ネコの毛の色を決める11の遺伝子

おはようございます。
夢見る電子妖精ほげ子ちゃんです。
今週は子ども科学電話相談がお休みなので暇ですよね。
というわけで、2023年3月5日の相談ですごく気になった質問を
改めて文章でまとめていこうと思います。

ネコは兄弟でも毛の色が違うのはなぜですか?

番組内であげられたこの質問への回答は、遺伝子でした。
ABO血液型を例に挙げて、顕性のA・B、潜性のO、と遺伝法則の説明をしていました。
ABOという三つの要素でも複雑なのに、猫の毛の色を決める遺伝子は11の要素からなるため、もっと複雑な組み合わせがあります。
11の遺伝子と組み合わせについては後述します。
※私たちはメンデルの法則で優性・劣性と習っていましたが、2021年から中学教科書での表現は、顕性・潜性と変更されています。

一緒に生まれたのなら、両親は同じですか?

さて、私が言いたいのは、同期複妊娠です。同期複妊娠を簡単に説明すると、同時に違う父親の子どもを妊娠する、ということです。
遺伝子だけで回答できる質問であり、また、子どもへの回答であることを考えると、人間の倫理からは外れた行為であるため(ですよね?)、あの場面で取り上げる必要は全くありません。
でも、ネコは特性として、そういった要素も持っているため、いじわる解答として答えてもいいかなと思いました。
「兄弟で同時に生まれたのに毛の色が違う」、と言う質問は、前提として、「同じ両親から生まれたのに」という推測をしていることが考えられます。
同期複妊娠という概念を知っていれば、その推測は成り立ちませんよね。

オスの三毛猫について

番組の中で私が強く興味をひかれた箇所が2つあります。
1つは、11の遺伝子の話。
もう1つは、オスの三毛猫の話です。
オスの三毛猫は、存在が非常にまれだとは聞いていましたが、その理由までは知りませんでした。

簡単に言うと、三毛猫の色を発現するには、O遺伝子が2つ必要であり、O遺伝子はX染色体上に含まれるため、メス(XX)でないと三毛猫にはならない。
しかし、染色体異常により、三倍体であれば、オス(XXY)でも、O遺伝子を二つ持ち、三毛猫になる事が出来る。ということです。

また、実在したオスの三毛猫の話もまた、興味をそそられました。
私はオスの三毛猫というのは、青いバラのようなもので、存在しない都市伝説のたぐいであると思っていたのです。 しかし、それは誤りで公的な記録にしっかりと記録されているのです。

オスの三毛猫、たけし

タロ、ジロで有名な南極観測隊ですが、もう一匹有名な動物がいます。それが「たけし」です。(有名って言ってたけど、私は初耳でした。)
南極越冬隊は、非常に危険な旅であったため、縁起物として、「たけし」という名前のオスの三毛猫が持ち込まれたと言うのです。
※注意、南極大陸への動植物の持ち込みは、現在では禁止されています。
(たけしの詳細な記録は、国立極地研究所アーカイブ室をご覧ください。)

私の話

前回の私の記事は、一風変わった切り口から質問を再構成することで、新たな視点を楽しんでもらうという記事が書けたつもりです。
今回の記事はそういった要素はなく、放送で面白いと思った箇所を備忘録的に載せただけです。
それでも、みなさんもその二要素(11種の遺伝子とたけし)に興味が持てたのなら、幸いです。

ネコの毛の色を決める11の遺伝子

後述といって先送りしていたネコの毛の色を決める
11の遺伝子について説明します。

1.白を発現するW遺伝子
2.オレンジ・茶色を発現するO遺伝子
3.黒を発現するB遺伝子
4.カラーポイントを作るC遺伝子
5.毛を銀色にするI遺伝子(赤黄系の色素を阻害(インヒビター)する)
6.毛をアグチ(アグチというねずみに由来?)にするA遺伝子
7.毛を薄くするD遺伝子
8.白い斑点を作るS遺伝子
9.虎縞を作るMc遺伝子(マッカレルタビー)
10.斑点模様を作るSp遺伝子(スポッティングタビー)
11.霜降り模様を作るU遺伝子(アンパターンドタビー)

当初は9種類の遺伝子によって構成されていると考えられていたが、縞模様を司るT(タビー)遺伝子が、Mc・Sp・Uの別の3種類であると考えられるようになったため、現在は11種類と考えられているようです。

猫の毛は上記の11の遺伝子が複雑に絡み合って発現します。
ここでは例として、三毛猫を考えてみましょう。
まず、白ではないため、ww遺伝子を持つ。
次に、三毛は黒と茶色を持つため、Oo遺伝子を持つ。
最後に、一部が白であるため、Ss遺伝子を持つ。
そして、CやDやI遺伝子は持たない。
といった具合でしょう。
ただ、この部分は私が理解できていないため、特に正確性は保証しません。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

今回の記事は、番組内容をまとめるだけでなく、ネコの毛の色を決める11の遺伝子についてネット上である程度の下調べ行ったので、公開が遅れました。
ただ、この調べものをしている間に、ある一つの思い付きがあったので、次は、それについての記事を書いてみようと思います。
ヒントは、三毛猫と種なしスイカの共通点です。
子ども科学電話相談が大好きな人なら、これだけでわかっちゃうんですかね?

追伸.もしかしたらその思い付きを公開しないかもしれません。そういった場合はお察しください。

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