父と8歳息子の東南アジア&アフリカ旅行~ビビりながらナイロビ~Vol.8

1 ケニア シリング=1.03円 (2019年9月24日 当時)

アディスアベバに別れを告げてケニアのナイロビへ向かう。
出発前に最初で最後のエチオピアビールを飲む。美味い。

普通に美味しいエチオピアのビール

ケニアのビザは事前にオンラインで申請できるが、何度やっても最後のクレジットカードの決済が上手くいかなかったため、アライバルで取る事に決めていた。

しかしこれが失敗だった。

ビザの申請用紙は記入欄が多く、しかも息子と二人分なのでかなり時間が掛かった。ようやく書き終えたかと思うと、申請窓口には長蛇の列。。

申請書を出すと、「向こうの窓口で代金を払って」と言われ別の列に並びなおす。

強面の入国審査官から滞在日数などを聞かれた後、2人分のUSD100を支払う。

そして「あっちのインド人の後ろで待て」と言われ違う列で待つ。

先ほどの強面審査官に呼ばれる。

審査官:「書類はOKだ。ではビザ代金を払いたまえ」

自分:「大変恐れ入ります。 先ほど貴方にUSD100お支払いしたと思うのですが、何卒ご確認頂けませんでしょうか?」

丁寧に答える。こういう役人が騙して金を取ろうとするのは正直良く聞くので不安になった。しかし外国で権威ある役人に対して絶対に偉そうにしたり、キレたりしてはいけない。日本とは役人が持つ権威と権力の度合いが違うからだ。

2人の間に緊張が走る。

気まずい空気が流れる。

絶対にもうUSD100 は払いたくない。

しかしよく考えると領収書もなく証拠がない。

審査官:「え?? マジか?」

僕: 「イエス サー。マジです」

審査官: 「この俺が受け取ったというのか?」

僕「はい、間違いなくお渡ししました」

審査官: 「なら、お前の子供はビザ代無料だからUSD50 返すわ」

え!?

てっきり二重請求でボラれると思いきや、間違えて余分に払った分を返してくれるなんて。。

なんて良い人なんだろう、嬉しくて泣きそうになってしまった。
(一般的には普通の対応である)

思い込みで判断してはいけないなあ・・・と深く反省。

ともあれ、無事ケニア入国。

両替してSIMカード(5GでUSD10) を購入してホテルの迎えを探す。

しかし一向にそれらしき人が見つからない。
既に時計は21時近くを指している。ここは世界三大凶悪都市のナイロビ。

空港とはいえ早く離れたい。

仕方なくホテルに電話すると、どうやら我々が出てくるのが遅いので帰ってしまった様だ。再度向かうので30分は待てとのこと。

ここナイロビもUBERでの移動がメジャーになっていると聞いていた。
やっぱりホテルのピックアップを頼まず、UBER を使えば良かった。

UBERの方が安いのは分かっていたのだが、到着が夜遅く心配で事前に迎えを頼んでしまっていた。

息子はありったけの服を着こんで路上で寝てしまった。

ナイロビも標高1,600m あるので、夜は冷え込むようだ。

暑がりの息子が着込むなんて珍しい。体調を壊しませんように。

30分と言われながら結局待つ事1時間、ようやく迎えが来て目的のBienvenue Delta Hotel へチェックイン。webの評価では比較的治安の良いエリアにあり、レビューも良かったのでここに決めていた。

USD40/泊。外には警備員がいたがドアすらない。
不安になったが安いので仕方ない。
ドアがあろうとなかろうと、どうせ拳銃強盗が来たら襲われるだろう。

息子は寝たままだったので、警備員が担いで部屋まで運んでくれた。

ああ、いよいよナイロビに来てしまったのである。

ガイドブックを見ると、

「ここは危ない、あそこも危ない」

「白昼でも拳銃強盗に遭う確率があり、周りの人も怖いので見て見ぬふりをする」

「小汚そうなバックパッカーも、金を身に着けている事を知られているので、強盗のターゲットになっている」

など、恐ろしい事ばかり書いてある。
調べれば調べるほど気が滅入ってくるが、来てしまった以上しょうがない。寝る前に入念に所持金を数か所に分散した。

分散しすぎてどこに隠したか混乱してきたので、途中からメモを取った。(ちなみに、メモを取ったはずなのに帰国して1ヶ月後、スニーカーの底から1万円を発見し大いに喜んだ)

強盗も日本語のメモまでは読めないだろう。メモを貴重品ポーチに入れる。眠れなかったので併設のレストランでビールを買う。

ラベルがかわいい

500ml で 250シリング。
1シリング=1円と考えれば良いので計算は楽だが、国際的に通貨の価値としては円と同等という事である。物価としては安くはない国なのだろう。

TUSKER は苦みもあり味も濃く、これぞラガー!という感じで美味かった。かつてタンザニアがドイツの植民地であったことから、タンザニアを中心に東アフリカへドイツの文化が注入された。その過程でビール作りの技術も伝わったため、東アフリカでは今でも美味しいビールが飲めるらしい。

ビールが美味しい国というのはそれだけで一日が楽しくなる。

滞在数時間だけど、僕の中でケニアの評価がかなり上がった。


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