自室という名の避難所
学校から帰ると、まるで敵の城から逃げ帰る騎士のように、全速力で自室に突入する。
ここは僕にとっての安全地帯、つまり「自室」という名の防衛拠点だ。
なにしろ家には母という「女帝」と、兄という「王子」がいる。
その母の怒りや兄王子の不機嫌さから逃れるための、言わば最後の砦。
そしてそれ以外は戦場のようなものである。
部屋のドアを閉めると、外の世界の騒音がかすかにフェードアウトし、静寂がやってくる。
この瞬間、まるで肩の荷が降りた気分になる。もしも、メダルのようなものがもらえるなら、「家族の中で一番生き残る術を獲得した弟」として、間違いなく授与されるはずだ!
今なら自分でトロフィーの1つや2つあげたくなるね。
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