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穎明館中学2024年度国語第1回(大問二)とってもわかりやすい中学入試過去問の解説

中学受験国語の成功の極意は、
①できるだけたくさんの過去問を解いて、
②正解の理由をよく理解して、
③何度も読み返して復習することです。
間違えた問題は、本文の正解の理由になる部分に色をつけると効果的です。色鉛筆で問題ごとに色を変えてみてください。

※この解説は保護者の方が声に出して読んでいただけると、生徒さんの理解が格段に深くなります。

元宇宙飛行士の若田光一さんの文章です。
若田さんをテレビでお見掛けすると、いつも目がキラキラ輝いていて、とても素敵な人ですね。こちらまで意欲がわいてくる気がします。


問1a「人は国籍や文化、宗教などの違い以上に、個性の差が大きい」ことについて、卵を用いて具体的にわかりやすく例えています。
b「国籍や習慣、文化」だけでなく「出身地、幼少期からの家族構成、学校生活、スポーツや音楽活動など、どのような集団活動に参加してきたかなども」「殻の部分である」と付け足しています。
c国際宇宙ステーションの乗組員はそれぞれさまざまな違いがあっても、全員が使命を成功させるために全力を尽くそうと同じ方向を向いていたのですね。

問2「この大前提」の「この」から前の方を探します。「人はそれぞれ生まれも育ちも違う。だからこそ、考え方も価値観も習慣も、あれこれ違ってくるのは当然だ。」と2行目に書いてあります。大前提とは大本となる決め事のことです。「どういうこと」と聞かれているので「当然であること」で答えます。

問3(ⅰ)「殻」の部分は国籍、文化、宗教、出身地、家族構成、学校生活やスポーツなどの集団活動です。
(ⅱ)少し後ろに「殻の部分だけでステレオタイプに相手を判断しようとすると、本質的な状況分析の妨げになる。」と書いてあります。例えば日本人の中学受験性だからといって、みんなが同じ考えや価値観だとは限りません。

問4「自分の意見を横に置く」のですから、自分の意見を主張するばかりではなく、「相手の立場に立って、相手の考えや意図を理解するように努めて」みようとする態度のことです。コミュニケーションとは、気持ちや意見などを言葉などを通じて相手と伝え合うことです。自分の意見だけを強く主張しても、お互いにわかり合うことはできません。

問5少し後ろの部分に「そのような姿勢を通して、相手との違いを認識しながらお互いの個性の違いを尊ぶ気持ちも生まれるのではないだろうか。」さらに「チームに存在するそれぞれの違いによって、作業の効率性の向上や、ときには大きな問題に直面した際に突破口につながるさまざまなアイデア生み出される可能性がある。」とあります。ここを上手くまとめると答えになります。自分と相手が違うことを認めて、違いを大切にすれば、仕事がうまく行って、困ったことが起こっても解決につながるアイデアが生まれるチャンスが増えるといった内容を書きます。

問6間違いの選択しのどこがダメなのかを考えてみます。
「本来持ち込むべきでない国家間の対立」「両者の過ち」:ロシアのクリミア侵攻のことでアメリカとロシアは対立をしていました。でも、宇宙飛行士だからといって戦争に対する意見を持っていけないことはありません。
「個人的な立場を優先できる日本人」:どちらかといえば日本人は個人よりも組織や社会などの全体を優先します。
「多様なものを認めざるをえない」:日本では同調圧力が強く多様性があるとはいえないでしょう。

問7それぞれの選択肢の内容が、本文のどこに書かれているのかを探しながら考えましょう。
「それぞれの国の政策を最優先にして」:宇宙飛行士はそれぞれの国の政策を背負ってISSのプロジェクトに参加しています。しかし、そこにこだわりすぎてはいけません。10ページの前半に「機能的なチームの必要条件の1つは、お互いの違いを認識し、1つの目的のために結束できることである。」と書いてあります。
正しいです。9ページの前半に「相手の国の習慣、文化、言語、歴史などを知ることも大切だ。」「相手がどんな背景で育ったかを知ることで、相手を多少なりとも理解する助けになるからだ。」と書いてあります。
「各人の持つ個性を優先した方がよい」:9ページの後半に「手放しで相手に賛同するということではない。考え方の相違があれば、自分の意見をきちんと伝えればいい。」と書いてあります。
正しいです。9ページの最後に「コミュニケーションは、まず相手と自分は違うという認識が出発点である。」と書いてあります。
「宇宙開発の発展だけを考えたからこそ」:10ページの後ろの方に「宇宙開発の発展だけでなく、平和のためにも、私たちが一致協力して今の任務に集中してあたることが使命だ」と書いてあります。


ご購入ありがとうございます。
これからも頑張ってわかりやすい解説を書いていきます。
受験生の皆さんも問題の文章を繰り返し読んで読解力を身につけてください。
合格をお祈りします!

オンラインで個別指導もやっています。
是非、お問い合わせください。

現在、英検1級に挑戦中で、不合格体験記を書いています


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