時々晴れ、のち雷雨 我が家の兄王子
「兄の機嫌は毎日が嵐の前の静けさから始って
最後は必ず大荒れなので、全てを薙ぎ倒していく。」
兄が帰宅するなり、なんと今日は僕に声をかけてくれた。
「えっ、本当に?」と思わず小さくガッツポーズ。
こんな珍しいことがあるなんて、これはいい日になりそうだと感じた。
兄の表情も上機嫌だったし、僕が余計なことを言わない限り、きっとこの平和は保たれるだろう
――僕はそんな期待を胸に、リビングでゲームを始めた。
イヤホンをして、没頭モードへ突入。
今日ばかりは自分だけの小さな楽園を思う存分満喫するつもりだった。
が、しかし、その静かな楽園は突如として暗転する。
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