![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/155974432/rectangle_large_type_2_0ad191eb2ed2add94d2e450d65c0a6ce.png?width=1200)
晃華中学2024年度国語第一回(大問一)とってもわかりやすい中学入試過去問の解説
※この解説は、私立中学校からの公認を受けたものではありません。
単なる一個人の見解であることをご承知おきください。
より正確な解説は、過去問題集などでご確認ください。
中学受験国語の成功の極意は、
①できるだけたくさんの過去問を解いて、
②正解の理由をよく理解して、
③何度も読み返して復習することです。
間違えた問題は、本文の正解の理由になる部分に色をつけると効果的です。色鉛筆で問題ごとに色を変えてみてください。
竹内早希子さんの『巨大おけを絶やすな!日本の食文化を未来へつなぐ』からの出題です。直径二メートル高さ二メートルの巨大な木桶を使って昔ながらの木桶仕込みをしている小豆島のヤマロク醤油のお話です。木桶を作れる職人さんが少なくなってしまった現在、木桶仕込み醤油の伝統を守っていけるのでしょうか?
問一康夫さんは、大変な苦労をしながらも、細心の注意を払って醤油を仕込んでいます。ですから「機嫌よさそうやな」が答えです。
問二1‐1ページに「初夏のゴールデンウィークにかけて発酵のピークを迎えるので、微生物が酸素を吸って元気に働けるよう、かきまぜて空気を送ってやります。たいへんな重労働なので、康夫さんは、この作業を地獄のもろみまぜと呼んでいます。」と書いてあります。
もろみの発酵が進むと40℃近くまで発熱するそうです。暑い中何時間もかけてもろみをかきまぜ続ける作業はとても大変なようです。
問三本文の初めに再仕込み醤油の説明が書いてあります。「ふつうの醤油とどう違うのかというと、もろみを仕込むとき、ふつうは塩水を使いますが、再仕込み醤油は、塩水のかわりにできあがった醤油を使います。」
問四1‐4ページに「木桶でつくる醤油は、多くの蔵元では、木桶にすみついた乳酸菌や酵母に熟成を任せます。人間が櫂棒を使って攪拌し、温度も自然のままに任せるため、熟成するのに一年から二年、再仕込みの醤油の場合は、仕込みに使う醤油づくりから数えて四年かかります。」と書いてあります。
問三と問四の補足
「再仕込み製法」を用いて造るこの醤油は、1~2年熟成させた生醤油を、もう一度桶に戻し、仕込塩水の代わりに醤油の中へ大豆と小麦を加え、もう2~3年仕込む二度仕込み。倍の原料と歳月を加え自然の力でゆっくり育てること、塩の代わりにかどのとれた生醤油の塩分を利用することで、これまでにない深いコクと香り、まろやかさを引き出しました。
問五醤油や味噌を仕込むために使う木桶は昔から特別な職人によって作られてきました。醤油メーカーは木桶を作る会社に注文して木桶を作ってもらうのです。ところが、現在では他の素材が使われるようになり、木桶を作る職人さんたちが激減してしまいました。ですから不適当な選択肢はウとなります。
問六菌類は世代交代が速いので、100年近い時間に独自の生態系が出来上がっているのです。
ヤマロク醤油のもろみ蔵は100年以上前(明治初期)に建てられた蔵で、国の登録有形文化財(第37-0182~0184)に指定されています。木造平屋で床は土間、壁は土壁。見た感じボロボロですが、そこがポイント。実は桶以上に、梁や土壁、土間の中には100種類という酵母菌や乳酸菌たちが暮らしているのです。つまり蔵は昔からずっとここで暮らしている菌たちの家。「生きてる蔵」なのです。
問七1‐3ページの後半に「木桶の板は多孔質で、目に見えない小さな穴がたくさんあいています。その小さな穴に、蔵付きといわれる、その蔵独自の微生物がたくさんすみついています。酵母や乳酸菌といった微生物は、何十年、何百年と時を重ねるうちに、独自の進化をしていきます。結果、その蔵、その木桶の中だけの生態系ができ、そこにしかない酵母や菌が生まれます。その独自の微生物がつくりだす味や香りの成分が、蔵独特の醤油や味噌の風味の決め手になります。」と書いてあります。この部分から答えをまとめます。
毎日何気なく使っているお醤油にも、日本独自の長い伝統や文化があるのですね。桶仕込みのお醤油を使うと料理の味も美味しくなりそうです。
ここまで読んで頂き、ありがとうございました。
これからも頑張ってわかりやすい解説を書いていきます。
受験生の皆さんも問題の文章を繰り返し読んで読解力を身につけてください。
合格をお祈りします!
オンラインで個別指導もやっています。小学生、中学受験生、中学生、高校受験生、大人の方のやり直し英語が対象となっております。指導科目は算数・数学、英語、国語、理科です。
是非、お問い合わせください。
現在、英検1級に挑戦中で、不合格体験記を書いています。