落語協会(2)not芸能プロダクション
落語協会ー。私も会員になって25年ぐらいになりますが、どういう団体なのか自分の中で整理する意味もあり、私の目線で知ってることなどを書いてみます。落語家以外の芸人さんも多数所属していますが、少しややこしくなりそうなので割愛させてもらいます。倉本くん、ごめんね(絶対読んでないけど)。
成り立ちなどはちゃんとしたところで読んでねとお願いたてまつって、今年で誕生して100年経ったのが我が落語協会です。寄席に出ているもう一つの団体落語芸術協会が公益社団法人で、我々が一般社団法人。なぜ公益社団法人にならなかったのか…なれなかったのか、理由は知りません。が、公益にはできるけど一般にはできないことやその反対などいろいろあるようです。
で、その落語協会の現在の主な役回りはというと…落語家は寄席から依頼されて出演し出演料をいただく立場ですが、協会がその間に入って事務連絡や作業をしている、これが日々のメインの実務といって差し支えないかと。そしてそれは落語家ができる仕事じゃないですから事務員さんにやってもらっています。たぶん、寄席に出ていない他の落語の団体は事務員さんは置いていないはずです。寄席出演がないからお金を払って事務員さんを置くほどでもないとも言えそうですが、どうでしょう。
もちろん、落語をもっと広めるとか後進の育成とかの社団法人としての目的はあります。
さて、ここまででおわかりいただけてるかなと思いますが、落語協会は落語家という個人事業主の集まりで、事務員を雇っている組織です。吉本興業のような芸能事務所や会社ではありません。相撲協会のような財団法人でもありません。
芸能プロダクションではないので(それっぽい働きをすることも可能ではあります)、我々はスケジュールを管理も把握もされてないです。個人個人で仕事のやりくりをしています。ですから、一時話題になった闇営業なるものは落語協会と会員の間には存在しないです。さっきも書きましたが落語協会は主に寄席の出番などを差配してくれてますけど、他から依頼された仕事に行くために寄席を休むこともあります。
私が二つ目のころは個人で落語会をやる場合の前売り予約の窓口を協会がやってくれていましたが、落語会が増えすぎて事務員さんから泣きが入り、それもなくなりましたね。
で、プロ野球のチームと選手みたいに拘束されてもいないですから、先に仕事が入っていたら協会の行事も欠席します。仕事が入ってなくても欠席する方もいるでしょう(!)。総会などは委任をして欠席します。当然それらにペナルティなどはないです。
当たり前かもですが信仰や思想や言論も自由で、でも状況によっては今でいう「お願いベース」が発動することはありますね。
仕事は全部協会経由だと思ってらっしゃる方も少なくないようですが、違うんです。おわかりいただけたでしょうか。落語家という個人事業主の集合体が落語協会でございます。
そんなこともあり、「落語協会は何を考えてるんだ!」ってときの落語協会とは何をさしてるのか、中にいる者としてよくわからないときもあります。理事や役員の皆さんをさしているのか…。でも選挙で役員に選ばれるわけではないですからねえ。理事会イコール落語協会って使われ方も、正直微妙に感じるときもなくはないです。
さて、次は内部のことをもう少し書いてみたいと思います。