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武蔵野東中学2024年度国語(大問三)とってもわかりやすい中学入試過去問の解説
※この解説は、私立中学校からの公認を受けたものではありません。
単なる一個人の見解であることをご承知おきください。
より正確な解説は、過去問題集などでご確認ください。
中学受験国語の成功の極意は、
①できるだけたくさんの過去問を解いて、
②正解の理由をよく理解して、
③何度も読み返して復習することです。
間違えた問題は、本文の正解の理由になる部分に色をつけると効果的です。色鉛筆で問題ごとに色を変えてみてください。
人類学者の長谷川眞理子先生の著作からの出題です。
問題文の中に登場するOnychophora(つめ足類)はこちらです。
日本には生息していないようです。
問一人間はとても弱く生まれて、親の保護がなければ生きていけません。しかも現代では、一人前になるまでに20年以上の長い時間がかかります。ほかの動物と比べて、とても手がかかります。
問二2ページの上段の中ほどに書いてあります。①「産みっぱなしで何の世話もしない」②「片親だけが世話をし、母親だけのもの」③「片親だけが世話をし、父親だけのもの」④「両親がそろって世話するもの」⑤「両親だけでなく、兄や姉なども含めて家族全員で下の子の世話をするもの」の五通りです。
「ある種は片親だけが世話をし、その場合、母親だけのものと、父親だけのものとがある。」の部分が二つに分かれます。
問三2ページの上段の後半からから下段の初めにかけてに書かれています。「哺乳類は、雌が胎盤をもち、妊娠・出産・授乳を行うので、必ず、母親による世話がある。雌が体内に卵を保持し、子になってから出産するという方式(胎生)は、子の生存率をあげるという点で非常に効率が良い。そこで、哺乳類でなくとも、グッピーなどの魚類やマムシなどの爬虫類の中にも、胎生はみられる。巻き貝のタニシも、卵ではなく子貝を産むので胎生である。しかし、これらの多くは、体内に卵をしばらく保持しているというだけで、卵胎生と呼ばれており、真に胎盤があるわけではない。」
後ろに続く言葉がヒントになりますね。
問四つめ足類についての説明は3ページの上段の中ほどまで続きます。「そして、雌の子宮の中には、さまざまな発達段階の胚がいくつも入っているというので、雌は、一生のほとんどを妊娠して過ごしているに違いない。彼らの寿命は、少なくとも数年はあるようだ。」までです。
問五A後ろに「胎生」についての情報を付け足しています。
B「卵管の壁に付着した本当の胎盤をもっており、それを通して胎児を育てる」の部分を「この卵管は子宮のような構造になっている」と言い換えて説明しています。
C話題を変えて「妊娠期間はどのくらいなのだろうか?」と問を投げかけています。
D「ふつう、大きい生物にとっては時間はゆっくりと流れ、小さい生物にとっては早々と流れる。」の部分が「ゾウはゆっくり成長して長生きするが、ネズミはさっさと大きくなって早死にしてしまう。」の部分の理由になっています。
E「父親は必要ないことが多い。」に対して「父親による育児参加が必要となる。」と反対のつながりになっています。
問六2ページのげだんの中ほどに書いてあります。大昔に一つにつながっていた大陸が旧世界で、現在のようにいくつかに分かれた後が新世界です。
問七3ページの上段の終わりから下段にかけて書いてあります。「それは、北アフリカや小アジアの砂漠に住むワラジムシの一種である。彼らは、もっとも乾燥した地域に住んでいる甲殻類であり、地中に穴を掘って中で暮らす。暮らしに適した場所は比較的限られているので、住居の穴をめぐって激しい争奪戦がある。そこで、住居の穴をつねに確保しながら、なおかつ外にでかけて餌えさを食べるためには、夫と妻が一致協力し、穴の見張りと採食を分担して行わなければならない。」
巣穴をめぐる競争が激しいため、母親だけでは子育てができないのですね。
問八人間やのように「高度な認知や感情が発達している」いきものだけが「親子や家族のきずな」が強いとは限らないということに注目して正解を選びましょう。
ここまで読んでいただいてありがとうございます。
これからも頑張ってわかりやすい解説を書いていきます。
受験生の皆さんも問題の文章を繰り返し読んで読解力を身につけてください。
合格をお祈りします!
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