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マスタリングで使いやすいEQ
私が使っているプラグインEQの一部を紹介します。
1.「EQ116」
長く愛用しているのが、MAGIX SEQUOIAに内蔵されている「EQ116」です。
このEQは、下が10Hzから、上はサンプリング周波数に応じて、サンプリング周波数が48kHzなら24kHzまで、96kHz なら、なんと48kHzまでのエアーバンドが扱えます。
つまり、サンプリング周波数に対して使える帯域は全て使うという設計になっているんですね。
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とてもシンプルで使いやすく、引っかかりが良いので使用率が多いのですが、
こちらは一般にはリリースされていないので、SEQUOIAを使っている人しか使えないですよね。
ということで、参考までにご紹介しました。
2.FabFilter Pro-Q4
最近よく使うようになったのは、FabFilter Pro-Q4。
こちらは、記事を書いているので
これから使いたい方はそちらを参照くださいませ。
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音も良いですし、とても良く考えられていて、
使いやすく良いEQですね。
3. TBTECH Kirchhiff EQ
見た感じ Pro-Qシリーズと似たような感じですが、
こちらも音が良いですし、32バンドのパラメトリック EQ。
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使いやすく見やすく良いですね。
実在のデバイスをモデリングした32種類の
ビンテージEQタイプフィルターを備えています。
そして、世界初の試みとして、「Double-Double」と呼ばれる手法を用いて、
内部処理の精度を117ビットにまで高めた」
とのことで、117ビット?!
なんと、独自技術によって内部処理117bit動作に切り替えることが可能ということで、驚異的ですね。2xオーバーサンプリングの備えていて、究極に良い音質を目指したプラグインEQです。
4.DMG Audio「EQUILIBRIUM」
こちらは購入してみたものの、あまり使っていなかったのですが、
復活しそうです。
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非常に高品位なEQで、アナログカーブのモデリングの数がとても多いのが魅力的なEQです。カスタマイズ性が高く、最初の印象では、デフォルトではちょっと使い勝手が悪かったり、見づらかったりというところが気になっていましたが、
「SETUP」で、細かく自分が使いやすいセッティングを作り保存しておくと次回からこのセッティングで表示されるので便利です。
また、Preset に自分のPresetを作っておくと、それを読み込めば、
すぐにそこからスタート出来るのでさらに使い勝手が良くなります。
デフォルトでは、画面を大きく使いすぎてしまって邪魔なので、、、とにかく画面の上から下までドドーン!と占領されるので、出来るだけコンパクトにしつつ見たいものを表示させると、私の場合はこのような感じになりました。
これくらいコンパクトになると使いやすいですね^^;
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サンプリング周波数が96kHzのセッションなら扱える周波数帯は、
下は10Hzから上は48kHzまで、サンプリング周波数が48kHzのセッションの場合は、10Hz〜23.9kHzまで、というのはEQ116とほぼ同じです。
EQのタイプには、「4kg」「110」「550」「88」「32」など、ちょっと見たことがあるような数字があり、例えば、「110」=「Focusrite ISA 110」、
「550」=「API 550b」、「88」=「Neve 88RS」、「250」=「Sontec 250EX」などなど、モデリングの選択肢がとても多いですね。
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表示機能を含めてカスタマイズ性がとても高く、あまり初心者向けではないですが、勉強にもなりますし高品位で良いEQです。
そして、これら、FabFilter「Pro-Q4」、TBTECH「Kirchhiff EQ」、
DMG Audio「EQUILIBRIUM」の3つのプラグインEQに共通しているのは、
鍵盤画面を出せること、そして、Lowは10Hzから、Highはエアーバンドを限りなく高い周波数帯まで扱える周波数帯の広さです。そしてとても高品位なプラグインEQですね。
鍵盤画面は、特にミックスでは単体の楽器の音域での調整が分かりやすい
ように思いますが、マスタリングでも各楽器がどの辺りに存在しているのか、
周波数帯との関連が分かりやすかったり、編成の少ないアコースティック作品などでは特にメリットが大きいですね。
最近は、こういった鍵盤表示が出来るプラグインEQは増えてきていますね。
それから、エアーバンドを限りなく高い周波数帯まで扱えるということは、
実際には聴こえない帯域であっても、音声信号としては確実に存在していますし、
他の周波数帯に影響のある帯域ですので、効果的に使っていくことが出来るというのは大きなメリットです。
5.iZotope「 Ozone」
マスタリング定番のEQですね。
私はOzone 10までアップデートしつつ、10はあまり使わなくて、
9をメインに使ってきましたが、Ozone EQは今はほとんど使わないです。
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Ozoneは、周波数帯が20Hz〜20kHzまでで、最近のプラグインEQの傾向
からすると物足りない感じはありますね。
やはりカーブなどの種類がオーソドックスに分かりやすいのと
使いやすさがあり、Ozoneだけで様々なエフェクトを完結出来るというメリット
もあるので、導入編としてはとても良いと思います。
6.VEQ3、VEQ4
VEQは、普段はあまり使わないのですが、たまに使うことがあります。
アナログモデリングとしては、非常に豊かなサウンドで、
たまに、ここはVEQかな、と思うような時に登場って感じですね。
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V-EQ3はハードウェアの名機であるNeve 1066、Neve 1073のモデリング、
V-EQ4は、Neve 1081をモデリングで、シンプルで、使える周波数が固定ですが、
サウンドを作り込みたい時などに使うことがあります。
7.Bettermaker「EQ232D」
こちらは、私は実機で232P MKIIを持っているので、基本的には実機の方を
使うのですが、プラグインだけで完結させたい時に使うことがあります。
EQ232 のPultec セクションが好きなので、主にPultec セクションをメインに
使っています。
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プラグインならPultec EQは、WavesやUADにもありますが、普段実機で使って
いるBettermaker が使いやすいこともあり、サウンドが豊かでクリーンなことも
気に入っているポイントですが、たまにWavesのPuigTec EQP-1Aなども
使うことがあります。
EQは、1種類のみという使い方はほとんどしていなく、それぞれの特徴から、
幾つかを組み合わせて使っています。
このEQはこのためだけに使う、など目的に応じて使い分ける感じです。
また、普段、定番で使っているものでは対処出来ないような場合には、
別の特徴的なEQを使うこともあり、幾つかの引き出しを持っておくことは
必要ですね。
マスタリングで使いやすいEQに悩んでいる方へ参考になりましたらと思います。
Winns Mastering のホームページはこちら
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マススタリングのご依頼お待ちしております。
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