父と8歳息子の東南アジア&アフリカ旅行~皮膚科とマハティール首相~Vol. 5
コタキナバルの次はKL(クアラルンプール)へ向かう。黄熱病のワクチンが有効化するまであと数日。この後はようやくアフリカへ行ける。
Air Asiaで2.5時間。
宿泊するのは、Sunway Putra Mall の近くのRegalia Residence。
ここはロビーにコンビニもあり、モールも近いので非常に便利だった。
もちろんサービスアパートメントなのでキッチンや冷蔵庫もある。
屋上のプールが最高らしいが、結局行かなかった。
そしてKLに着いたら、やらなければいけないことがあった。
出発前に臀部に湿疹が出来てしまい、放っておいたらかなりひどくなってしまったのである。
ここ数日間、プールや海に入ったのも良く無かったのかもしれない。
痛痒くて夜眠れなくなり、コタキナバルの薬局で買った薬も全く効かないので、いよいよ病院へ行くしかないと決めていた。
幸か不幸か、海外での病院は何度も経験している。
バンコクで足のケガ、プノンペンで虫歯処置、ホーチミンで熱中症。
KL在住者の方のブログを見て、病院の目星は付けてあった。
「TING SKIN LASER CLINIC」
Dr.Ting という名医がいて、現地の方にもすごく評判が良いらしい。
朝10:00位に病院へ向かう。
到着すると既に病院の外にも順番待ちの患者が溢れており、簡単に中へも入れない。ひとまず受付らしき所に並び、順番を待つ。
「観光客の日本人だけど、いい?」
「それは問題ないけど、3時間待ちよ!あと保険効かないから実費ね!」
と受付の中華系の女性に言われる。
しまった、今日は土曜日の午前中だった。混むに決まっている。
しかしこれ以上僕のお尻はもたない。待つしかない。
部屋で待っている息子が心配になる。帰りが遅いので不安にならないだろうか。まあ遅くなるかもと言ってあったし、you tube見放題なのでむしろ彼にとっては至福の時間だろう。
父子家庭だといつも出掛けるのは父子2人だけなので、こういう時のお互いの信頼感は普通の父子より強い気がする。あいつなら大丈夫、そしてあいつも俺の事を大丈夫だと思ってるはず、、みたいな。 大袈裟だけど。
腹を決めて待つ、ひたすら待つ。
僕の後もひっきりなしに患者が入ってくる。老人、若い女性、子供・・・。
KLの人達は皮膚が弱いんじゃないか..? と真剣に思うほど続々と来る。
そして2時間が経ったころ、名前が呼ばれる。
診察室に入ると、知的でとても綺麗なインド系の女医さんが微笑んでいた。
Dr.Ting は中華系の名前なので、どうやらこの女医さんは院長ではなく雇われの医師なのだろう。
「臀部に湿疹が出来ちゃって・・・。」
「じゃあ、あっちのカーテンの向こうで見せて」
するするとズボンを下ろす。。
マレーシアまで来て、綺麗な女医さんにお尻を見せることになるとは。。。
僕のお尻を見て「Wow」 とすごく綺麗な発音で女医さんは言った。
僕は恥ずかしかったけど大きな声で堂々と「Yes, Wow」と答えた。
診察が終わり、見たこともないオレンジとピンクの抗生物質と塗り薬をもらう。飲むのをためらうくらい、ビビッドな色。。けれど、この薬を服用して数日で湿疹は治まった。やっぱりすぐ病院へ行かないとダメだなと反省。
KLではコタキナバルでは見なかった外国人労働者をたくさん見た。
イスラム教の国なので、宗教的な壁が低いためアジア以外に中東からも労働者が多い。
Putra mall のフードーコートの店員もバングラデシュ人が多かった。店員はマレー語も中国語も分からない。しかしマレーシア人の客は皆英語を話すので全く問題ないらしい。
そしてKLCCでは有名なペトロナスツインタワーを上ろうとしたら、
まさかのチケット売り切れ。。
しかたなくペトロナスモールをぶらついていると、すごい人だかりを発見。
群衆の輪の中心にいるのは・・・
マハティール首相ではないか!!
ゆっくりと歩を進め、何度も立ち止まって笑顔で国民との記念撮影に応じている。周りのSPは日本で見るほど警護は厳しくないが、近寄ってくる人間の目だけはしっかりと厳しく見ていたのが印象的だった。
マハティール氏と言えば、「ルック・イースト政策」でも有名な建国の父である。そして94歳の今も現役首相として政治を司っている。親日家としても有名で、日本に関する著書もある。
イッテQのパパラッチ出川と同様に「プライムミニスター! フロムジャパ~ン!!」と何度も呼びかけたが、群衆に囲まれて声は届かず、かろうじて取れた写真がこれ。
KLCCタワーに登れていたら出会えなかったと思うと、結果的にラッキーなアンラッキーであった。
夕暮れのKLCC Park に移動する。
夕暮れといっても日は長いので時計はもう19:00 になろうとしている。
子供たちは遊具で遊び、親たちは微笑ましくそれを眺めている。
会話に興じるマレー人カップルもいれば、ジョギングに精を出す欧米人もいる。人種も老若男女も関係なく、皆が集まってのんびりとした時間を過ごす。
きっとマハティール首相はこの景色を見たかったのではないだろうか。
と、夕日を見ながらマハティール首相の人生と功績に思いを巡らせるのであった。
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