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20歳になりました。

20歳になってしまった。

お姉ちゃんより先に20歳になってしまった。
正直に言えば、20歳になることが嫌だった。
お姉ちゃんより先に両親と一緒にお酒を飲んで、
お姉ちゃんより先に両親に振袖姿を見せることになってしまった。
両親にも、お姉ちゃんにも、
"ごめんね"
そんなことを思ってしまう。考えてしまう。
私が生まれるちょっと前、生後3ヶ月。生後90日という月日を過ごし居なくなっちゃった。
生まれたときから居ないのが当たり前の生活。
だけど、私の中でお姉ちゃんの存在は大きいのだと思う。

嫌だった…

 母は私を長女として、1番上として育てたがる。けど、私にとってそれはしんどくて嫌だった。近所の人と会ったり、親戚の人と会ったりすると一番上の子どもとして周りの大人は紹介する。それがしんどかった。
"私は次女だから"
と、反抗したくなる。自分で勝手にしっかりしなきゃって自分自身を縛り付けてる。世間が思い描く長女でいなきゃいけないって決めつけて、取り繕う生活は嫌だった。
 
 両親が私の妊娠がわかった日は青空が広がっていて、ずっと俯いてばっかりで青空が広がっていることに気付かなかったからっていう理由で名前はそらになった。
 たまに第3者の大人にお姉ちゃんの分まで生きなきゃね…みたいなことを言われる。そう言われるとモヤッとする。
 結局、一生私の人生にはお姉ちゃんがつき纏うのだろうと思うと、言葉にならない感情になる。けどその反面、私はお姉ちゃんありきの自分だと信じているのだと思う。お姉ちゃんを勝手に味方にして、縋っているのかもしれない。

生きてさえ居てくれれば良かった。


 お姉ちゃんに聞きたいことも、一緒にしたいことも、してほしいことだってたくさんあった。

一緒にDisneyLand行ってみたかった。
きょうだい喧嘩もしてみたかった。
2人暮らしとかしてみたかった。
お姉ちゃんの恋人に会ってみたかった。
お姉ちゃんの成人式に行ってみたかったし、
お姉ちゃんの結婚式だって親族席に座ってみたかった。
大学生とかで甥っ子とか姪っ子とか居たのかな...。
甥っ子姪っ子を溺愛してみたかった。
いつか、甥っ子姪っ子に誕生日プレゼントとかお年玉をあげてみたかった。
何にもしてない。
何にもできなかったね。

"順番くらい守りなさいよ。
ちゃんときょうだい喧嘩とか、お母さんとお父さんのくだらない言い合いの仲裁に入りなさいよ。"
って言ってやりたい。

離乳食始まってなかったせいで唯一飲ませたのがリンゴジュース。そんな理由で毎年リンゴジュースとかアップルパイがお供えされてるけど、りんご嫌いだったらごめんね。
誕生日も、命日もお供え私達の好きなものばっかでごめんね。
リンゴジュースは私しか好きじゃないし、アップルパイは妹しか好きじゃないよ。

お姉ちゃんへ

 お姉ちゃんが先にするはずだったこと全部私が先でごめんね。
 残念ながら私にはまだ、お姉ちゃんじゃなきゃいけなかった理由はわかんなくて、なんで私が生き残ってしまったのかもよくわかんない。
お姉ちゃんは今どこに居ますか?お姉ちゃんはいつでもどんなときでも私の味方だと思って、20歳になったけどもうちょっとお母さんとお父さんにはわがままを言い続けようと思います。怒られたら、きっとお姉ちゃんは味方で居てくれると信じて夜中お姉ちゃんの前で泣こうと思います。多分また話しかけると思います。たまには返事してください。褒めてください。ついでに言っておくと、一生私は妹で、長女になる気は皆無です。なのでご了承下さい。もしお姉ちゃんがお父さんとお母さんにそっちで会ったら私のせいだと庇っておいてください。私が怒られないように(*^^*)
よろしくね。



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