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目黒日本大学中学国語2024年度2月1日(大問二)とってもわかりやすい中学入試過去問の解説

中学受験国語の成功の極意は、
①できるだけたくさんの過去問を解いて、
②正解の理由をよく理解して、
③何度も読み返して復習することです。
間違えた問題は、本文の正解の理由になる部分に色をつけると効果的です。色鉛筆で問題ごとに色を変えてみてください。

※この解説は保護者の方が声に出して読んでいただけると、生徒さんの理解が格段に深くなります。

ユダヤ教の宗教家クシュナー氏に関する文章からです。自然科学や技術の発展によって、宗教の教えにも新しい考え方が生まれているようです。

以前、1200年続く神社のお嬢さんが受験をするので、「神様にお願いしたら合格できるのでは?」と尋ねたところ、「そういうお願いは聞いてもらえなくて、自分で頑張らないといけない。」という答えでした。それでも合格祈願のお守りを持ちたくなりますよね。

問1すぐ後ろに理由が書いてあります。「というのも、彼はそのほんの二週間前に、同じく飲酒運転の犠牲になって妻と子供を残して死んでしまった若い男性の葬儀を執り行ったばかりだったからです。」奇跡的に軽症で助かった女性は「神が自分を生かそうと思った。」と信じています。しかし一方で妻と子供を残して死んでしまった若者がいるわけです。似たような事故で亡くなってしまった若者は、「神にとって、助かったその彼女よりも価値がなかった」と、クシュナーには思えなかったのですね。

問2「それ」は指示語なので前の部分を読み返すとヒントがある場合が多いです。「やっぱり神様はいらっしゃるのですね」「神が自分を生かそうと思った」とあるように、飲酒運転の車による交通事故にあった女性は、神様のおかげで命が助かったと思っています。ところが、妻や子供を残して亡くなってしまった男性もいます。『女性は命が助かり、若者が亡くなったのは、どちらも神様が決めたことだ。』と考えることです。

問3線③の前後を見ると、「病気も、強盗事件も、地震も、交通事故も、それらはみな神の意志ではなく」自然の法則に従って起こっていることで、「神が災いを引き起こすのではありませんし、神はそれを防ぐこともできないのです」と書いてあります。クシュナーは、『いいことも悪いことも、すべてが神様の意思で起こるのではない』と考えています。

問4「一神教」とは「唯一の神が存在し、その紙が全てのものを創造し支配していると信じる宗教」で、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教などがあります。『全知全能の神様がこの世界を作り、宇宙で起こるすべてのことを神様が決めている』といった考えです。それをクシュナーは『人に起こる不幸は神ではなく自然の法則が決めている。』と神の絶対性を否定しています。

問5少し後ろに「神は私たちに不幸をもたらしません。不幸は不運な巡りあわせによって、悪人たちによって、また、自然の法則のなかで生きている死すべき人間として避けることのできない自然の成り行きによってもたらされるのです。私たちにふりかかる痛みの体験は、私たちの誤った行いに対する処罰ではありませんし、神の壮大な計画の一部などでもありません。」とクシュナーの考えが要約されています。『全知全能の神が世界の全てを支配してるのではない』ということですね。
選択肢の意味は行為(おこない。ふるまい。)
計画(これから物事を行うための方法やその筋道を立てること。)
意思(何かをしようとする考えや思い。)
限界(越えられないぎりぎりの境目、仕切り。)

問6後ろの部分を読んでください。「私たちは神に対して、苦難を取り除いてくださいと求めるように祈ることはできない」「神にはそのようなことはできないから」「ただし、勇気を求め、苦難に耐える力を求め、失ったものでなく残されたものに心を留める寛大さを求めることはできる」と書いてあります。不幸や災難は自然が起こすことであって、神様はそれを起こらないようにすることはできないけれども、神様に祈ることによって、そこから立ち直る力を与えてくれるということですね。

ここまで読んで頂き、ありがとうございました。
これからも頑張ってわかりやすい解説を書いていきます。
受験生の皆さんも問題の文章を繰り返し読んで読解力を身につけてください。
合格をお祈りします!

オンラインで個別指導もやっています。
是非、お問い合わせください。

現在、英検1級に挑戦中で、不合格体験記を書いています。


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