反オールドメディア派の盲点
反オールドメディア派の人間は基本的にインターネットを支持し、そこで得た情報をあてにすることが多いですが、実際ここには大きな盲点が存在します。
反オールドメディア派に多く見られる意見として、「テレビ、新聞、ラジオ等は情報や報道が偏っていて、各々どこかしらへの忖度が働かれている」というものをよく目にしますが、実はインターネットも同じなのです。
X(旧Twitter)を例に説明していきます。
以前までのXならば、自分と似た思想、反対する思想など様々な思想の人間を意識的にフォローすることで入ってくる情報のバランスをとることができたのですが、現在はおすすめ機能というものが追加され、どうやら自分が閲覧、いいねしたポストと似たりよったりの意見がアルゴリズム的におすすめ欄に流れるようになっているみたいです。
そうすると情報のバランスをとることも難しければ、世論を把握するという面でも誤った把握をする人間が増えますよね。
勿論、現在も意識的に多様な思想の人間をフォローし、フォロータイムラインだけを見ることで、情報のバランスをとることは可能ですが、そんな器用な人間はおそらくあまりいないでしょう。全体的に情報の偏りと世論を誤解する人間は、おすすめ機能で確実に増えたでしょうね。
今のお話はXに限らず、アルゴリズムによるおすすめ機能のあるSNS全般にいえることだと思います。
そして、もう一つ盲点があります。
反オールドメディア派の意見で「テレビには特定の人物や団体などからの根回しで偏向報道がなされる」というものを目にします。
でも、これはSNSも同じなんです。
例えば、選挙の際に大規模SNSを活用する有力候補者2名がいたとして、候補者AがSNSの運営陣に根回しして、候補者Aが有利になる情報のみを多く表示させたり、最悪の場合、候補者Bのアカウントを利用停止させたりすることも構造的にあり得るわけです。
上記の二点のように、実はインターネットも反オールドメディア派が思っているほど万能ではなく、情報の偏りという面ではオールドメディアと同じような欠点だらけだというお話でした。
意識的に色々な発信元の情報を見ることがバランスという面で重要になると考えております。
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