした日時の中央値に該当する7月8日からさかのぼること4週間と7月8日以降の6週間の歩数の申告を求めて、インストール前後の歩数の変化を、差分の分析により比較した。
条件を満たした1182人(プレーヤーが560人、非プレーヤーは622人)を分析対象にした。非プレーヤー群に比べると、プレーヤー群は若いユーザーが多く、高学歴の割合が少なく、世帯収入が少なく、BMI30以上の人が多く、独身者の割合が高かった。プレーヤー群の、インストール前4週間の1日あたりの歩数の平均は4256歩(SDは2697)だった。非プレーヤー群では、7月8日までの4週間の1日あたりの平均歩数は4126歩(2930)で、7月8日以降も歩数に変化はなかった。
プレーヤー群の、ダウンロード後1週間の1日あたりの歩数の平均は5123歩(SDは3371)で、2週目は4994歩(3374)、3週目は4693歩(3104)、4週目は4499歩(3077)、5週目は4108歩(2927)、6週目は3985歩(2888)になっていた。
差分の差分分析では、プレーヤー群における経時的な歩数の減少が確認された。インストール後1週間の歩数は平均955歩(95%信頼区間697-1213歩)増えていた。歩数の増加はその後5週間のうちに徐々に小さくなり、6週目には、歩数の増加は130歩(-593から853歩)と有意ではなくなっていた。
ベースラインの特性とポケモンGOが歩数に及ぼす影響の関係を調べたが、性別、年齢、人種、体重、都会暮らしか否か、居住地域が歩きやすい環境になっているかどうかなどは、有意な影響を及ぼしてはいなかった。
これらの結果から著者らは、ポケモンGOは、ゲームインストール後の1日の歩数増加と関連するが、その効果はせいぜい中等度で、6週後には消失していた。ダウンロードから1週間に増加した歩数に基づいて、増加した歩行時間を推定したところ、1日あたり11分にしかならず、その1週間の歩行時間は、WHOが推奨している150分/週以上のほぼ半分にとどまっていたと結論している。
以外とゲームに夢中になっていると運動量は増えないですね。